朝日カルチャーセンター☆ブログ

関西4教室(中之島・京都・川西・くずは)の最新情報をお届けします!

カルチャーの現場から #35「京都の鐘の音」

2024年10月24日 22時29分09秒 | カルチャーの現場から
辻井先生のお話を聞くと、心がやわらかくなります。

くずは教室で、京都散策の講座を行ってくださっている辻井輝幸先生。
今期は、「京都の通りを歩く 旧東洞院大路」講座と「オンラインで京都町歩き 嵐山・嵯峨野を歩いて楽しむ」講座の2つ。
紅葉の時期にぴったりの、楽しい講座を用意してくださいました。



「お年寄りと子どもには人気なんです」と笑う、辻井先生。
京都の町を歩いていると、なぜかいろんな人に声をかけられるそうです。
先生の柔和な表情と、きらきらした目で、「この人はいい人」と伝わるんだと思います。

講座企画も誠実です。
実際に京都の町を何度も歩き、人に会ってつかんだ多くの情報から、講座を仕立てていきます。
「ガイドブックやネットに載っている情報をお伝えしても、おもしろくないでしょ」。
優しい声で、にこやかに、少し謙遜しておっしゃいますが、その情報量はおどろくほど。
先生が撮影した写真群も見せていただきました。
その量と豊富さに、圧倒されました。

多くの人に会って蓄積された情報も、先生の知識の裾野を広げています。
「ある人から、こんな話を聞きました。
 その方は、京都・嵐山に旅行に来られた全盲の方を案内されたそうです。
 ご案内先としてお選びになったのは、常寂光寺さん。
 そこのお寺の鐘は、ながーく鳴るんです。
 とても特徴的。
 京都にお越しになった実感とともに、長く記憶に残る、すてきな場所だと思います。
 そして、次にご案内したのが・・・」

そういったたっぷりの情報から仕立てられたのが、今回の講座です。
「ガイドブックやネット」とは格段に違うことがよくわかります。
「オンラインで京都町歩き 嵐山・嵯峨野を歩いて楽しむ」講座の配布資料も見せていただきました。
講座後に何度も振り返られるように、先生が解説する言葉も、写真も、地図もたっぷりと見やすく掲載されています。
(写真は百枚近く!ご用意いただいています。しかも先生が撮影なさった大量の写真から四季折々の美しいものの選りすぐりです)
ここでも先生の誠実さが伝わってきます。
ちなみに、もちろん常寂光寺も含まれています。

オンラインで京都町歩き 嵐山・嵯峨野を歩いて楽しむ」講座のサブタイトルは、「とことん楽しむ、歴史も景色も」。
その言葉通りの楽しい講座は、11月2日13時~14時。
オンラインでお届けします。

京都の通りを歩く 旧東洞院大路」講座は、11月27日10時~12時半。
京都御苑を実際に歩き、歴史と紅葉を味わいます。
<行程>
京都市地下鉄烏丸線:丸太町駅北改札前 → 閑院宮邸跡(かんいんのみやていあと) → 厳島神社(いつくしまじんじゃ) → 宗像神社(むなかたじんじゃ) → 枇杷殿跡駒札(びわどのあとこまふだ:藤原道長・紫式部ゆかりの地) → 蛤御門(はまぐりごもん:禁門の変激戦地) → 凝華洞跡(ぎょうかどうあと)のイチョウ → 学習院発祥の地駒札 → 土御門邸跡駒札(藤原道長ゆかりの地) → 梨木神社(なしのきじんじゃ:源氏物語「花散里」・「空蝉」住居想定地:「蜻蛉日記」作者の藤原道綱母の住居地) → 廬山寺(ろざんじ:紫式部邸跡:境内のみ見学)

