青い空とわたし

青い空の日  白い雲の帆船をみていると

どこかへ どこまでも Harmonyと

走っていきたくなります

次の季節が待っている

2015年08月27日 21時43分06秒 | 大都会
8月27日(木)

今日のランチは、久しぶりに明治大のリバティータワー17Fへ。
先週まで、17Fの学食は夏休みで閉まっていたのだ。




▲ 17F スカイラウンジから


冷やしぶっかけ蕎麦430エンを ほうばりながら。

朝方は青空が見えていたのに、また厚い雲が空をおおっている。
週末はだめだなー。




マロニエ通りを通って職場に戻ると



▲ 御茶ノ水・坂の上ホテル 前


えっ! もう?  

マロニエの葉が、薄茶色に変わり始めている・・。




▲ 落ち葉 

いつのまにか、季節は変わるんだ・・。

夏に忘れ物は、ないよね。

ウン。では来ていいよ(笑)。




(追記)

いい雰囲気で散策するお二人がおられたので





夏の会津駒ケ岳登山(滝沢口~山頂~中門岳)

2015年08月18日 23時02分04秒 | 同上 (山歩き)
8月16日(日)

「日本百名山」の著者、深田久弥先輩(高校の)は会津駒ケ岳について次のように書いている。

 私が初めてこの山を親しく望んだのは、尾瀬の燧(ひうち)岳の頂上からであった。北にあって長い山稜を持った山が見える。一頭地を抜いた峻抜な山の形には見えないが、その尾根の長いおだやかな山容が私を魅惑した。そこで私は会津駒ケ岳へ向かった。昭和十一年(1936年)六月のことである。



▲ 私も、去年7月に燧ケ岳に登っていく途中、後ろを振り向く度にこの山↑、会津駒ケ岳のたおやかな山影が遠くに見えた。して思った、「来年は、あそこに登ろう・・」と。




▲ 登山口取付点前の駐車場で車中泊の朝。

4時に起きるも、小雨がぱらついているのが音でわかった。
天気予報では、8時頃から小雨から曇りになって、昼にかけて晴れマークに転じている。

7時半ごろまで、クルマの中で待機。覆う雲に少し青い切れ間が見えてきた。
「ヨシっ、じゃあ登るか!」

駐車場は朝早くに満車になっており、もうみんな出払っているようだ。
「だよな」、
ここまで来て(雨が降っているからといって)登らず帰るということは普通はしないだろう。




▲ 取付点1105mからスタート。7:26AM

木製の階段を上って、登山道を進んだ。

樹林帯の中を、黙々と2時間近く上り続ける。



▲ 始めはブナ、カエデの紅葉樹林が続き、その後シラビソ等の針葉樹林に変わっていった。
視界はそれほどなく、ここはじっとがまんの登りだった。人生そのものだ(笑)。

それでも、



▲ 上り始めて2時間ぐらいしたころ、やっと稜線が見えてきた。

景色が、どんどん開けてくる。




▲ 低木の間に、木道が出てきた。これは湿原状の高原に入るサインだ。

と思うやまもなく、会津駒ケ岳の頂上から続くなだらかに傾斜した山肌が目に飛び込んできた。




▲ 正面に、目指す会津駒がゆったりと横たわっている。

木製ベンチが設けてあるところで、ひと休みする。

久弥先輩が訪れたのは6月。この山腹にはまだ残雪がたっぷり残っていたであろう。
彼は、会津駒ケ岳の名の由来は、残雪の山全体が駒(馬)が勢いよく走るように見えたからだろうと、書いている。なるほど。


お、あたりを見まわすと、花が咲いている。



▲ 黄色い花と白い花が群生している。





▲ 黄色い花のズーム。ピンボケしてるやない、キミい。(すみませんコンデジで)




