今日,ラジオを聴きながら涙ぐんでしまいました。NHKのラジオビタミンという番組の中に,ときめきインタビューというコーナーがあり,ゲストの方の話が心を打つ内容だったのです。
ゲストは,車イスバスケットボールプレイヤーの京谷和幸さん(40歳)と奥様の陽子さんでした。和幸さんは,以前は元Jリーガーでジェフ市原の選手でした。高校時代から全国的にも名前の知られたプレーヤーで,将来を期待されたサッカー選手でした。ところが,22歳の時に交通事故に合い,サッカーはもちろんのこと歩くことさえできない体になってしまったのです。この事故に合った日は,結婚式を間近に控えた衣装合わせの日だったそうです。陽子さんにとっては,幸せな気分が一気に吹き飛ぶ出来事でした。手術を終えた担当医からは,歩けない体になるかもしれないという話も受けたとのこと。
入院して間もなく,陽子さんは自分が入籍したいことを和幸さんに求めます。つまり,これからの人生を和幸さんと共に生きることを決心したのです。この決意が,やがて和幸さんを救うことになります。担当医から,歩くことのできない体であることを告げられた時に,和幸さんは医者の言葉が信じられず,サッカーがもうできないことに絶望を感じて泣きあかします。そして,気づきます。こんな体の自分と共に生きることを決意し,入籍してくれた陽子さんの深い愛に。陽子さんのためにも,しっかり生きなければならないと,和幸さん自身も決心したそうです。
入籍した翌年に二人は結婚式をあげます。どんなカップルにも負けない,深い愛と絆で結ばれた,二人で生きる人生のスタートだったのではないかと思いました。陽子さんの決意や和幸さんの苦しい思いなどを聴いていると自然と涙が出てきました。そして,この二人なら,どんな苦労や哀しみも手を取り合って乗り越えていくだろうなあと感じました。
その後,和幸さんは仕事の傍ら,94年から車いすバスケットボールの千葉ホークスに所属,パラリンピック出場を夢に厳しいトレーニングを続け,2000年のシドニー,04年のアテネ,08年の北京とパラリンピック出場を果たしました。今は,二人の子の父親でもあります。
涙ぐんだものの,雨上がりの後の空のようなさわやかな気持ちになりました。一生懸命生きるということの大切さを感じたひとときでもありました。