いずれの講座もおすすめです。
お気軽に、くずは教室へお問い合わせください。

先生からお話をお聞きした翌日、常寂光寺さんを訪問しました。
その鐘の音は、ながーく、ながーく、優しい音でした。
初めて聞く、音色でした。
訪れた方々も一様に足を止め、静かに音の響きを楽しんでおられました。
とってもお勧めの鐘です。
お寺の方によると、正午と午後5時のそれぞれ5分前につくそうです。
よろしければぜひ、足をお運びください。

朝日カルチャーセンター関西4教室では、他にも魅力的な講座をたくさんご用意しています。
中之島京都くずは川西)のホームページをぜひ、のぞいてみてください。
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カルチャーの現場から #34「アメリカのいま」

2024年10月23日 08時32分30秒 | カルチャーの現場から
みなさま、こんにちは。

今年春に行った国際ルポルタージュ講座、とても大きな反響をいただきました(こちら)。
この秋は、世界に影響を与えるアメリカ大統領選の講座を行います(「アメリカ大統領選に見る アメリカでいま、何か起きているのか」)。



8年前のアメリカ大統領選。
ニューヨークタイムズがヒラリー・クリントン氏勝利の確率を91%と報じるなど、「クリントン氏優位」とする見方が大勢を占めるなか、結果はドナルド・トランプ氏が当選しました。

「何か起きているのか」。

当時、朝日新聞ニューヨーク支局員だった講師は、ニューヨークを離れ、ラストベルト(さびついた工業地帯)を歩き、実際にその地域に住み、大勢の市井の人々の思いを取材しました(この報道に対して、国際報道で優れた成果をあげた記者に贈られるボーン・上田記念国際記者賞も受賞)。

そしていよいよアメリカ大統領選2024が決戦の日を迎えようとしています。
「アメリカでいま、何が起きているのか」。
大統領選の投開票から1週間後に、アメリカ社会の実相を読み解きます。
おすすめの講座。
よろしければぜひ、ご視聴ください。


朝日カルチャーセンター関西4教室では、他にも魅力的な講座をたくさんご用意しています。
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カルチャーの現場から #33「目利き」

2024年10月07日 18時06分54秒 | カルチャーの現場から
梶先生のお話はいつも、とっても魅き込まれます。

メディアにもよく登場なさっている、梶高明先生の人気の「見て!触れて!学ぶ!骨董・美術」講座。
この日は掛軸と陶器のお話でした。
(ちなみに前回伺った際は、美しい屛風絵と陶器。安芸・宮島を生き生きと描いた屛風、華やかな洛中・洛外図。いずれも圧巻でした)

掛軸は、季節にあわせて掛けるもの。
秋と冬に向けた、3幅をご用意くださいました。
そのうち岩倉具慶の狐の絵に大田垣蓮月の歌が添えられた作品を見ながら、「宗旦狐」「白蔵主」「釣狐」のそれぞれの狐を主題とした絵の表現する情景について解説を加えたうえで、季節とのつながりをわかりやすく、楽しく、お話しに。
さらに、大田垣蓮月が西郷隆盛に「武力での争いは、憎しみの連鎖となる」として江戸城の無血開城を勧めた、とされていることに触れ、「この掛軸が、岩倉具視の養父である具慶との合作である点が興味深い。当時の勤王志士と蓮月の関係性をうかがわせる」と、残された作品が伝える史実を、静かに説明なさったときは、会場が凜とした雰囲気に包まれました。

今回の陶器のテーマは、川喜田半泥子。
本業は実業家で、陶芸は「趣味」であったため、その作品は「売る」のではなく、全てが友人たちに譲られました。
当時は今のように作品に高い評価はされておらず、銘が入っていたわけでもなく、箱書きもないものがその大半でした。

