超人日記・作文

俳句を中心に、短歌や随筆も登場します。

#俳句・川柳ブログ 

日記短歌・導火線

2023-06-20 05:06:02 | 自作短歌
ビートルにコアな部分を叩き込むリトル・リチャードその高揚感
次々に多様な形に変わり行く雲の動きを写し取れたら
あふれ出るその旋律が止まらないドヴォルザークの交響曲群
進軍の臨場感を描き出すショスタコーヴィチそこまでやるか

街角のアートフェスから始まったその純心が今を支える
中庭に舞う秋風の白蝶草詩が降りてきた稀有な瞬間
学童に家出を配る旅一座行く当てもない子が後を追う
今一度書き直せない座標軸それでもせめて歌ひとつ足す

赤すぎる果肉を開く柘榴の実目をそらすほど諦めはなく
夜汽車にて筆を走らす若き日の歌人の指は詩の導火線
情報を学習しては組み合わせ創作をするAIを撃つ

この町の道あちこちに咲き乱れ人を惑わす紫陽花の青
襟を立て線路を歩く旅人が原稿を書き世を震わせる
原色で集合写真や滝つぼや探偵団の霊を絵にする
思うまま心の声に従えば小節数が伸び縮みする



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エイナウディの「白い雲」は名曲

2023-06-19 06:19:21 | 無題
日曜日は、NHKFMの「かけるクラシック」聞く。
私がラジオをつけたときに、聞き慣れないシンフォニー
が流れているな、と思ったら、シベリウスの
「クレルヴォー・シンフォニー」だった。
今日のお題は、お天気のクラシックで、
最後に掛けたのが、ポスト・クラシカルの
騎手、エイナウディの「白い雲」と言う曲。
これが素晴らしい、抒情的なピアノ曲で、
繊細でよくできた曲で、
映像詩的な情景を思わせる曲で、
白い雲が、青空のなか、さまざまに形を変えながら
広がっていく光景が浮かぶ、名曲だった。
いろんなジャンルに手を出しているらしい、
イタリアの現代音楽の作曲家のようだが、
ピアノ曲集なら間違いないだろう、と思い、
「白い雲」も入っている、
2枚組1310円の「ピアノ・ミュージック」という
CDを取り寄せた。初夏の毎日に彩りを添えたい。

刻々と姿を変える毎日を静かに揺らす滴 広がる


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放哉の自由律俳句を読む

2023-06-18 05:14:33 | 無題
〇たつた一人になり切って夕空
なり切って、というのは、なり尽くして、ということ。夕空と言い切っていて、清々しい。
〇石榴が口をあけたたはけた恋だ
柘榴の実がぱっかりと開く。果肉の赤が妙に生々しい。そんな恋を、ばっさり投げやっている。
〇潮満ち切ってなくはひぐらし
一日を生き切って、見ていた海も様変わりする。そこに今日も日暮らしがなきはじめた。心満つ。
〇もやの中水音逢ひに行くなり
もやに包まれて何も見えない中、水音だけが聞こえ、人に「逢いに」行くのだ。思いつめた心境。
〇うそをついたやうな昼の月がある
昼見る月は、どこか非現実的だ。それを、うそをついたやうな、と平易に言うおもしろさ。
〇わが顔ぶらさげてあやまりにゆく
酒で失態をしでかした翌日、お詫びの品を持って謝るところ、わが顔ぶらさげてと言うおかしさ。
〇水車まはつて居る山路にかかる
あぜ道を黙々と歩いていると、水車が回る眺めに出る。ちょうど山へ続く傾斜の始まりだ。
〇あけがたとろりとした時の夢であつたよ
明け方、夢うつつのまま、まどろんでいると、また夢をみた。ウトウトをとろりとしたと言う妙。
〇渚白い足出し
広い浜辺。そこに白い足を出す。誰の足かは書いてない。束の間の開放感が伝わってくる。
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歳時記俳句・絵日記

2023-06-17 05:40:12 | 自作俳句
聖人は夏至と冬至に生まれけり
私の眼みんな絵日記ではないか
六月に思う映画の熱帯雨
朝焼けの向こうに北の町暮らし

毎日を暮らす横顔 夏見舞い
アロハシャツ少し浮き立つ田舎町
街路行く夏服眩し青信号
改札でうつむく人の夏帽子

百八つ泡が弾けるソーダ水
炎天下全身笑う夏ゼリー
青紅葉道行く人の爽やかさ

思い出の回り灯籠夏来たる
産声を上げるさ中に咲く紫陽花
あの笑顔だけは信ぜむ白蝶草




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日記短歌・それとして

2023-06-16 05:09:36 | 自作短歌
キャラメルのクリーム入りのパン菓子のクイニーアマンうっとり食す
梅雨の朝くるみ割り人形バレエ観てイブの楽しい夢に釘づけ
梅雨寒に小説日蓮取り寄せて一切衆生成仏と読む
群衆のためによろける花火詠む三鬼は遠きイエス思ひて

次々にチェットベイカー掛けて行き青き大人のジャズに親しむ
公園や小径の花を撮り歩きマリーゴールドよき友とする
個人的思いはそれはそれとして今日一日を丁寧に生き

越して来た住まいは意外と心地よく静かに暮らす穴場みつける
近所にはきんつばファンが数多く何度行ってもまたも売り切れ

風邪気味で葛根湯を飲んだ後熟睡すれば一晩で治る
作文を交響曲になぞらえて数曲をただ書き留めて消え
別荘で新作を書くマーラーをお手本にして筆を進める

ひっそりと日々の深部に流れつつ思いもよらぬ現実が待つ


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