▲ 白い花のズーム。 可憐だね。




▲ 木道の側にも、こんな感じで。




▲ しかし、実はこんな花も。 この方(ほう)がきれいだと思った。

ススキの花かな。だとしたら、もう秋が確実に忍び寄っているのかも。


さらに木道を歩き進むと、



▲ あの丘(?じゃないな)の上に、三角屋根の建物が。

あれは、駒ノ小屋だろうな。

広々としていて、イイねー。




▲ さあ、あの小屋まで登っていこう。

イイねー。ハイキング気分になってきたよ。




▲ 右を見れば、会津駒の山頂がますます近くに。

左手から巻くようにして登るようだ。




▲ 小屋まで、もう少しだ。

あ、少女ハイジがボクに手を振っている。(オジンの幻想)


小屋の前に到着。



▲ 駒大池に、目の前の会津駒が姿を映している。

駒大池を回りこんで、下へわずかに下降して頂上ふもとの左下から巻くようにして登っていく。

上昇していく途中で振り向くと・・・
見えたあ、確かに・・・



▲ 昨年登ってこちらサイドを眺めたところの、あの燧ケ岳が

双耳峰ではっきりと! えーと、たしか柴安グラと俎(まないた)グラだ。

(文字と同じく大き目にアップしてます)




▲ 巻いたあと、頂上に行くには最後にこの木道を登っていった。

きついな。

こんな写真は載せたくなかったが、ブロ友の錫杖(しゃくじょう)さんが、「会津駒で覚えているのは登山口の木道と頂上への木道だけ」、みたいなコメントを先日寄せてられたので、覚えを新たにしていただくよう載せておこう。





▲ 会津駒ケ岳山頂2133m。10:45AM 

3時間ちょっと要した。ほぼコースタイムどおり。




▲ 狭い頂上からは、この南側つまり尾瀬、燧ケ岳の方向だけ展望がきく。

右端に、先の燧ケ岳を認める。裸眼ではこれぐらいの大きさだ。


この山頂から、小屋前に戻るのではなく更に右手に位置する中門岳へ下る道を降りていった。

途中で、



▲ この黄色いユリみたいな花は、




▲ はい、ニッコウキスゲ(だと思います)。

ニッコウキスゲは尾瀬沼では7月いっぱいまでだろうが、まだここに咲いていた。




▲ こんな白い穂状の花も咲いておりました。 コバイケイソウ。





▲ こんなスミレみたいな花もてんてんと。 ハクサンコザクラ。




▲ これは、あはは。みんな知っている、ワタスゲだ。

まだ、咲残っている。




▲ この黄色い花は、コシノキンバイ(そりゃ酒の名前だ)じゃなくて・・なんとかキンバイという花だと思う。




▲ この白い線香花火みたいな花は、高山植物ではポピュラーだよね。よく見かける。




▲ 中門岳へ至る道はほぼフラットな湿原。あちこちに小さな池塘(ちとう)が点在している。

尾瀬ヶ原のスケールの大きい池塘に比べたら、かわいいものでシンプル。
まわりに、ワタスゲがまだ残っている。

もっといえば、このあたりはガイドブックでは「山上の庭園」と称されている。

私が今日来たのはちょっと時期的に遅かったかな。

♪かおるちゃん、花は遅かった・・


それに、また雲が庭園を覆い始めてきた。




▲ 中門岳2060mに到着。駒ケ岳山頂からほぼ1時間の遊歩だった。

しかし、まわりはどんどん雲がたちこめてきた。
コンビニ弁当を急いで食べる。

喰い終わると、即出発。戻ろう。




▲ 前の駒ケ岳山頂も雲がかかってガスってきた。

ヤベー。

雨降って、雷が鳴り始めたら最悪。

もうあとは、小屋まえを過ぎて、来た道をとっとこ下るだけ。
樹林帯の中では小雨まじりに。

幸いに山の下は比較的明るくて、雨足には勝って下山できたようだ。




▲ ああ、やっと登山口の木製階段が見えてきたよ。(サービス写真)

