羽生永世七冠の調子が戻らず、このブログでは「羽生時代の終焉」という言葉も使ってしまいました。
確かに、ここ最近は羽生さんらしくない戦いぶりが続いています。竜王戦の挑戦者決定トーナメントへの切符も最後の最後で取れず、王位戦の挑戦者決定プレーオフに進みながら、ここでも木村八段に完敗。こうしたチャンスは必ずモノにするのがかつての羽生さんでしたので、明らかに変調をきたしている状況です。
でも、原因が明らかになりました。羽生さんには持病があり、それが悪化していたのです。持病とは「踵(かかと)」の痛みで、正座をすると激痛が走るレベルまで悪化しているようです。奥様の畠田理恵さんが自らのサイトで明らかにしたと各誌で報じられています。
将棋指しにとって、座る痛みで盤面に集中できないというのは致命的とも言える状況です。タイトル戦ともなれば、スタートから暫くの間は両者正座のまま指し続けますし、いったん胡坐(あぐら)に崩したとしても、勝負どころではまた正座に戻ります。まあ、将棋界のマナーと言えるものですが、これを強いられるとなると、まっとうな将棋は指せないのが当たり前、集中力が続く訳がありません。痛みに耐えながら、ここ暫く対戦を続けていたとは驚くばかりです。簡単には完治しないとは思いますが、専門家によるメンテナンスを施しながら、何とか目の前の将棋に集中できるように回復してほしいと思います。踵のことでちゃんと医師にかかるのは初めてのようですし、近代医学を信じて、回復を祈りましょう。
ところで、亡くなる69歳まで現役バリバリ、A級順位戦で活躍された大山康晴第15代名人も、痔という持病に悩まされ続けました。こちらも同じ、座る痛みの持病です。期せずして、新旧の将棋界の巨星が、同様の持病を抱えつつ円熟期を迎えるようです。
羽生永世七冠の持病の回復を祈念するとともに、円熟の羽生マジックの復活を期待いたしましょう。