躍動する作品群―ザ・E展
中之島教室で毎週金曜日の夕方に開かれている講座
「週末に楽しむ絵画」。
(金曜 18:00~20:00 開講中)
ここで学ぶ仲間の作品を集めた、恒例の「ザ・E展」が2月19日、大阪・道頓堀で始まった。
十数回目となる伝統ある作品展だが、より多くの人たちに鑑賞してもらおうと、
今回初めてミナミのど真ん中を会場に選んだ。
展示されているのは、教室のメンバー8人がこの1年間に描きためてきた作品。
会場に一歩足を踏み入れてとたん、まず飛び込んできたのは、「道頓堀川」と名付けられた4つの作品。
水が渦巻くような、飛沫が飛び散っているような、なんとも“サイケな”迫力に圧倒される。
昔に見たテレビ番組「ウルトラQ」のオープニング画面がよみがえって来た。
壁1面にズラリと掲げられた等身大の裸婦像群。こちらも迫力では負けていない。
肉感たっぷりの立ち姿の女性が、あるいはカラフルに、あるいは線画だけ、
といった具合に様々に表現される。
ある生徒さんは絵に自信を失って、受講をやめる寸前までいったが、この裸婦画に取り組むことで
一気に“開眼”し、情熱をもっていまも学び続けているという。
もうひとつ、触れておかなければならないのは、「自画像」と題するコーナー。
叫び、怒り、にらみ、驚き、澄ました24の顔がびっしりと貼り付けられている。
「道頓堀川」が抽象の迫力とすれば、こちらは具象の迫力、といえようか。
これに限らず、どの作品にも共通しているのは、躍動感だ。
どこか、「ストレスを発散させたような」(石橋新司講師)バイタリティーが観るものに伝わってくる。
裸婦像、自画像とも単品ではなく、ひとまとめにして展示しているのも
奏功していると言えるかも知れない。
この「週末絵画」の特色は、なんと言っても「しばり」がないこと。
禁じ手なし、どんなふうに描こうと全く自由だ。
「正統派の人から見れば、異端と思われるかも知れません」と石橋講師。
描くことを楽しみながら、新しい試みにチャレンジしながら、少しずつのレベルアップをめざしているという。
その結果は、今回のE展を見れば明らかと思われた。
「新年度は抽象画に力を入れてみたい」と意欲を燃やしている。
(大阪本部・冨永芳孝)
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「ザ・E展」は大阪市中央区道頓堀1丁目のギャラリー香(2階)で、2月24日まで。
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