もう、ここは何事もなかったように晴れている。




▲ 駐車場に無事帰還。14:40 PM 約7時間ちょっとの山行となった。

朝のクルマはほぼ出払っている。

左足の膝の腱が痛い。私の弱点箇所だ。最近は痛まなかったのに。

いつもなら、頂上で1時間近く休んでから下山するのだが、今日は弁当食べたら即降りてきたからなあ。

ま、とにかく無事終えた。よかった、よかった。

いつものように、珈琲を淹れて(今回はスタバ・イタリアンロースト)1時間ほどクルマのなかで休憩。


~・~・~・~・

休憩のあとは、なにはともあれ風呂に入りたい。
汗はぐちょぐちょかいたからな。
だからだろうな、アブにしつこくつきまとわれて。

ということで、来たのは駒の湯




▲ 駒の湯。

桧枝岐村には、三つの日帰り温泉がある。昨日のアルサ尾瀬の湯、今日の駒の湯。そして最も尾瀬寄りに燧の湯だ。どこも500円。




▲ ここも空いていた。

左足の腱をよーくもんで。

お風呂の後は、少し早いが夕食を食べよう。
ここ平家落武者の隠れ里では、もちろん蕎麦。




▲ 裁ち蕎麦、開山へ。




▲裁ち蕎麦とは、そば粉を伸ばしたものを数枚重ねて、布を裁つように切っていくから裁ち蕎麦という。
と説明があるが、なんのことかよくわからん。

ソバももちろん美味いが、ボクが好きなのは写真左上の「はっとう」だ。



▲ はっとう。蕎麦粉で作ったモチのこと。もともとお餅は好きだが、これは風味があってうまい。

全部で1200円ぐらいだった。




▲ 夕食のあとは、ここミニ尾瀬公園(9時~5時有料)に移動。

無料駐車場は広い。
明日月曜日は休みをとってある。
今晩はここで宿泊して、明日ゆっくり帰ることにしよう。

7月の仙丈ケ岳、8月のきょう会津駒ケ岳を登った。
どちらも標高差1000m以上。
これで、来年夏の利尻富士(標高差1300m)への足掛かりが出来たかな。





関連日記 : 「夏の尾瀬・燧ケ岳登山(御池コース)」2014.7.26

夏の会津駒ケ岳へ向かう

2015年08月15日 19時21分48秒 | 同上 (山歩き)
8月15日(土)

また、ここ桧枝岐村(ひのえまたむら)へ来てしまった。
福島・南会津の奥、桧枝岐村は1年ぶり。

昨年の7月にここへ来たのは尾瀬・燧ケ岳(ひうちがたけ)に登るためだったが、きょうはその対面(といめん)の会津の名峰、会津駒ケ岳に明日登るためだ。


朝11時前に自宅を出発。
早稲田実業戦を見ていたら出発が遅れてしまった(笑)。
清宮選手はすごいねー。



▲ 東北道はすいすい。

夏の空で、気持ちもかろやか。

と思ったら栃木あたりで事故渋滞が入ってしまったが。




▲ 桧枝岐村に入ってきたのは4時過ぎ。

アルザ尾瀬の郷、というところで一風呂浴びていこう。
東北道を走っているときは気温は31度ぐらいだったが、このあたりにくると26度くらいまで下がってきた。



▲ 露天風呂しかないところだが、緑のなかで気持ちがいいねー。


ここから、登山道はすぐのところだ。

滝沢登山口の標識があるところを右折して、細い林道をどんどん上がっていく。




▲ 林道の終点(停止柵が置いてある)。登山道取付点というポイント1105mだ。

きょうも、おそらクルマで一杯だったろうが、もう誰もいない。
やたらとアブが多いので、クルマに駆け込むように入る。

さあ、あすはがんばるぞ。
予報どおり晴れるといいが。


高ボッチ高原は日本一の写真スポット

2015年08月07日 16時08分08秒 | 同上 (山歩き)
7月26日(日)

