袴田死刑囚に再審開始、死刑と拘置の執行停止の判決が出た。司法に曙光が差したと感ずる。睨まれたくないと闇に葬られた事実に微かな光が当たるようになるだろうか。
検察に厳しいなどとコメントするキャスターが居たが、眼が曇っている。そのようにこの問題を捉える視点がこうした問題を起こしてきたと申し上げたい。
氷山の一角が溶けた。情報公開と科学的手法が打開の道を作った。勿論、信じがたい粘り強さで訴え続けたお姉さんと関係者の力があったからこそだが。
これから、なぜこうしたことが起きたのかを考え明らかにすることが司法に携わる人間と力不足だった多くのメディアの責務だと思う。権力も表現力も持たない一般人が、恐れ避けてきたことは残念な気はしても咎める気にはならない。自分にも難しいことだからだ。
この判決が、蓋をして隠されている都合の悪い事実に光が当たる端緒になることを心から願う。これからは、時をやり過ごすことによっては隠しきれないことを知らしめた意味は大きい。原発事故で漏れ続ける放射能にコントロールの目処も立っていない。コントロールできたと言ったのは東京オリンピックを誘致するための方便と言い逃れても、放射能は漏れ続けている。人の噂は75日でも忘れない人は居るし、放射能は漏れ続ける。日本の権力に自浄作用が働かなければ、やがて黒船がやってくる。
司法どころか社会に曙光かもしれない。