そんな半泥子の手によるとされる作品が、過日、オークションに出品されました。
ここから、梶先生が、それを半泥子の作品である可能性が高い、として競り落とした際の「判断」を、惜しげも無く紹介なさいます。
「半泥子のにおいがする」。
そう梶先生はおっしゃいました。
では、そのにおい、とは。
オークションで購入した作品を一つひとつ裏返し、「高台をみてください」。
他の作品も並べ、「職人が作った高台は、このようになっている。半泥子の作品はこう。どうですか。これらを見て」と、この誌面では語り尽くせませんので控えますが、プロの目利きのポイントを具体的に紹介なさいました。
さらに、●百万円する魯山人作のぐい呑みを横に置き、ぐい呑みが多く作られ始めた時期を説明。
ぐい呑みという言葉が定着する前は「猪口」「觴」などの呼び名が主流であったことをもとに、半泥子が制作していた年代と照らし合わせます。
そして、土。
ここまで話しても大丈夫なのか、と心配になるほど、梶先生が「目利きのポイント」を次々と、わかりやすく、そして楽しく、説明してくださいました。
「どうぞ、近くに行って、順番に実際に触ってみてください」。
テーブルの上には、●百万円の作品も複数置かれ、普段だと美術館のケース越しにしか見られないような品々を、「目利きのポイント」を確認しながら、見て、触れる、ぜいたくな時間が流れます。
半泥子の弟子である坪島土平氏と会食なさった際のエピソードも、とても楽しいものでした。


この講座のぜいたくさは、講座の中身だけではありません。
講座の前に、会場で、お茶と京菓子を、すてきなうつわでいただけるのです。
この日の菓子器は、北大路魯山人造の鶯図鉢。
茶盌は、古瀬戸新兵衛茶盌、瀬戸平茶盌 銘おにあざみ、瀬戸唐津皮鯨茶盌。
菓子は、銘 笹くり、和久傳製。
お茶は、銘 山月の白、福寿園詰。


なんだかいろんなところが満たされ、幸せな気分で講義が終わりました。
梶先生の講座は、土曜日のクラス(こちら)と、水曜日のクラス(こちら)があります。
骨董初心者の方も、もちろん大歓迎。
楽しく、おいしく学ぶ骨董講座。
ぜひ、お気軽にご受講ください。

朝日カルチャーセンター関西4教室では、他にも魅力的な講座をたくさんご用意しています。
中之島京都くずは川西)のホームページをぜひ、のぞいてみてください。
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「週末に楽しむ絵画」本城さん、北口さん活躍続く

2024年10月05日 19時14分50秒 | 中之島教室
こんにちは、中之島教室です。
ノーベル賞週間よりひと足先に、「週末に楽しむ絵画」講座の石橋新司先生から、
受講生の受賞に関するお知らせが届きましたのでご案内します

          

日本美術協会主催・第37回上野の森美術館の「日本の自然を描く展」で、本城さんと北口さんが受賞されました。
先ず絵をご覧ください。


本城利彦さん 生きる(F10号) 美ヶ原高原美術館賞


本城利彦さん ガード下 入選

場所は大阪の阪和線の、とある駅近くの光景。2点出品で同じ場所の1点「ガード下」は入選。
何回か入選され、ここ3年は連続して冠賞受賞です。
2点とも同じ構図です。入選作は力強い情景を描かれたのに対し、受賞作は強い意志を感じさせます。
視点の違い、それに伴う色彩計画がしっかりされての制作が窺えます。


北口久人さん サントリーニ島のブルードーム(F10号) 入選

何回か受賞されてきた方ですが、今回は、サントリーニ島へ旅行された印象が、余程、強かったのでしょう。
今回は叙情的な作品となりました。
青い空、青い海、そしてブルーのドーム。影の強さが心踊りを一層引き立てています。

原田の森ギャラリーで9月26日~29日まで開催されました。

          

「週末に楽しむ絵画」講座は第2・4金曜17時30分から開催!
石橋先生の指導のもと、クラスの仲間で切磋琢磨し、独創的な作品を創りあげていく講座です。
数々の展覧会で入選・受賞実績があります。
ご見学もできますので、お気軽にお問い合わせください
中之島教室06-6222-5222
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