仙丈ケ岳に登った翌日、仙流荘前駐車場での朝。
きょうも晴れ。

さあ、どうしようか。まっすぐ帰るか、それとも寄り道するか・・
ナビに入れてみる。
ウン、1時間もかからないな。じゃ行こう。



行き先は、高(たか)ボッチ高原だ。
中央道岡谷JCTの上、塩尻市にある高原だ。
錫杖さんのブログ記事でつい最近知った処で、寄り道にちょうどよい。


高原へ入る道がわかりにくく、なんどか行ったり来たりしてやっと林道をクルマで上り始めた。



▲ 細い林道をかなりグネグネと上がって、高原状の平地にたどりついた。

まず高ボッチ牧場の横を過ぎていく。




▲ 高ボッチ高原第2駐車場に到着。

舗装無しの広い駐車場だ。



▲ 駐車場の展望台からは、北アルプスの山並みが見える。





▲ こんなところ(1643m)で、北アルプスが一望できるとは驚きだ。


駐車場の背後には、高ボッチ山  1665m がある。
陽が強い。帽子を深々と被って行ってみよう。



▲ 山といっても、この駐車場との高低差は20mほどしかないから、ウォーキングだな。


道すがら、


▲ 左はアザミか? 右は深い紫がきれいだがシラン。





▲ ほとんど高低のない道をゆっくり歩いていく。

この辺りは、6月下旬になるとレンゲツツジで真っ赤に染まるらしい。




▲ 左はアヤメ?なんで今ごろかな。 右の黄色い花は長方形の花びらが小気味いい。




▲ 10分ほどで、頂上に到着。

これならだれでもこれる。

おおっ、向こうに見えるあのおやまは?




▲ 富士山と八ヶ岳。そして手前には諏訪湖だ。

おお、諏訪姫さまっ。お久しぶりで、勘助めでございます。


塩尻市のHPには、高ボッチ高原は「日本一のシャッターポイント」と紹介されている。

富士山 + 諏訪湖 + 諏訪市街 の夕景、夜景が綺麗なようだ。

あ、そうだ諏訪湖の夏花火をここから見たら・・しーっ、押し寄せるじゃあないか





▲ ラジコンでグライダーを飛ばしている人たちがいた。




▲ グライダーだから山腹からの上昇気流を捉えて、音も無くスーっと飛んでいく。

昔から、やってみたい遊びだ。リタイヤしたら本気で考えてみようか・・

夢もとんでもないところへ、飛んでいった。




▲ こんな花も、よく見るねー。




▲ 駐車場にまた戻ってきた。

先を親子が歩いていた。




▲ 中学生ぐらいの女の子が、「あ、クルマが空に浮いているみたいだね、おかあさん。」

それに、「あ、キャンピングカー。いいなあ・・」

いい感受性をしてるよキミ(笑)。

親子は隣の乗用車に乗っていった。
ボクは、なぜか恥ずかしくてしばらくHarmonyに乗れなかった。




▲ この駐車場の横には、自然保護ボランティアセンターとトイレが備わっている。

ここは、車○泊にはいいだろう。特に、この超暑い夏には。
(ボクがいいと思った場所は三文字は使わない。即検索・紹介されてしまうからだ。)

きょうは下見の位置づけ。



▲ さあ、戻ろう。

ほんとは、こんなところクルマで走るのではなくて、散策、トレッキングしたらいいだろうな。





▲ 草競馬場。

来週の8月2日(日)には、ここで年1回の高ボッチ観光草競馬が開かれるようだ。
きょうの日曜日は、クルマもまばらだが、来週は混雑するのだろうな。

無事、開かれたのだろうか。




▲ 林道。

高ボッチ高原の難点は、この細い林道だ。
乗用車なら、すれ違いに問題はないが、キャンピングカーとなるとすれ違い場所を選ばないと難しい。
あっちこっちで林道は走ったが、ここはトップクラスで難所。ミラーも少ない。

幸い、訪れるクルマが少ない(対面したのは行も帰りも二回くらい)ので、立ち往生はなかったが。


さあこれで、今回予定していたことは全て無事終わった。

高速にのって、帰ろう。







間近に見た夏の仙丈ケ岳は

2015年08月01日 15時29分21秒 | 同上 (山歩き)
7月25日(土)

