9月21日(土)
美濃戸口での朝。
昨夜は憧れの赤岳登山に興奮していたからか、寝過ごす心配からか、7時過ぎに就寝後に何度も目が覚めた。
結局、3時半!に起床。
▲ 4時40分ごろに様子うかがいに、外へ出てみる。八ヶ岳山荘の前の駐車場にはバスが次々と到着。登山客を降ろしている。WAO、皆さん元気!・・。人気あるんだなーこの山。
私の方は、朝食をしっかりとり、といってもシリアルと菓子パンなのだが、クルマの中で屈伸運動をして、体調を整えて、遅ればせながら5時20分に出発した。
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ここで、今日のコースの説明をしておこう。
日帰りコース
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美濃戸口を出発(5:20)後、美濃戸山荘等三つの山荘がある
美濃戸へ到着。中継点になる
行者小屋を経て時計回りに
地蔵尾根→
赤岳展望荘→
赤岳頂上山荘→
赤岳頂上のあと、
文三郎尾根を通って行者小屋に戻り、同じ帰路コースだ。
モデル歩行時間は9時間(休憩入れず)。標高差1220m。 大山行だよこれ。
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林道歩きを開始。
▲ 美濃戸口Pから美濃戸Pまでの3kmの未舗装林道を走るクルマ。24台通過。4台すれ違い有。私のキャンピングカーはすれ違いがしんどい林道だが、普通車なら走行できるとみる。ガキッと下を擦る惧れのところが最初1か所ある。そこはていねいにまたぐ必要あり。やまのこ村前で渋滞。
▲ 先の赤岳山荘、美濃戸山荘の駐車場はもう満車(6:00)。しかし、駐車スペースはかなり広いところではあるが。3kmの若干傾斜のある林道を私のように50分かけて歩いてくるかどうかだな。
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美濃戸山荘に到着6:10。 ガイドブックは通常ここからコース説明が始まる。「赤岳を日帰りで登るには、美濃戸を遅くとも6時には出発したい。そして遅くとも11時には山頂にたっていたい。」と。オイ、10分ビハインドだ。大丈夫かな。
ここで、赤岳鉱泉を経由する北沢コースと、行者小屋へ直行する
南沢コースに分岐する。もちろん右の南沢コース3.8km(2時間)へ。
▲ 沢沿いを歩くのが基本。樹林帯に入ると、ガレキと苔むした少し薄暗い道がずっと続く。八ヶ岳はこんな山道が多いと思う。ある程度視界が開けていて、完全に閉ざされていないので救われる。
▲ 2時間近く歩くと、大きな涸れた沢のような所へ出た。同時に正面には赤岳に繋がる横岳のゴツゴツ稜線が見えてくる。行者小屋はまもなくだ。
▲
行者小屋到着8:30。美濃戸からは2時間20分。ここは赤岳往復の起点地(2350m)だ。多くの登山客でにぎわっている。
▲ 正面の赤岳(2898m)は逆光でうまく撮れない。山頂には雲がない、晴天!!
ここで自作おにぎりを1個食べて休憩。
▲ 行者小屋からは、時計回りに地蔵尾根を登り地蔵ノ頭経由と、ダイレクトに文三郎尾根から赤岳を目指すルートがある。後者は距離は短くなるが急登が続く。前者はいったん稜線にのるので休憩がとりやすいとある。前者の
地蔵ノ頭経由をとった。(これは正解だった)
この小屋の裏手の階段から登るのだが、初めは後続登山者がいなくて、このルートはオレ一人じゃなかろうかと不安になった。道は急登に。パイプ階段が要所に出てくる。
▲ 登るにつれ山容が明らかに。左は硫黄岳と横岳。右は阿弥陀岳が姿を現してくる。しかし肝心の正面の赤岳は樹林と山影に遮られている。
▲ 岩稜の勾配も増してクサリが連続してくる。高所恐怖症の私にはそれなりに怖いが、そうも言ってられない夢中さだ。
▲ 息が切れるのでちょっと休んで下を見ると緑の山並み。手前下に行者小屋が見える。そのはるか向こうは茅野の町並みだろう。
▲ お地蔵さまが現れた。こういうものを拝む信条はない私だが、思わずありがとうと感謝のつぶやきが出た。
▲ さらに階段状の石、クサリをクリアしていく。
▲ ここまで来ると、左隣りの横岳ははっきりと、空はますます青くなってきた。
▲ 正面の頂上に、さっきから誰かがいると思ったのは・・・
▲ お地蔵さんだ。ここが
地蔵ノ頭だ。
▲ 左側(北方向)には横岳(2829m)がm真近に。ここから稜線を歩いていく人が見える。
▲ 右側(南方向)には
赤岳(2899m)が。稜線の手前に赤岳展望荘が。そのうしろの頂(北峰)には小さく赤岳頂上山荘が見える。頂上(南峰)はそのすぐ後ろだ。
あそこだ!!
▲ 赤岳頂上の左横には、その昔八ヶ岳と高さを競ったという富士山が見える。ズームもせずにこれだけ見えるのだからたいしたものだ。
▲ さあ、山頂へ行くぞ!
