7月20日(火)
▲ 和賀岳への登山口駐車場の朝
4時に起床。
昨夜に隣の軽自動車でやってきた方は、4時半にもう出発した。登山服のまま寝ていたに違いない(笑)。
熱中症リスクを減らすためには、できるだけ早く出発するに限る。朝食はちゃんと食べて、ボクも5時40分に出発した。水はいつもの1.5L(500mlx3本)ではなくて、大ペットボトル1Lを追加して2.5Lと思っていたが、大ペットボトルは2Lあるのね。で、知らずに3.5Lの水を担いで。(どおりで重かった)
▲ 持参したガイドブックの絵地図
甘露水口⇒滝倉⇒薬師岳⇒小杉山⇒和賀岳の順に。コースタイムは8時間30分。歩行距離14.9km、累積標高差1363m。技術より体力が要求されるコース。ハイライトは薬師岳以降のニッコウキスゲの群落だ。
▲ まもなく、右手には滝も見えてきて。5:55AM
「涼し気で、いい感じじゃない」
(本当は滝なんか有るのがおかしい)
▲ 渡渉ポイントも2カ所あって 6:04AM
「水かさが増してなくて良かった」
(岩手県側からの和賀岳コースに渡渉があって、頭でごっちゃになっていて疑問に思わず)
▲ 出発から2時間半ほどして、目の前に山が現れた。8:08AM
絵地図を見ても、どの山かは定まらず。
(おそらく甲山だったのでは)
稜線っぽいところに出ると
▲ トラノオもあったりして
これはガイドブックにも載っている花で。
▲ 傾いた金属標柱に出会う 8:29AM
しかし、残念なことに文字表示は無し。ていうか、出発以来、そのポイントがどこかを示す標識がひとつも無い。なんと不親切な山だろう。やはりマイナーな山だな。
▲ この倒れ標識の周りの山並みをワイドに撮っておく。
絵地図とコンパス(磁器)を突き合わせてもピンとこない。
和賀岳があろう前方は北方向だと思うが、コンパスは南方向を示す。??
こりゃ、コンパスがおかしい。バッテリーの側に置いていたから、壊れたのだろうと勝手に思う。
しかし、いったい、ここはどこだ? オレは今どこにいる?
どこか定かには分からないが、赤リボンを確認しながらここに来ているから、コースを逸れていないはずだ。
なおも、いったん下方へ下って、また尾根へ出てまた下方へ下って行った。
▲ 樹林帯みたいなところへ入ってきたが、このリボンに従って、踏み跡をたどってきているから
だいじょうぶなはずだが・・・
▲ 踏み跡が無くなった! リボンも見えない!ところへ来た。9:35AM
僅かな踏み跡の可能性のある2方向へ、歩を進めるが。
どちらもリボンが出てこない。おかしい?
これは行き止まりだ。
とにかく、この道ではない。戻らなくては!
出発から、もう4時間経過していた。
間違えないように、変なとこにさらに踏み込まないように、リボンを手掛かりに慎重に Uターン。
▲ あの倒れかけた標柱の稜線スポットまで戻った。10:20
ここから少し戻ったところで次の写真を撮っている
▲ どの方向で撮ったのかは不明だが 10:37
後に他の方の登山記事で照合すると、これは薬師岳と和賀岳のようだ。
なぜ、あそこへ行けなかったのだ!!
オレは今どこにいる??
電波がとれたので、google map で現在位置を出すが余計に分からなくなった。
なんで、こーなるの?? (怒)
怒っていてもしょうがないので、全面退却!!
山の下りが続いて、
▲ 下に金属標柱が立っているところへ来た。12:01PM
その標柱の横に、朽ちかけた木製の標柱が倒れていた。
▲ それには
「すずみ長根口 甲山・薬師岳縦走コース」と表記がある。
この木製標柱は見てない!
