この夏の日記短歌17首

この夏は仕事でもある念願の自由作文四〇枚書く
論理絵で写し取れない感覚や実感があり暮らし支える
慣例で成る生活の様式でことばの意味がその都度決まる
先輩が上手く素描を書き溜める夢を見たれど歌もスケッチ
スピノザの和訳を作り書いて行く計画を立て今止めておく
残された古いレシピでアフリカのトマトカレーを懐かしく食う
図書館の松谷みよ子の書く絵本お匙さんの旅見て楽し
借りて来た新潮文庫の捨ててこそ空也の本は堅い小説
四苦八苦・縁起説など書いてあり日々に照らすとみな腑に落ちる
毎日の鬱憤を消すノンアルのビアテイストは目方ずっしり
毎日のように昔の友だちが夢に出てきて何を伝える
ビートルズ記録映画に手を出せば3枚組は少し割高
紙ぐらい薄い夏ジャケ家にあるゴールドベアは少し小さい
ジャケットのイデアを探し数々の品買い求め服山となる
名前出る芸能人はほぼ知らず今の時代にやや置き去られ
先々は見通せぬまま秋からの軟着陸はいつも気掛かり

ギンドロの銀葉眩しい北の森啄木鳥響き丘の鐘鳴る