▲ 展望を楽しみながら、稜線を登っていく。赤岳展望荘がすぐそこだ。
▲ 展望荘に到着。この前の斜面ではコマクサが見られるとか。今は花の季節はすべて終わっている。
展望荘の屋根には風力計が何本も立っている。電力でも起こしているのだろうか。
▲ 左横(東)のなだらかな山並みの向こうに見えるのは、野辺山だろう。あそこからここを眺めていたのだ。
▲ 頂上を目指して歩く。
▲ 左上に頂上山荘が見えている。ここは最後の急勾配。体力的にも疲労が蓄積されてきているので、一番辛かった。何度も息をついだ、というかあえぎ、あえぎ登った。
▲
赤岳頂上山荘(北峰)に到着10:50 。ここはほぼ頂上。行者小屋出発8:45から約2時間経過。モデルが2時間10分だから、そんなものだろう。(余裕の口ぶりに変わってきた)
ここは360度のパノラマ。(槍ヶ岳も確認できた)
▲ 横岳の右下には先ほどの赤岳展望荘がもう小さく見える。
▲ 横岳の左横延長上に、八ヶ岳連峰の全容が今は見える。
▲ そして、頂上山荘のすぐ前方には赤岳山頂(南峰)が。人が群がっている。
▲ もちろん富士山も、雲海と雲の向こうから、この八ヶ岳を見据えている。
神話によれば、昔、八ヶ岳は富士山と背比べして勝利。しかし富士山に蹴飛ばされて八つの峰になった。しかも蓼科山は八ヶ岳の妹で、八つの峰になった八ヶ岳を見て泣いて、それが川になり溜まったのが諏訪湖になったとされている。なんともまあ・・・ここまで飛ばされてきたのか。
▲ 頂上まであと少し。
▲ 着いたわよ。 11:06
▲ ウン、着いたね。
開示期間限定(2日間)
▲ どさくさに紛れてこの人も、一応登頂達成の証跡として。
昼食はこの山頂で。一段下がった岩陰では陽が照って暖かい。残りのおにぎり1個と、コロッケをゆっくり山並みを眺めながら食べた。何度も来ている人が、こんな晴天は珍しいと言っていた。 山頂には30分ほどとどまっていた。
▲ ぼちぼち下山しよう。あの行者小屋(赤○印)へ。
▲ 11:35に下山開始。今度は文三郎尾根づたいに下りる。降りは当然急峻。階段とクサリを伝っ一歩一歩慎重に下りる。でも降りは怖くない。妙なものだ。
▲ 10数分下りるとこの道標の立つ分岐点へきた。前方は阿弥陀岳への稜線が続き、右に折れると文三郎・行者小屋へ至る。右へ行く。
この分岐点で、後ろを振り向くと、
▲ 今登ってきた赤岳がそびえる。 やったなあ・・とあらためて思った。
あとは、スリップ転倒しないように連続して続く坂道を慎重に、ストックを使用して下りていった。文三郎尾根の方が、地蔵尾根より確かに急だ。しかもそれが延々と山頂まで続くのはたまらなかっただろう。このルートを取らなくてよかったと、つくづく思った。
▲ カラフルなテントが見えてきた。行者小屋へやっと戻ってきた。13:00
▲ 行者小屋は相変わらず、これから登る人下山する人宿泊する人で賑わっている。山頂では見なかったが、結構子供づれもいる。ビールを飲んだり、カレーライスを食べたり、おでんまで売っている。
▲ 朝は、逆光で暗かった赤岳の山並みも、今は陽を正面から受けてはっきり見える。今日は、快晴で無風で、本当に良かった。この山は天候が良くなくては簡単に日帰りできるとは思わない。オレはラッキーだった。
行者小屋でしばらく休んで、13:20に小屋を出発。あとは、基本的には長い距離をトレッキングするだけだ。途中ふんばった時、右足ふくらはぎが攣(つ)りそうな気配がしたが、すぐ休止して事なきに。それ以外は、どこも痛いところはない。痛いのは両足の親指の爪ぐらいか。
▲ 涸れた沢のところまでくだった。背後には硫黄岳から赤岳へ繋がる稜線が、青い空と白い雲を背景に連なっている。
BYE BYE またいつの日か。
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▲ 美濃戸口の駐車場には、午後4時ちょうどに無事帰還。
朝5時20分にここを出発だから、
10時間40分の山行となった。奇しくも、昨年6月の浅間山登山と同じ山行時間だ。あの時は両膝が痛くなり行き倒れ寸前で戻ったが、今日はからだ全体で疲れてはいるが、まだしっかり歩くことができる。
まあ、いまだこんなに何も問題なく歩けるとは・・有り難い。親に感謝だな。
駐車場はクルマでいっぱい。管理人さんに遮っているクルマを移動してもらい、休むひまもなく駐車場を出発。 駐車場代2日分で1000エンを払う。
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15分ぐらいクルマを走らせて来たところが、あらかじめ調べておいた日帰り温泉
もみの湯だ。
▲ もみの湯。 5時からは入浴料金が500円から300円になるので、5時まで待って入浴。疲れた体をゆっくり癒した。
クルマの中で、和風きのこスパゲッティを作って食べたあと、今日はここでもう爆睡だ。
明日は午前中、ちょっとこのあたりを寄り道してから帰ろうか。