駅前糸脈

町医者をしながら世の中最前線の動きを感知、駅前から所見を発信。

寒波襲来、寒さが身に凍みる

2016年01月24日 | 小考

               

 寒波襲来で日本列島が冷え込んでいる。北米も大雪のようで、冬将軍が温暖化する地球を操作しようとする人間に、自然の威力を思い起こさせているようだ。寒かった半世紀前、氷を割りながら登校した記憶を持つ同年配の患者さんには冬は寒くなくちゃと言う人も多い。生物には馴染んだ季節が骨の髄まで染み込んでいる。

 一億総活躍という反対しにくいキャッチフレーズが踊っている。一億総活躍が本当に実現できればそれに反対する人は居ないが、具体的実現可能な政策がなければ羊頭を掲げて狗肉を売ることになる。一億の半数を占める女性の活躍を謳っていたはずだが、未だ未だとても大活躍とは言えない。聞かれれば、口から泡を飛ばして些少な変化を数え上げるだろうが、実感とは程遠い。言葉を踊らせる言い回しが有効なのは、それに惑わされる人が多いからだ。高々数年の軌跡経緯を忘れず、遡って今の世の動きを捉えねば、間違いが起きる。 

 暖の有り難さを思い知る冬、北国の人は雪の風呂に南無阿弥陀仏と沈んでおられるだろう。

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