絶滅危惧種に指定され、暴力団が暗躍して高騰するシラス鰻。まともな鰻重は4000円の時代になってしまった。そこで高級化した鰻丼、鰻重に救いの手をと、近畿大学農学部水産学科准教授有路昌彦先生がウナギ味の鯰を開発した。
先月、岐阜県羽島市でこのウナギ味鯰丼をイベントで振る舞ったところ大好評で、400食完売だったそうだ。元々羽島市には川魚を食べる食習慣があり、鯰に抵抗がなかったのも一因だろうと思う。川魚好きの川本三郎さんにも一度食べていただき、鯰食わず嫌いの人にもウナギ味鯰を広めて貰いたい。そういう私はまだ食べたことがなく、チャンスがあれば食べてみたいと思っている。
ウナギ犬は魚屋の店先でウナギのウナ子さんに惚れた犬が、思い募って駆け落ちして生まれたらしいが、ウナギ味鯰は有路先生が苦節7年手塩に掛けて育て上げたものだ。きっと天丼や豚丼で凌いでいる青息吐息の鰻チェーン店も食指を伸ばしているのではないかと思う。取り敢えず、川魚を食べて育った私は鯰はゲテモノにあらずと申し上げたい。
尤も、そうして時間を掛けて啓蒙するよりも、手っ取り早く言葉で紛らわされやすい日本人には湖水鰻あるいは近大鰻の名称で供するのも一法かも知れない。ワンワン。