うmmm なんか違うコースをさまよっていたようだな(涙)
ちゃんと、立てておけよ(怒)。
それでも独り敗残兵は、もと来た道を歩き続け
▲ 駐車場に戻った。13:02PM
実に7時間20分の、無駄なさまよい、彷徨の山行になってしまった。
駐車しているクルマは朝よりさらに増えていたが、この彷徨中だれとも出会わなかった。そりゃそうだろう、ボクだけが変なコースを歩いていたのだから(泣笑)。
クルマが1台駐車場に入ってきた。オジサンは登山届のボックスを開けて、届出書を回収し始めた。山の管理関係の人だな。標柱標記が無いとクレームしたる。
「そりゃあーた、初めから間違えた道を行ったんだべ。『甘露水口』を上がっていかないとだめだんべ」
滝も渡渉スポットも行きすぎていると。そのコースは現在改修中で、まだ改修は中途で終わっていると。事も無げに言ってくれた。
「甘露水口の標識が無かった? あるだよ」
「よしっ、じゃもう一回行ってこようじゃないか。」「今からはもう登れないだべ」
「じゃなくて、標識が本当にあるか確かめてくる」
また、駐車場から15分ほどテクテク歩いていくと・・
▲ あっ、これか?!
それは、左手にポツンと立っていた。
▲ 「甘露水口」とプレート版が貼ってある。
その左側には
▲ 「ブナ台 和賀岳・薬師岳方面」と表示されている。
ここが分岐点で、左に折れて登っていくべきだったのだ。
ボクはこの標柱の存在を見落として、前進を続けていってしまったのだ。甘露水口というポイントが最初にくることは知っていたが、わざわざ水を飲みに行く気も無かったし、ポイントに出会わないことは気にしていなかった。とにかく、早く進みたかったのだ。
不注意といえば不注意、アホだ、馬鹿だ、Sora のバカバカ・・
ちょっとクルマの中でランチ休憩したあと、
大きな失意のまま、ボクはクルマに乗って
▲ またダート道を下っていった。14:37PM
今日は、サイテー、最悪だ、ブツブツ・・
▲ 道すがらの立ち寄り温泉・中里温泉に寄って 16:26PM
その日は、昨日と同じ道の駅・美郷でお泊り。
無念感でなかなか寝付けなかったのは、言うまでもない。
~・~・~・~・~・~・
【失敗・彷徨の原因】
▲ これは国土地理院の地図
赤線が和賀岳への正しいコース。
黄色線が誤って、さまよってしまったコースと推定される。「甘露水口」の標識を見落として、そのまま直進した。黄色線は「甲山・薬師岳縦走コース」と名付けられた登山道だから赤リボンも中途までは付いていた。
持参していた絵地図にも、その登山道は一部だが記載されていた。しかし、この絵地図だけでは、現在地点を推察するのは無理だったろう。
それでは、ボクがUターンしたポイントはどこだろうか、どこまで誤って突き進んでしまったのだろうか。
稜線のあと最後は下降していったことから、標高線が密になっているだろうことから A地点 だろうか。しかしUターンポイントまで4時間も歩いた。正しいコースで言えば薬師岳(CT3時間)までは到達する時間だからA地点よりもう少し先までさまよって行ったのでは。
傾斜した標柱のある辺りで、GoogleMapで現在地をスクショ保存した絵がある。
▲ あの時、現在地点の絵は雪山で出てきて役に立たなかったのだが。南北に点線で表された稜線上にボクはいることになっている。
これは、なんとなく国土地理院地図の B地点 のようにも見える。経過時間からも妥当だ。
しかし、どこまでさ迷ったのかは、やはり不明。
それよりも、こんな不整備なルートに迷い込んで、突き進んでも、正しく諦めて、戻ってこれたことを良しとすべきだろう。諦めず、撤退せずにウロウロを続けていて、足でもくじいて歩けなくなったら、それは立派な遭難だよな。
首都圏からの高齢者、和賀岳で遭難。道に迷ったものと推測される。(秋田日報)なんてね。
【反省点】
1.実は今までもルートを間違えるのは、登山口の進入路が一番多いのだ。早く進みたくて気が焦っているからだろう。進入路は再確認すること。
2.そのためには、絵地図ではだめだ。国土地理院地図をプリント持参しておいて、現在地を地図上で把握しておくこと。
3.現在地点の把握は、正しい方向に歩いているかをコンパスで見張っていること。
4.それでも、現在位置が分からなくなったらGoogleMapでの表示の助けを借りる。今回の間違いは、航空写真で表示させたこと。雪山での表示になっていて判別できなかった。地図表示を選択できることが分かった。地図表示なら和賀岳等の山名も出てきただろうから、現在地の誤りがすぐ分かっただろうに。