仙流荘前の駐車場での朝。
午前3時に起床。
きょう登る山は、



▲ 仙丈ケ岳 3033m。昨年9月に登った甲斐駒ケ岳から撮った、対面(といめん)に見えた仙丈の写真だ。

あの稜線がゴツゴツしながら左右に流れる仙丈ケ岳を、遥か向こうに眺めながら
「来年はいくぞ」と決意したものだ。

深田久弥先輩は、「日本百名山」の78仙丈岳の冒頭で、

 私の好みで、日本アルプスで好きな山は北では鹿島槍、南では仙丈である。何よりもその姿がよい。単純なピラミッドでもなければ鈍重な容量でもない。その姿に軽薄や遅鈍のないところが好きなのである。スッキリとして品がある。ちょっと見ては気づかないが、しばしば眺めているうちに、次第にそのよさがわかってくるといった山である。

うむー・・ 期待が高まる。




▲ バスは仙流荘前(860m)から5時15分に始発だ。切符を自動販売機から買うだけで、もう長い行列。
昨年の教訓に従って、前日に購入済みなので直接バス乗車列に並ぶ。(万一キャンセルする場合は100エンの手数料だけだから前泊する方は事前購入がお勧め)

バスで1時間弱揺られて、北沢峠(2032m)へ6時過ぎに到着。スーパー林道のおかげで1132mも標高を稼いでしまう。深田先輩の時はバス林道は無かったはずで、草葉の陰でラクチン化を嘆いておられようぞ(笑)。




▲ さて山行ルートを確認しよう。ここ北沢峠から左下の仙丈ケ岳へ登るには、馬の背ヒュッテ経由の逆時計回りと、小仙丈ヶ岳経由の時計回りルートの二つがある。バスから降りた人を見ていると皆さん、小仙丈ケ岳経由だ。
ボクのガイドブックは馬の背ヒュッテ経由だ。迷ったが、ガイドブックどおりに行くか。

このコースは、先ず大平山荘(おおだいらさんそう)まで100mほど下る。もったいないと思うが、逆コースであれば最後に登るわけで、その方が大変だから、まいいか。



▲ しばらくは樹林帯の中を歩いていく。登山口から急登というケースが多いが、緩やかな斜面がかなり続き、準備運動もろくにせずに登攀開始したボクには具合が良かった。




▲ このコースは藪沢(やぶさわ)と呼ばれる川に沿って登るコースだ。川はまだ雪渓になっている。融けるのだろうか?

この辺りから道の横には、高山植物が見られる。
では始めよう。名も知らねど花シリーズを。



▲ この紫と黄色の小さな花は、あちこちにずっと散見される。



▲ この黄色の花は背丈があり、数か所に群生している。





▲ 藪沢の雪渓も雪が無くなった。滝が流れ落ちる個所もあった。

後ろを振り向くと・・
おお、出てきた!



▲ 山の切れ間に、あの白い山、甲斐駒ケ岳が。

今回は、逆に駒ケ岳が仙丈の対面に常にその存在をアピールすることになる。


また、名も知らねど花シリーズ;

▲ 花もソックスも可愛いいね。 線香花火みたいな白い花はよく他の山でも見るね。



▲ 大柄の黄色い花。 なんか有名な名前がつきそうな紫の花。




▲ 馬の背ヒュッテに到着。ここでひと休み。


馬の背ヒュッテから、ダケカンバの樹林帯をもう一登りすると、
馬の背の稜線に出ようとするとき、木立の間に
あっ、見えてきたよ、



▲ あれは、南アの貴婦人、南アの女王ではないだろうか・・・

足が早まる、胸が高まる。




▲ 稜線に立つと、貴婦人は、突然その姿を現した!

WAO! 

峻厳さを保ちつつ横に広げる、ナイフのような切れ先の稜線。
内に思いを秘めたようなカール。
手前に大きくゆったりと広げて示す緑の裾野。

おお、女王様!

