こんにちは!中之島教室です。「週末に楽しむ絵画」教室の石橋先生から、
関西水彩画展のレポートが届きました!さっそくご紹介します
第74回関西水彩画展始まる
青空に向かって一斉にコブシの花が開き始め、いよいよ今年の春の始まり。
会場へ入ると、もう春爛漫の花盛りです。
取っ付きやすさからか、水彩画への関心が年々高くなり、応募も増えたのでしょう、
壁面に2段掛けが多くなったように見受けられます。
魂がわし掴みされるようなものや、そっくりに描く写実もの、
記憶の断片を繋いだものなどと、とても賑やかです。
絵はある事象や光景をトリミングして、そこに想いを盛り込み、想いを託して行きますが、
その構え方の差でいろいろなジャンルに分かれて来ました。
私たち「週末に楽しむ絵画」教室の場合、「時代に対する問題意識を持ち」、
「絵の中に開拓力を持つ」・・・これ等を目標に、その基本を自分の「視点」に求め、
描くことを心掛けています。どういう視点で時代やテーマを見るか・・・
これがコアとなって問題を切取り、絵を構成する起点となります。
こんな考え方でやっていますが、出品作品は、果たして存在感のある絵になっているでしょうか。
写真をご覧ください。
会員 天野紀美恵さん 刻 (F80号) 賞候補
道頓堀に面したお料理屋さんの壁から、こんな絵が出来ました。
壁には年輪を感じさせる空調のダクトが這い、今なお現役で頑張っています。
川面を渡る風が周りの賑やかな音を運び、そのリズムに合わせて
ダクトは背筋をピンと伸ばしてダンスをしているようです。
隣のダクトは赤いハンカチを振って、踊るダクトの頑張りを応援しています。
この安らぎ。ここには平和で幸せな時間が流れています。
会員 飯田哲子さん 刻の記憶 (F50号)
飯田さんの住む場所は古い家屋が並び、戦災こそ免れましたが、
土塀は辛うじて維持されてはいるものの、ときを経て、白壁は剥げ落ち、
今は見る影もありません。深く刻まれたひびに、
移り行くもののはかなさを表わした鴨長明の方丈記一節が想起されます。
かつての白壁に想いを込めて、一筆ずつひびを描き、白百合を添えました。
会員 市川順子さん 刻(とき) (F100号) 委員推挙
仁王さんの傷ついた手が画面一杯に。現代の豊穣を造りだした
機械文明の大量スクラップに、「NO!」と。はっきり拒絶しています。
時代は豊かに便利になっていく一方で、どんどんスクラップは増大し、
うず高く積み上げられ、やがて人間を押し潰そうとしています。
この絵について、将来を担う子供たちを含め、広く議論が起こせたらと思うこと頻りです。
今回、同展の委員に推挙されましたこと、特記します。
会員 井上京子さん 想 -蝶- (F100号)
まだ明けやらぬ早朝、アゲハ蝶の羽化を間近に見ることができました。
硬い殻を破って、きれいな蝶へと変身する姿に見とれ、目を凝らして見ていると、
やがて伸ばした羽根は美神に変わって行くではありませんか。
古来より変わらぬ羽化の営みですが、将に神秘です。
この感動を、この美の誕生を多くの人に是非伝えたい!
そんな気持ちで夢中で描きました。目を凝らしてご覧ください。
羽根と共に美神たちが立ち上がって行きます。
会友 津村康予さん 希い (152×108)
等身大女性像は、今や津村さんの代名詞になりました。
教室で、クリムトの絵に見るバックの装飾性を、その構成要素だけ取りだして
バックに表現してみようというテーマでやった時の作品です。
何と蚊取り線香に絵具をつけてペッタン、ペッタン。
クリムトの構成要素には違いありませんが、2枚の絵が繋がったではありませんか。
この等身大女性像のユニークさは、しっかりとした写実画が多い会場では、
ひと際、目を引きました。
会員 三浦 繁さん ジオラマ (F100号)
台所用品のスポンジで描かれたものです。「ジオラマ」とは「作り物」という意味で、
4年前から、道頓堀の川面に昼夜繰り返されるうわべだけの街の華やぎを
「ジオラマ」と捉え、描いてこられました。
以下、その時の三浦さんの釈文をそのままに記載します。
「昼は顔をそむけるような汚い川面が、夕闇・夜の訪れとともに一変して
美しいネオンに彩られた川面に豹変する。一過性の日常であるにも拘らず
時間の経過とともに現実としての錯覚、重みを日常的に映しこんでいく」
同展は大阪市立美術館で3月13~18日に開催されました。
「週末に楽しむ絵画」教室は毎週金曜18時から開催!