何事もなく無事に車まで帰れてよかった、よかった、先日の阪大の先生は奈良の山で道に迷い躓いて足を骨折して動けなかったそうですよ、息子さんが心配して捜索願を出して見つかったとTVの二ュ-スでした、
山も一つ間違うと怖いですね、
山やだったら誰でも経験する、登山口ポイントの見落としですね。
先行者がいたら、何でもなく後を追って左折するのでしょうが・・
百名山であればもっとお金をかけて、しっかりした案内板が作られるのでしょうが
二百名山でも、これくらいの整備状況なのですね。
ヤマプラで見ると登り口から上がって、すぐに登山口で大きく左折するようになっています。
この山はこれがポイントなのですね。
ぜひ登山ガイドブックだけでなく、YAMAPや「山と高原地図」等の併用を検討して下さい。
それぞれ月額はかかりますが、電波は入らなくともGPSで正しく登山道を歩いているか確認が出来ます。
特にsora先輩はお花狙いで、二百名山、三百名山あたりの山を歩かれるので
絶対にオススメします。
でも流石に落ち着いて行動されて、無事下山されたのは素直にリスペクトです。
前回の山からやや時間が経ったので心配していました。
我が家では、絶対に行かない 行けない山ですけどね。
ソラさんの山行きの情報を選別して、我が家でも行けそうな山を探してます。
おっしゃるとおりで。特に一人山行で他に登山者もいない山は怖いです。整備されていないですから、この65歳の先生もこけてしまって、にっちもさっちもいかなくなってしまったのでしょうね。同じようなことをやっている私は、明日は我が身としてより注意しなければと思っています。はい。
私は単独山行となると、歩いていて本当にこの道でいいんだろうかと不安になります。
不安を抱きながらの山歩き…たくさん歩いたのに…涙💧
また、よりによって紛らわしい山道があったものですね。ピンクリボンがあれば、これで良しと思ってしまいます。ソレが途中から無くなって…うわ…怖い💧
でも無事帰還されてホッとしました♡
そして客観的にご自分をフィードバックされて、さすがsoraさんです。
私なら、あ、間違えちゃった!で終わりです。
あーでも本当に本当に無事で良かったです。
お疲れ様でした♡♡♡
信さんだから細かいこと二つ。あの標柱はプレートともに金属性ですから樹々にまみれて半永久的に立っているでしょう。しかし、伝統的な十字架タイプのようには目立たない。もう一つは、和賀岳は岩手県なので、登山口の秋田県は和賀岳方向表示に熱が入らない、冷淡・・ということがあると思いますよ。これもその山の特性として理解して注意して登らねば(怒るのではなく・笑)と思います。
>ヤマプラで見ると登り口から上がって、すぐに登山口で大きく左折するようになっています~
大きい地図でみると左折は明確ですね。管理者のオジサンからも「あーたどこの地図を見てるの」と逆に尋ねられました。300名山の絵地図ですとは言えなくて(笑)。
>電波は入らなくともGPSで正しく登山道を歩いているか確認が出来ます~
Google現在位置情報は入電波が前提ですからね。でも有料ソフトか・・。以前信さんには、ヘリ保険に入ったほうがいいと勧められましたが、入ってません。うむ、こういう人は棺桶に入るのでしょうか。
>前回の山からやや時間が経ったので心配していました~
ご心配かけてすみません。この山のあと、書く意欲も失せまして。
そうですか(^^)。この山のあとは、ハラさんも絶対行ける山に行きましたからね。候補になるかも知れませんよ。
あのう、計画では2.5Lでしたが、私の勘違いから3.5Lを担いでのこれも苦行になりました。(消費したのは1.5Lだけ)
>歩いていて本当にこの道でいいんだろうかと不安になります~
単独山行でも、自分が今どこを歩いているのか持参の地図で言える時は自信がでますよ。あとは体力配分だけだと。
>ピンクリボンがあれば、これで良しと思ってしまいます。ソレが途中から無くなって…うわ…怖い~
落とし穴はリボンの存在でしたね。違うコースでもリボンは付いているのですよね(笑)。リボンが無くなった時怖いのは、ちゃんと戻れるかですよね。暗くなったらダメ。それに今後一番怖いのは、記憶力が衰えると致命的にダメですね。リボンをうまく探せない、戻れない。
>私なら、あ、間違えちゃった!で終わりです~
まだ今後も登るつもりでいますから(笑)。失敗を活かさないとね。
ご心配、ありがとうございます。まだまだ頑張りますよ。