もっと、おそばに寄らせてくださいっ、と我は駆け寄った。




▲ うむむー・・・

いいね・・・ これ見て感動しない人がいたら、教えてほしい。

女王陛下、バンザイ!! (それは言い過ぎだよ)

もっと、胸の内に飛び込ませてください! (それも語弊あるよ)




▲ ここは藪沢カールだ。

 藪沢のカールへ下ろう。その底にあたる所に石室がある。そこまでおりて振返った時、なるほどこれが圏谷(けんこく)というものか、とふたたび分明に認識するであろう。


今は石室はない。石室の代わりに仙丈小屋が建つ。石室同様に避難小屋として機能してきた同小屋は、近年改築され、太陽光や風力発電装置を備えたIT山小屋になっている。ここからは、風力プロペラが見える。

蛇足ではあるが、これからどう登るかを示してみた。

 (要クリック)


目の前にはこの藪沢カールがあるが、背後を振り返ると、



▲ 北アルプスの連なりも(あれが槍ヶ岳、乗鞍・・と教えてもらって)この日は見えたが、まあこの日はあまり関心がない。南アルプスの女王様の前ではどうでもいい、という気持ちだった。


お花たち、





仙丈小屋まで登ってきた。



▲ 再度、ひと休み。

向こうに見えるは、北アルプスの連なり。

よし、頂上はもう一息だ。



▲ 頂上へ登る道すがら見下ろした仙丈小屋。

小屋の屋根は、太陽光パネルで覆われている。
向こうのごっつい山は、そう甲斐駒ケ岳。


最後の一登りは、急できついことが多いが、ここはそれほどでもなかったかな。
女王様の胸は優しい。



▲ 頂上が見えてきた。




▲ 登頂。仙丈ケ岳 3033m

北沢峠を出発して、4時間15分ほどか。コースタイムも4時間だから上出来だ。

3000m超の山は、2012年9月の御嶽山 3067m 以来の2回目。しかし実質高低差は1000mだけだから、これなら、これくらいキミ・・(笑)。
達成感で笑みがこぼれる。


ここは、360度のパノラマ。
空はすっきりブルースカイではないけれど、見通しは非常に良かった。



▲ そして、フジヤーマも見えた!

黒い山になってだけれど。その手前で右の山が富士山に次いで高い北岳 3192mだ。

まだこの時は、北岳に連なって右隣に標高第3位の山があることまでは、不肖Soraは知らなかった。




▲ 富士山、北岳から左に視線を移動すると、はい、甲斐駒ケ岳2967mですよね。

この甲斐駒ケ岳から更に視線を左に移動すると、



▲ 赤丸の山が、鋸岳(のこぎりだけ)2685m。
仙流荘前駐車場から、垣間見られた山は甲斐駒ケ岳では無くて、このギザギザ山容の鋸岳だった。

ちなみに、鋸岳の後背に横に黒く広がる山が八ヶ岳連峰だ。
右手に尖がっている山が主峰の赤岳2899m、左端に蓼科山2530mが見える。

八ヶ岳連峰の中央で背後にぽこっと台形状に見えるのが、浅間山だよ。



そしてこれが、


▲ 山のお供には助六すしパック。昨日、往路で三つほどコンビニを巡って、やっと調達したもの。
幕の内弁当風のものは、硬くなって美味くないことを知っている。(そりゃ賞味期限が切れるからだよ)

隣りで、食べていたにーさんに話しかけると、なんとその学生さんは、わたくしと同じ市制区内に住んでいた。その学生さんが、第3位の間ノ岳とか、鳳凰三山も教えてくれた。去年11月に山登りを始めたばかりだというのによく知っている。来週は、燧ケ岳に登る予定だと。「じゃあ、”尾瀬燧ケ岳登山”でグーグル検索してごらん。ボクの山行記事がトップに出てくるからね」と胸を張って言った。「ボカぁ、来週はその対面の会津駒ケ岳に行ってるけどね」(実際は風邪で寝込んでしまった・笑) 
あの学生さん燧ケ岳を今日登っているかな?


