歳時記俳句・南窓

北風が入り込まない南窓
札幌の冬の歯医者の鳩時計
イブの日の靴下からの銀世界

相好を崩して友と忘年会
脱稿が秒読みとなる十二月
熟考の冬の灯りは衰えず

大掃除小分割で送る年
転倒し財布破れし師走かな
積雪の眩しきなかを白き息

垂り雪背中を掠め冷やりとす
厚氷しばれる中を登下校
幾重にも襟巻きをして歩も軽く