あの青い空のように

限りなく澄んだ青空は、憧れそのものです。

こんな詩は いかがですか ?

2011-01-23 18:16:50 | インポート

        冬は

                  高見  順

    冬は 

    手から冷える時と

    足から冷える時とがある

    悲しみは

    いつも真すぐ心に来る

短い詩ですが,真っすぐに心に届く詩です。

肌で感じる冷たさと同じように,心で感じる悲しみも冷たいものなのでしょうか。

その冷たさは,体の遠くからゆっくりと伝わってくるものではなく,迷うことなく真っすぐに心に伝わってくるものなのでしょうか。

人の数だけ,その人の人生があり,その中にさまざまな喜怒哀楽があることと思います。

できることなら,誰でも,怒りや哀しみのない喜びと楽しさのあふれる人生でありたいと願います。

しかし,たとえ悲しいことであっても,生きているからこそ,その冷たさを真っすぐに感じることができるのではないでしょうか。

生きているからこそ,手や足で冬の冷たさも感じることができるのではないでしょうか。

悲しみと同じように,喜びも真っすぐに心に来ます。

これからの人生の中でも,いろんな悲しみや喜びを味わっていくことと思います。

人とのかかわりやつながりがあればあるほど,悲しみを感じる機会は多くなるのかもしれません。悲しみを,真っすぐに心で受け止め生きていくことで,孤族の国で生きていく構えも身についていくのかなと思います。

今年は,特に寒さが厳しく,冬の冷たさを身にしみて感じています。だからこそ,春の訪れを実感する時には,大きな喜びを味わえることと思います。

冬のあとには間違いなく春がやって来るのですから。

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見事な逆転勝利(サッカー:アジアカップ)

2011-01-22 13:56:06 | インポート

昨日の夜は,夢中になってサッカーの試合を観戦しました。

ベスト8同士のトーナメントなので,息の抜けない厳しい戦いが続くだろうなあと思っていましたが,昨日のカタール戦はやはり予想通りの接戦でした。

先に得点したのはカタールで,日本が後を追いかける戦いでした。活躍が期待されながらここまで無得点の香川選手が,同点弾を頭で押し込み,前半を終えて1対1となりました。この勢いで後半を戦えば,必ず点が入り勝てそうだなあと思いました。

ところがです。後半が始まって間もなく,予想と反する形で絶対絶命のピンチを迎えてしまいます。吉田選手が退場となり,さらには相手に与えられたフリーキックがキーパーの足元を抜けて相手ゴールとなってしまったのです。これで2対1とまたカタールが1点リードする流れになりました。この時点で私は,一人少なくしかも相手リードの状態では勝利するのは困難だろうなあと思い,少しがっかりしながらゲームを見ていました。相手のゴール前での攻撃のたびに,さらに追加点が入るのではないかとヒヤヒヤし,一人少ないハンディが10人の疲労を高めていくだろうなあと思いました。

しかしです。少ないチャンスを生かして香川選手が見事に同点のゴールを決めたのです。感動的で胸が熱くなるゴールでした。最後まであきらめないという日本チームの一丸となった姿勢が,このゴールをよびこみ,さらには劇的な逆転ゴールへとつながっていったように思います。

あと2勝すれば優勝という段階にまで来ました。このチームで,このメンバーで,是非優勝を勝ち取ってほしいと思います。テレビの前ではありますが,応援の方もあと2試合,熱いハートで続けていきたいと思います。

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孤族の国について再び(死から生を見つめることで)

2011-01-21 14:12:18 | インポート

孤族の国の中でどう生きていったらいいのか。このことについて特集が組まれ,3人の方の考えが新聞に掲載されていました。その中の一人の考えに深く共感を覚えましたので,次に紹介します。

○ 中下大樹さん<僧侶,寺ネット・サンガ,葬送支援ネットワーク代表。これまで2000人以上の方の死にかかわり死に顔を見てきた。ホスピスに宗教者として勤め,数百人のみとりをしている。その後,ボランティアの葬送活動を始め,自殺・孤独死の現場にも数多く足を運ぶ>

死ぬ間際には,その人の生前のすべてが見えてしまう。…人は生きてきたように死んでいく。死という「点」ではなく,それまでの何十年の「線」を見ないといけない。死から生を見つめて,社会を変えていかなければならない必要性に気付いた。

