21センチの巨大肉腫摘出 京大病院、5科連携で成功(京都新聞) - goo ニュース
京都大医学部付属病院は22日、胸部にできた巨大な難治性のがん「肉腫」を60代の女性患者から摘出することに成功したと発表した。長さは21センチに達し、国内外で報告例がないという。
京大病院によると、大半のがんが臓器の表面から発生するが、肉腫は骨や筋肉、血管からできる。摘出したのは平滑筋にできた肉腫。肺や心臓、食道、肝臓に囲まれて静脈を覆うように肥大化し、他の病院では摘出できないと判断された。
京大病院は、呼吸器外科や心臓血管外科、肝胆膵(すい)移植外科、消化管外科、麻酔科の5科でチームをつくり、手術法を検討。7月下旬に医師15人が11時間をかけて、静脈や肺、横隔膜の一部とともに切除した。
患者は回復し、8月20日に退院した。手術を担当した呼吸器外科の陳豊史講師は「手術ができなければ、血管や心臓を圧迫して危険だった。診療科の連携で手術を成功させることができた」と話した。