石橋先生の指導のもと、クラスの仲間で切磋琢磨し、
独創的な作品を創りあげていく講座です。
数々の展覧会で入選・受賞実績があります
ご見学もできますので、お気軽にお問い合わせください
中之島教室 06-6222-5222
インターネットからのお申し込みはこちら(クレジット決済のみです)
関西水彩画展のレポートが届きました!さっそくご紹介します
第74回関西水彩画展始まる
青空に向かって一斉にコブシの花が開き始め、いよいよ今年の春の始まり。
会場へ入ると、もう春爛漫の花盛りです。
取っ付きやすさからか、水彩画への関心が年々高くなり、応募も増えたのでしょう、
壁面に2段掛けが多くなったように見受けられます。
魂がわし掴みされるようなものや、そっくりに描く写実もの、
記憶の断片を繋いだものなどと、とても賑やかです。
絵はある事象や光景をトリミングして、そこに想いを盛り込み、想いを託して行きますが、
その構え方の差でいろいろなジャンルに分かれて来ました。
私たち「週末に楽しむ絵画」教室の場合、「時代に対する問題意識を持ち」、
「絵の中に開拓力を持つ」・・・これ等を目標に、その基本を自分の「視点」に求め、
描くことを心掛けています。どういう視点で時代やテーマを見るか・・・
これがコアとなって問題を切取り、絵を構成する起点となります。
こんな考え方でやっていますが、出品作品は、果たして存在感のある絵になっているでしょうか。
写真をご覧ください。
会員 天野紀美恵さん 刻 (F80号) 賞候補
道頓堀に面したお料理屋さんの壁から、こんな絵が出来ました。
壁には年輪を感じさせる空調のダクトが這い、今なお現役で頑張っています。
川面を渡る風が周りの賑やかな音を運び、そのリズムに合わせて
ダクトは背筋をピンと伸ばしてダンスをしているようです。
隣のダクトは赤いハンカチを振って、踊るダクトの頑張りを応援しています。
この安らぎ。ここには平和で幸せな時間が流れています。
会員 飯田哲子さん 刻の記憶 (F50号)
飯田さんの住む場所は古い家屋が並び、戦災こそ免れましたが、
土塀は辛うじて維持されてはいるものの、ときを経て、白壁は剥げ落ち、
今は見る影もありません。深く刻まれたひびに、
移り行くもののはかなさを表わした鴨長明の方丈記一節が想起されます。
かつての白壁に想いを込めて、一筆ずつひびを描き、白百合を添えました。
会員 市川順子さん 刻(とき) (F100号) 委員推挙
仁王さんの傷ついた手が画面一杯に。現代の豊穣を造りだした
機械文明の大量スクラップに、「NO!」と。はっきり拒絶しています。
時代は豊かに便利になっていく一方で、どんどんスクラップは増大し、
うず高く積み上げられ、やがて人間を押し潰そうとしています。
この絵について、将来を担う子供たちを含め、広く議論が起こせたらと思うこと頻りです。
今回、同展の委員に推挙されましたこと、特記します。
会員 井上京子さん 想 -蝶- (F100号)
まだ明けやらぬ早朝、アゲハ蝶の羽化を間近に見ることができました。
硬い殻を破って、きれいな蝶へと変身する姿に見とれ、目を凝らして見ていると、
やがて伸ばした羽根は美神に変わって行くではありませんか。
古来より変わらぬ羽化の営みですが、将に神秘です。
この感動を、この美の誕生を多くの人に是非伝えたい!
そんな気持ちで夢中で描きました。目を凝らしてご覧ください。
羽根と共に美神たちが立ち上がって行きます。
会友 津村康予さん 希い (152×108)
等身大女性像は、今や津村さんの代名詞になりました。
教室で、クリムトの絵に見るバックの装飾性を、その構成要素だけ取りだして
バックに表現してみようというテーマでやった時の作品です。
何と蚊取り線香に絵具をつけてペッタン、ペッタン。
クリムトの構成要素には違いありませんが、2枚の絵が繋がったではありませんか。
この等身大女性像のユニークさは、しっかりとした写実画が多い会場では、
ひと際、目を引きました。
会員 三浦 繁さん ジオラマ (F100号)
台所用品のスポンジで描かれたものです。「ジオラマ」とは「作り物」という意味で、
4年前から、道頓堀の川面に昼夜繰り返されるうわべだけの街の華やぎを
「ジオラマ」と捉え、描いてこられました。
以下、その時の三浦さんの釈文をそのままに記載します。
「昼は顔をそむけるような汚い川面が、夕闇・夜の訪れとともに一変して
美しいネオンに彩られた川面に豹変する。一過性の日常であるにも拘らず
時間の経過とともに現実としての錯覚、重みを日常的に映しこんでいく」
同展は大阪市立美術館で3月13~18日に開催されました。
「週末に楽しむ絵画」教室は毎週金曜18時から開催!
石橋先生の指導のもと、クラスの仲間で切磋琢磨し、
独創的な作品を創りあげていく講座です。
数々の展覧会で入選・受賞実績があります
ご見学もできますので、お気軽にお問い合わせください
中之島教室 06-6222-5222
インターネットからのお申し込みはこちら(クレジット決済のみです)