…以前は日本人の多くが家で亡くなっていたが,今では死を病院に外注し,生々しい現場を見ずにやり過ごしている。 …生と死は合わせ鏡のようなもの。死を直視しないことで,生を真剣に考えない社会になってしまったのではないか。

…多死の時代を迎え,社会全体が死と向き合わなければならない時代になる。家族や親しい人が亡くなった時,その痛みを縁にしてつながることはできないか。…宗教が人々の悩みや孤独,悲しみにもう一度寄り添うことができないかと考えている。

◇さまざまな死を見つめ,みとってきた中下さんだからこそ,死から生をとらえなおすことの大切さを実感されたのではないかと感じました。死を直視することで見えてくるのは,生きることの尊さなのではないかと思います。

 死はただの「点」で,生は何十年もの長い「線」。だからこそ生の大切さをしっかりとかみしめ,確かな実線として生きることで,死という最後の点を結ぶ。これを自分自身の生きる構えとしたいと思います。

 同時に,身近で人が亡くなった時には,その死を悲しむ遺族の方の思いを真摯に汲み取りその心に寄り添うことのできる人間でありたいと思います。死を悼むことでつながる縁を大切にしていきたいものだと思います。

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「現代学生百人一首」から

2011-01-20 12:06:05 | インポート

新聞の天声人語で,「現代学生百人一首」の紹介がありましたので,その中に取り上げられている作品を紹介します。寄せられた作品は,6万余首で,その中から百首が入選作品となるようです。取り上げられたどの作品からも,みずみずしい若い感性を感じます。その若さをまっすぐに受け止めながら,自らの内にもみずみずしい感性を取り戻していきたいと思いました。

○ 先生が ニコっとして言う 「がんばるな」 私の中で 「がんばれ」になる    <高3女子>

 信頼の糸でしっかりとつながり合った,先生の笑顔とその笑顔にうなずく生徒の姿が見えるようです。先生の笑顔と「がんばるな」の言葉の内に,そんなに力を入れずに気持ちを楽にして頑張れというメッセージをよみとったのでしょうか。受け止める子どもが,前向きにそして能動的になる温かいメッセージを送ることのできる教師であり,大人で在りたいものです。

○ 「頑張って」 背中に掛かる その言葉 時に重荷に 時に翼に         <高1女子>

 同じ投げかけられる言葉であっても,その時の心の状態によっては負担にもなり,励ましにもなるのですね。若いからこそ,なおさら心にストレートに響く言葉になるのだと思います。その時の状況に応じて,相手の立場に配慮した言葉を掛けたいものです。揺れ動く心の向きが翼になるような言葉をかけたいものです。

○ 旧友が 声変わりして ふと気づく 違った道を 歩む僕らに           <中3男子>

 高校への進学を目の前にして,中学3年は将来のことを考え踏み出す,大きな節目の時期と言えると思います。子どもから大人へと成長する段階でもあります。これまで同じように同じ道を歩いてきた友だちとも,これから先はそれぞれの考えるそれぞれの未来の道に沿って歩き出すのだということを実感したのでしょうか。中3の頃の自分の気持ちを思い出します。

○ 夢語る 友の横顔 まぶしくて 隣にいるのに 遠く思える             <高3女子>

 中3以上に大きな節目の時が,高3の時代かもしれません。進学か就職か,具体的な進路の選択をし自分の人生となる一歩を踏み出さなければならないのですから。隣にいる友は,どんな夢を語ったのでしょうか。夢を語る友の顔を見つめながら,それぞれの前に広がる未来の道が見えてきたのではないでしょうか。重なり合うことのないそれぞれの道が……。

 ○ そばをうつ 父の姿を 眺めてる 母の視線は どこかあたたか        <高2女子>

 母の視線のあたたかさを感じることができるのですから,この子も将来はあたたかい視線とハートを持ったすてきな母となり,妻となるのではないでしょうか。言葉を交わさなくとも夫婦としての信頼関係を築きあげている父と母の姿を通して,夫婦の在り方や家族の在り方をあたたかく学んでいるような気がします。

