駅前糸脈

町医者をしながら世の中最前線の動きを感知、駅前から所見を発信。

さらばいい友、タモリ

2014年03月26日 | 人物、男

                     

 笑っていいともが三月一杯で終わる。念願の吉永小百合が、最終ゲストと報じられている。あこがれの女性との共演が叶えば、タモリも以て瞑すべしということだろう。

 いつかは終わるのは世の常だが、生活の一部となっていた番組が消えてしまうのに一つの時代の終演を感じる。笑っていいともはタモリなくして成立しない番組だった。なぜと言われればタモリの個性ということにされるのだろうが、ちょっと違う気もする。個性で長続きしたラジオ番組はいくつもあるがはテレビでは希有と思う(正確には知らない)。タモリはユニークで強烈な芸をいくつか持っているが、強い個性や存在感を持っているわけではない。どうも、独特の個性で長寿だったわけではなさそうだ。目立たない個性と言うべきものを持っていたのだろう。水や空気程ではないかもしれないが飯やパンくらいに、飽きない存在だった。

 タモリは妙な人のように見えて、軽佻浮薄魑魅魍魎の芸能界に紛れ込んだ類い希のまともな大人だった気がする。

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障害者の世界

2014年03月25日 | 小験

       

 患者さんに障害者学校の教師をしておられる方が居られる。謙虚で優しく穏やかな方で、今の世に奇跡的存在と密かに思っているのだが、今度身体障害から知的障害の学校に転勤になると言われる。障害者認定審査委員をしているので、どんなに大変かと思い「大変ですねえ」と申し上げると、「今度は走り回る子が多いので足がついていけるかどうか心配です」とにっこりされた。

 えっそんな程度のご苦労なのかなという顔をしたらしく、「普通学級よりは楽だと思いますよ」と耳を疑う発言をされた。「そうでしょうか」と驚くと「今は、モンスターペアレントが居るでしょ」と付け加えられた。

 そうか、障害児の親にはモンスターペアレントが居ないんだ。確かにちょい出来?だと謙虚さはかき消え何を錯覚したか自己肥大に陥り権利?を振り回す御仁が居る世の中だ。ありのままを謙虚に受け入れる世界の方が穏やかなのだろうか。簡単に可哀相大変と思う視点も見直してみる必要があるかもしれない。

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送別会の風景

2014年03月24日 | 世の中

                

 今朝は通勤路が閑散としていた。そう、もう春休みなので、生徒児童が居ないのだ。巣立った子供達も数多いだろう。

 地域随一の総合病院の改革者であったT氏が三月一杯で定年退職というので、労をねぎらう会があった。院外では衆目の一致するところ、次期院長であったのだが、予言者や改革者は受け入れられないようだ。院長になられればまだ五、六年は活躍して戴けたのに残念な気がした。

 歴代の院長が挨拶をされたのだが、T氏なくしては叶わなかった改革を私が芽を撒いた。私がやり遂げた。新天地で頑張って下さいなどと、院長同士の微かな鞘当てもある、妙な贈る言葉が続いた。

 お別れの挨拶に立ったT氏は私はこの建物が私が作ったとか、そういう気持ちはまったくございません。市民の皆さんのためにと頑張りましたと挨拶された。入れ物はできあがったけれどもまだ十分に機能していない。画竜点睛を欠く状態で、T氏はちょっと残念そうであったが、後輩をこれからだと激励して台を降りられた。

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雪国に春は

2014年03月23日 | 

                         

 四十数年前と言っても昨日のようだが、医者になって戸惑ったことは数々ある。その一つが医者の扱いである。まず、呼称だ。なんで突然、「おい、お前」が「先生」に変わるのか、冗談もほどほどにして欲しいと思った。まあ、石を投げれば先生にあたると揶揄される日本社会だから、気にすることでもないかもしれないが、白衣の中身は昨日までの学生、非常に違和感があった。特に年上のMRから丁重に「先生」と呼ばれるとかえって恐縮したものだ。尤もNのようにすぐ「あれやれ、これやれ」と命令口調で対応するような奴も居たが。

 MRという不思議と言っては失礼だが、医薬品情報を提供しながら自社薬品を売る職業があるのを知らず、最初は何をしに来る人なのだろうとおぼこいことを言って先輩にあきれられたのだが、以来百人を超えるMRさんとお付き合いをしてきた。町医者は、意外と孤立していて世間や医業界の情報が入ってきにくいのでMR諸氏は外界との窓口という意味合いもあり、時間のある時はいろいろな話をしてきた。

 彼らは典型的な転勤族で、日本全国を歩いている。北海道から九州まであらゆる所を回ってくる。地方の話が大好きで、行ったことのない土地住んだことのない土地の話をいろいろ聞いてきた。まあ、大きな声では言いにくいが、京都大阪名古屋はMRさんにはやりにくいところらしい。そうして全国を転勤して回るうち家族もでき子供も大きくなると、どこかに持ち家をとなるのが定番で、故郷を離れた任地に家を建てるMRさんは多い。Iさんは兵庫県の瀬戸内側出身なのだが、雪の新潟に家を建てたという。気に入ったからそれでよいのだろうが、なんでまたそんな寒いところにと余計なことを言ってしまった。「いや、雪国の春もいいんですよ」。とにっこりされた。そんなものかねと内心思ったことだ。春分を過ぎたが、雪国に春は届いているだろうか?。

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朝雨女の腕まくり?

2014年03月22日 | 世の中

                  

 休みの日は昼食を外に食べに出る。この二三年、地方にも都会的な洒落た店が出来てきた。席が離れていて落ち着いた作りの店が好みで、食後にコーヒー紅茶を飲むので、そうした店によく行くようになった。

 最初は女性客ばかり、殆どが二十代三十代の独身風女性なのでちょっと戸惑ったが、今は慣れた。他人の懐を心配するのは余計なお世話かも知れないが、こうした店は高くはないが決して安くはなく、ランチが1200-1500円見当だ。平日ワンコインランチをかき込む親父さん達のことを考えると、優雅というか、どうなっているんだろうと思う。

 恐らく親と同居で家賃は要らず、独身なので自分に使えるお金に余裕があるのだろう。見るともなく見ていると複数の場合はおしゃべりに花を咲かせ、独りの場合は携帯をいじっている。みんな一張羅ではないが、そこそこのおしゃれをしている。男女のペアは一割居るか居ないかで、親父くさい親父は居ない。時々年配の男性も居るが、こざっぱりとしていて店の雰囲気に溶け込み違和感がない。

 女性の活用が叫ばれているが、自分の時間を楽しんでいるように見えるこの若い女性達の仕事観はどうなっているんだろう。男どもに比べて元気で活力がありそうだが、仕事で社会を支える気持ちはどうなんだろう。

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