1時間弱、女王様の頂きにとどまっていた。
さあ下山しよう。




▲ 今度は小仙丈ヶ岳を通るコースで下山だ。

トップを振り返る。
どうだろう、また来れるかな。




▲ 仙丈小屋、藪沢カールを見下ろす。

いいねー。このカールの曲線は。
向こうの山並みの、地球の丸さとかもしだす曲線のハーモニーだ。



稜線上の南方向は、この三つの山が重なって見えるゴールデンアングル。



▲ 我が国標高ベスト3マウンテンの、そろい踏みだ。

第1位 富士山 3776m
第2位 北岳  3192m
第3位 間ノ岳(あいのだけ)3190m

特に、間ノ岳は昨年4月の国土地理院の再計測で、標高が3189mから3190mと1m高くなり、奥穂高岳と同率3位へ浮上したものだ。
こういうのをドングリの背比べというのだろうが(笑)。



前方で登山者が停まっていた。
前方の甲斐駒ケ岳に見とれているのかと思いきや、



▲ 「雷鳥がいるんですよ、ホラあそこに」




▲ 親鳥1羽と、子供が2羽いた。

子供はチョコチョコとあちこちへ動き回り、親鳥が見守っていた。
そのうち、斜面の上の方へ移動していった。

これから200m下ったところで、周りにだれもいなくてボクが一人で歩いている時、「ホヨ、ホヨ」と聞きなれない鳴き声がした。見回してみたら、またそこにも親鳥1羽、子供2羽の雷鳥が動き回っていた。

雷鳥よ、永遠なれ。 (確か、故郷福井県の県鳥だったな)





▲ 藪沢カールの稜線を半周して、北東へ緩く下っていく。

振り返ってみると、右手に山頂の登山者がけしつぶのようにまだ見える。


更に、小仙丈尾根を下り続けて、振り返ってみると、



▲ 右手には藪沢カールの一部が見える。左手に(北岳側)小仙丈カールの全容が見えてきた。

この風景は、甲斐駒ケ岳から見た仙丈の山並みではないだろうか。
もう一度冒頭の昨年の写真をズームしてみよう。



▲ この丸印の所を、今振り返って見ているのではないか。

小仙丈経由で登って、最初にこの稜線の美しさを見上げながら登るのが良いのか、
馬の背経由で登って、最初にあの藪沢カールが目に飛び込んでくる驚きが良いのか。

ボクは後者だな。


なおも下って、小仙丈ヶ岳 2855mへ来た。



▲ 小仙丈ヶ岳。

ここからは、ザラザラした岩礫の稜線を下っていくと樹林帯に入った。
そのあとは黙々と、木々の中を(田中陽希ばり)にストックを2本使って、膝に衝撃を与えないようにして尾根を降り切った。

北沢峠には、14時半ごろに無事到着。
峠を出てから8時間強かかっていた。




▲ 運よく、出発間際のバスに乗れた。
(去年は、3時頃に甲斐駒ケ岳より戻ったが、3連休の中日だったからかバスに乗れるのに1時間以上待ったからね)

また、1時間バスに揺られて仙流荘前バス停に戻ったのが、15時半頃

クルマの中のエアコンを稼働させて、まず珈琲を淹れて一息いれる。

疲れてはいるが、特段痛みを感じる個所はないようだ。
良かった、
良かったよ。

風呂へ行こう。
仙流荘では、日帰り温泉もやっている。
その名も仙人の湯



▲ 昨日に続いてゆったりと仙人の気持ちになって、湯上りスタイルで出てきましたよ。



駐車場には、さすがに今日土曜は駐車している台数も多い。



▲ 今日は? もちろん仙人は急いで帰ったりしない。

ゆっくり、今晩もここで車中泊だ。
明日は?
明日、考えよう。


関連記事: 「白い山・甲斐駒ケ岳に登る」 2014.9.14