失われた20年というと1990年~2010年あたりを指すことが多いですが、特に1995年から2005年までの10年間は「暗黒の10年」と言っても良い時代であり、この頃に就職活動を行った学生は、正社員になれるチャンスが少なく、しばらくの間「ニート」と呼ばれてアルバイト生活を余儀なくされるケースも珍しくありませんでした。
そして、彼らの中には、今でもニート状態や、場合によっては老いた両親に家計の殆どを頼らざるを得ない状態の人も、かなりの数が残っていると報道されています。年齢も35歳から45歳くらいになるそうです。
直近発生している川崎の事件や、元事務次官による殺人事件、さらに大阪吹田市の拳銃強奪事件などを見るに、こうした事件の連鎖の背景に、上記の暗黒の10年があるのでは?と感じるのは私だけでしょうか。
景気の浮き沈みや、競争激化の中で、職を失ったり、居る場所を失ったりすることは資本主義の中では容認せざるを得ない事象ではありますが、景気が戻り、また拡張を狙うときに、彼らに対して、改めて居場所を用意することを優先的に考える必要性を切に感じます。
「世間に切り捨てられた」「誰とも繋がることができない」と孤立する人間が、意を決して思い立つと、これらの悲惨な事件になるのだと思います。(明日に続く)