荒川三歩

東京下町を自転車で散策しています。

四谷怪談の総括-2

2016年03月20日 | 散文
昨日の続きです。

(舞台―2/新川)
さて、ここ新川にも「於岩稲荷田宮神社」があります。

四谷の御岩稲荷とは全然雰囲気が違います。

境内に入って行きます。

苔むした参道が情緒的です。

「果たせるかな、歌舞伎は大当たりしました。

お岩は三代目尾上菊五郎、伊右衛門は七代目市川団十郎の『東海道四谷怪談』は江戸中の話題をさらい、以来、お岩の役は尾上家の『お家芸』になったほどでした。
歌舞伎がますますお岩稲荷の人気を煽ります。」

左手に本殿が見えます。
「四谷左門町のお岩稲荷には当初出演した役者がもっぱら参拝していました。
そのうち、上演前に参拝しないと役者が病気になったり事故が起きるという話にまで発展しました。

なにしろ怪談です。
トリックを凝り、道具立ても複雑で多くなります。
おまけに怪談だから、どうしても照明は暗い。
また、天井からの吊るし物も多く、そんな中で芝居をするので怪我が多かった、という事でしょう。
それが怪談にからめて「祟り」に結びついたのでしょう。」

住宅地の真ん中にあるお稲荷さんです。

「時は明治以降。
『東海道四谷怪談』を手掛けては天下一品と言われた市川左団次から、『四谷まで毎度出掛けて行くのでは遠すぎる。是非とも新富座などの芝居小屋の傍に移転して欲しい』との要望もあり、明治12年の四谷左門町の火事で社殿が焼失したのを機に、隅田川の畔にあったここ田宮家の敷地内に移転しました。」

お参りします。




あら、もうすぐ例大祭じゃないですか!



(舞台―3/巣鴨)
新庚申塚へ行った時に、


「お岩通り商店会」があって、まさか?と思いました。


ところが近くの妙行寺に、本当にお岩さんのお墓があって、ビックリしたものです。


この寺にある由緒書きです。

「お岩様が、夫伊右衛門との折り合いが悪く病身となられて、その後亡くなったのが寛永13年2月22日であり、爾来、田宮家ではいろいろと「わざわい」が続き、菩提寺妙行寺四代目尊上人法華経の功徳により一切の因縁が取り除かれた。」

お岩さんのお墓です。
よく手入れされています。

「この寺も当時四谷にあったが、明治42年に現在地に移転した。
お岩様に塔婆を捧げ、熱心に祈れば必ず願い事が成就すると多くの信者が語るところである。」

お岩さんは、四谷のお稲荷さんにあったチラシに書かれていた由緒からは想像できない晩年のようです。
しかし、商店街の名前に残されているように、沢山の信者によって今日も大事にされているようです。

以上、四谷怪談を総括しました。
お付き合いありがとうございました。


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