○ 「アレ取って」 以心伝心 「はい,どうぞ」 25年の 夫婦の絆          <高3女子>

 前の短歌と同様,この子も,将来は夫婦の絆を大切にする良き妻・良き母となっていくことと思います。この歌のように以心伝心に到達する夫婦でありたいものです。わが身を振り返ると依存することの多い以心伝心ではなかったかと反省する面があります。お互いに気持ちのよい以心伝心となる努力の必要性を感じています。25年の絆は過ぎているのですから…。

○ ひとり見る 夏の夕日の うつくしさ 今日なら 母に謝れるはず         <高1女子>

 親子の関係だからこそ,素直に言いだせないこともあるのでは……。美しいものを見ると自分の内側まできれいに洗ってもらったような感じになる時があります。この子も謝りの言葉を言えずに悶々としていたのだと思います。その悶々した思いが美しい夕日を見ている中で,消えていったのではないかと思います。謝る言葉も,まっすぐに母の心に届いたことと思います。

○ 就活で 不況の闇に 呑み込まれ 嵐の波間を 漂う九月             <高3男子>

 現在の時点で,大卒の就職内定率は最悪の68.8%で,高卒の内定率は70.6%だそうです。まさにこの歌のように,厳しい不況の闇に呑み込まれ,どこに就職先が見つかるかわからないまま嵐の波間を漂っている状況にあるのではないかと思います。就職を希望する子どもたちにとって,社会へ踏み出す一歩が恵まれた就職環境となるよう,国や企業に切望します。

○ 泣きながら 内定決まり 一番に 電話したのは 大切な祖母          <高3女子>

 厳しい就職環境だからこそ,なおさら内定が決まった時は涙がでるほどうれしかったのだと思います。そのうれしさを一番に祖母に電話して伝えたのは,常日頃から孫の自分を気遣いかわいがってくれる祖母の愛を感じていたからなのだと思います。だからこそ大切な祖母なのですね。生まれた時からずうっと見守ってきた祖母と作者とのあたたかい絆が見えてきます。

○ おじいちゃん あんまりゆだん していると 王手しちゃうよ まったなしだよ   <小2女子>

 天声人語の本文では,この歌が最後に置かれ,「冬の日だまりのような暖かさ。」という言葉で締めくってあります。全く同感です。おじいちゃんと孫との将棋のほほえましい対局が,映像として見えてくるようです。この対局の場所も,冬の日だまりとなっている暖かく明るい場所だったのではないかと思います。ゆだんしたように見せて王手を待っているのが,おじいちゃんのふところの深さかもしれません。あまりに孫がかわいいので,ついついほほがゆるみゆだんしているといった姿も想像できますが……。

 この若い感性に対抗するために,私も今日から一日一首を心がけたいと思っています。

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ここに今 君が必要だから ~ 詩を読んで

2011-01-18 11:16:13 | インポート

「いま,きみに いのちの詩を」と題する,詩人52人のメッセージ(詩)を集めた詩集(木内喜久夫:編,小学館発行)を読みました。ひとつひとつの言葉に立ち止まりながらその世界を味わうことのできる,いい詩がたくさんありました。中でも,次の詩はストンと心に落ちる詩でした。

              小さな質問

                       高階杞一

         すいーっ  と  空から降りてきて

         水辺の 

         草の 

         葉先に止まると 

         背筋をのばし

         その子は 

         体ごと 

         神さまにきいた

              なぜ  ぼくはトンボなの?

         神さまは 

         人間にはきこえない声で 

         その 

         トンボに言った

              ここに今

              君が必要だから

最後の神様の答えが,すべてを語っているように思いました。

「ここに今 君が必要だから」は,命あるものすべてにその存在の意味,生きることの意味を伝える答えなのではないかなと思いました。

孤族の世界で生きる意味を見失いかけている人も,この言葉を耳にすれば,生きる意味を確かめることができるのでは……。この詩を読むことで,この世界に在るすべてのもの(命あるものだけではなく)が,みんな必要とされてそこに存在しているということを,改めて考え再確認できるような気がします。

もし子どもたちとこの詩を読むとしたら,トンボの小さな質問と神様の答えを空欄にして提示し,子どもたちに質問の内容と神様の答えを考えさせたいなと思います。どんな質問とどんな答えが登場するでしょうか。その上で,この詩を読んでいくと,その子なりに詩の世界を想像豊かに読み味わうことができるのではないかと思います。

やっぱり,詩はいいですね。言葉を通して新たな世界が見えてきます。見失っているもの,大切なものを気付かせてくれます。

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