駅前糸脈

町医者をしながら世の中最前線の動きを感知、駅前から所見を発信。

電王戦ソフト先勝

2014年03月16日 | 小考

                          

 第三回将棋電王戦で竹内章氏開発の習甦が九十八手で菅井竜也五段に勝った。いつかは直面しなければならない事態だが、いざ人間完敗を目前にすると複雑な気持ちがする。既に、チェスではディプーブルーが人間のチャンピオン、カスパロフに勝っているが、チェスを指さず日本人である私には、切実な感覚はなかった。しかし、身近で自分も指した将棋でとなると嫌な感じがする。

  人間は様々な道具を発明してきた。究極の兵器、原子爆弾さえ作った。それは人間の命を脅かすかもしれないが、人間の尊厳を脅かすものとは感じられなかった。しかし考えるゲームでの敗北となるとちょっと違う感じがしてくる。パスカルがいみじくも指摘しているように人間を人間たらしめているのは考える資質にあると思うからだ。

  いやいや、ソフトは人間が作ったのだし、コンピュータは計算しかできたいと言われる方も多いかもしれたない。しかしながら、大山十五世名人にそんな手はないと指摘されてもああそうでしたかと破顔一笑できても、コンピュータにそんな手はないと機械声で指摘されたら、いい気分はしないだろう。

  

コメント
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