土日あわせて150頭以上の出走取消というのは前代未聞の大事件でしたが、枠順決定後の金曜日からのJRAの緊急時対応はお見事でした。
今報道されている内容だと、厩舎側には落ち度はなく、飼料メイカーあるいは原材料の供給サイドに問題がありそうですが、ここは原因究明がきちんとなされるのを待ちましょう。気になるのが、来週の宝塚記念をはじめ、今後のレースへの影響ですが、当面の間、個々に出走予定馬の全頭検査を続ける見込。したがって、有力馬が検査に引っかかれば、本命候補がレースに出られない等の影響は、これからも続くと思います。ただし、公正なレース開催の観点からはやむを得ません。
今回の一連の経緯の中で、一番感心したのが、JRAの緊急時対応でした。金曜日朝の枠順決定時にはまだ事件の情報がなく、そのあとに事態発生があったと推測できますが、土曜競馬のための競走馬運送など、バタバタの金曜日の深夜の段階で「飼料を食べた可能性のある全頭の出走取消」を決断したことはまさに「英断」だったと思います。
この判断があったからこそ、土日の競馬も何とか開催が成っている訳で、必要最小限の影響にとどめることができています。
もちろん、厩舎が使っている公式の飼料・薬品などの検査体制やモニタリング体制など、課題が浮き彫りになった訳ですので、再発防止に向けた体制整備は厳格に進めていく責任をJRAは負いました。ここはしっかりお願いしたいと思います。