歳時記俳句・梅雨しずく

六月の星の神話を壁に描く
夏至の頃オルフェの遺言観る慣らい
水無月のシフォンケーキに描く星座

聖堂のガウディ同じ誕生日
ヨハネの日三多摩の隅生まれけり
梅雨晴れにケバブは止めて小僧寿し

戦況は予断許さぬ半夏生
届かない思いを胸に夏野行く
雪残るアダージェットを梅雨も聴く
故郷を遠く離れて花水木

木苺の紅を思ひて喫茶店
歳月の過ぎゆくままに歌う梅雨
梅雨しずく集めて涼し相模川
愛読書名探偵のテクニック

バレエ眠れる森の美女を観る

バ レエ「眠れる森の美女」をYouTubeで観た。チャイコフスキー作曲。
と言っても、完全版は、２時間半の大作なので、
抜粋版で観てみた。
ある国に、オーロラ姫と言う王女が生まれる。
祝いのパーティに自分だけ呼ばれなかった、と言って
魔女カラボスは、王女はやがて、糸紡ぎの針に指を刺して
帰らぬ人となるという呪いをかけた、と告げる。
そこに善なるリラの精が現れて、オーロラ姫は、
100年間眠って、やがて目が覚める、というように、
呪いを和らげる。
16年間、蝶よ花よと育てられ美しく成長したオーロラ姫には、
連日、求婚者たちが訪れる。
そこに、老婆に変装して魔女カラボスはオーロラ姫に
薔薇の花束を贈る。薔薇の花束には、糸紡ぎの針が
仕組まれていて、オーロラ姫は100年の間眠る。
リラの精の計らいで、城中の人々も100年眠る。
100年後、リラの精は、隣国の王子にオーロラ姫の幻を見せる。
姫に恋したデジレ王子は、カラボス一味を退治して、オーロラ姫に
口づけをして、眠りの呪いを解き、姫と結ばれて婚礼の宴が
開かれる。童話の登場人物たちも祝って踊り、姫と王子が恋の
踊りを踊って、幸せのうちに閉幕する。
この長編バレエを上演するのは大ごとで、各場面に多彩な踊りが
ふんだんに盛り込まれている。オーロラ姫や王子や来客の踊りは
美しく、可憐で、見る者を惹きつけて止まない。
文字通り、バレエ作品の金字塔と呼べる大作に仕上がっていて、
見どころ満載である。
オーロラ姫はバレエ少女の憧れの役どころである。

口づけで眠りが覚めた美しいオーロラ姫は王子と結ばれ

日記短歌・詩の十景

友人がぜひお勧めのピアノ集イレーヌ・ルッソのリスト消え失せ
CDをごそごそ探しているうちにサンドール弾くバルトークあり
CDは例えていえば埋蔵経必要なとき不意に出てくる

ブリオッシュ・ホイップパンを食べてみる甘さ控えめはみ出ないほど
２枚組エイナウディのピアノ曲今の詩情が日々を支える
EМIリストのピアノコレクション１０枚組が部屋に広がる

近隣のペルシャ料理のサーガルヘ行くか行かぬか今思案中
初夏に咲き秋までも咲く白蝶草俳句の季語にならぬよき友
夏物のジャケット友と会うときに日照り止まればまた着るつもり

ラジオから気球に乗ってどこまでも合唱曲で10代の空
学校をさぼって読んだ俊太郎今は赤子の語彙で詩を書く

7Pの顆粒の深いコクがあるアイス珈琲入れて飲み干す
白蝶草見かけるたびに思うのは詩の降りて来る秋の中庭

歳時記俳句・涼景

夜の本静かに閉じて夏灯かり
友人の詩の朗読や梅雨の月
二本の樹素知らぬ顔で風涼し
あることに夜中に気づく籠枕

物思い歩みを止めて夏木立
水流は何処に向かう夏落葉
奔放に姿を変える夏の雲

雨垂れがリズムを変えて花菖蒲
鈴蘭が咲く北の町五時の鐘
思い出す芸術祭の蓮の花
陶然と店頭で見る黄撫子

クラークの丘にひっそり羊蹄花
行く当ても決まらぬ思い破れ傘
誕生会友と笑顔で桜桃坊
時期外れ苺を探す誕生日

現代ピアノ曲集の詩情

夕方、ブリリアント社の２枚組のCDが届いた。
ルドヴィコ・エイナウディ　ピアノ曲集1310円である。
早速聞いてみて、感心した。
一曲、一曲が詩作品なのである。
題は、イタリア語で書かれていて、私には
意味が分からない。
せっかく、日本語の帯付きなのだから、
曲名ぐらい和訳して載せてほしかった。
だが、英題で載っているのもあるので、
いくつか紹介すると、
〇夜の本〇2本の樹〇歩み〇夢想
〇さよならいとしの人〇ベルリンの歌
というような題がついている。
いくつか並べただけでも、詩集のような
ピアノ作品集の趣が伝わってくる。
FMのらじるらじるで聞いて、「白い雲」
と言う曲に心打たれて取り寄せて
正解だった。私は交響曲派であるが、
現代のピアノ小品集もいいな、と実感。

友人の作った詩など朗読で聞く感覚のピアノ小品