朝日カルチャーセンター☆ブログ

関西4教室(中之島・京都・川西・くずは)の最新情報をお届けします!

●書と歌と文字の三角関係とは? 「万葉仮名で楽しむ万葉集」 【中之島】

2011年09月27日 20時06分46秒 | 中之島教室
こんにちは! 中之島教室です
だんだんと涼しく秋らしくなってきた今日この頃。
日暮れが早くなって虫の声もどことなくもの寂しい……
とセンチメンタルな気分になっている講座担当のNです。

ここで歌の一つでも詠めればいいのですが、残念ながらそんな数寄の素養がないのが悲しいところ

しかし、移りゆく季節に心が動いてしまうのは今も昔も変わらないはずです。
そんな日本人の心の動きを表現した歌を、初めて歌集にしたものが『万葉集』。

ということで、今回は書家の石川九楊さんによる講座 「万葉仮名で楽しむ万葉集」 をご紹介します



石川九楊さんといえば、その独特の前衛的な書だけではなく、
「書く」という視点から展開される書論も高く評価されています。

今回、担当Nが講座をお願いした時、
今年の1月にご本を出されたこともあってか、テーマに選ばれたのが『万葉集』でした。
この万葉集の歌を原形に近い万葉仮名の姿で読むことで、
新しい解釈と魅力が見えてくるそうです。



例えば、この有名な山上憶良の歌「銀も金も玉も何せむに 勝る宝子に及かめやも」は、
万葉仮名で書くとこうなります。

「銀母金母玉母奈尓世武尓麻佐礼留多可良古尓斯迦米夜母」

…難解ですね。さっぱりです。

どうしてこの漢字でかくの? 歌の意味はちがってくるの? これのどこから仮名文字が出てくるの?
といった疑問を、本講座で解き明かします。
書と歌と文字、それぞれが密接に関係し合う『万葉集』。

石川さんの、冗談を交えた語り口調の講義は、一度も万葉集を読んだことのない方でも、
楽しんでいただけるとお勧めします!

さて、今回の講座をお願いするにあたって、是非ともサイン会を!とお願いしました。

と、いうのも6月の伊丹市立美術館での展覧会での講演会「書と酒と男と女」
(いいタイトルですね。もちろん講演内容も面白かったです。)
で頂いたサインがとても丁寧で素敵で感激したからなのでした。

サインをする方を必ず見てからサインを書かれるのですが、硯で墨を丁寧にすって小筆を使います。



私が石川九楊さんを初めて知ったのは、とある雑誌の連載から。
文字どおり“いろは”から書道を丁寧に教えるという企画で、
白い半紙に鮮やかに黒々と墨でしたためられた「いろは」の文字をみて、
かっこいい! と思ったことを覚えています。

それから何年か経って今回のサインを頂いたわけですが、その時の気持ちをありありと思いだしました。

今回のサイン会は、書籍購入していただいた方を対象に行う予定です。
担当Nも当日は頑張って墨をすります!

芸術文化の秋、皆様の沢山のご参加をお待ちしています(^o^)


お申し込みはコチラ

お電話・FAXでも受付しております。

中之島教室:
大阪市北区中之島3-2-4 朝日新聞ビル 5階
TEL 06-6222-5222
FAX 06-6222-5221

窓口営業時間:
午前9時30分~午後6時30分
(第2・4日曜日は午後2時まで)
※休館日=第1・3・5日曜と祝日(振替休日を含む)
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

●「水彩・パステル」教室展覧会レポ【芦屋】

2011年09月26日 10時56分03秒 | 芦屋教室
芦屋のYです
展覧会巡りは続いています

今回お邪魔したのは、河本和子先生ご指導による 「水彩・パステル」 教室展覧会『グループCAOS展』。


三宮駅前のサンパルにて開催されました。
会場の様子。


様々なタッチの水彩画・パステル画が並んでいます。
一部をご紹介。












各人の個性を尊重して河本先生がご指導くださるとのこと。なかには混合技法の作品も。

(写真ではわかりにくいですが、一見油絵のような絵具の起伏があります。石膏を塗ってそのうえから水彩絵具を塗られているそうです)


教室での静物・モデルカリキュラムの他、気候の良い時には野外スケッチに出かけることも
和気あいあいとした楽しいクラスです。ご一緒に楽しみませんか

見学・お問い合わせお待ちしております。
詳細はこちら。または芦屋教室(0797-38-2666)まで
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「パーソナルカラー診断」で魅力アップ☆ 【中之島】

2011年09月19日 10時43分25秒 | 中之島教室
こんにちは、中之島教室です

秋らしい涼しい風が吹いて、そろそろ長袖がほしくなってきました。
さて、そんな季節にぴったりの、「パーソナルカラー診断」講座をご紹介いたします

“パーソナルカラー”とは、その人の魅力を最大限に引き出す、似合う色のこと。

この講座は、カルチャーセンターの講座の中でも珍しい、マンツーマン講座です。
お1人40分、あなただけへのアドバイスをします。

カラーは「春夏秋冬」の4つのグループに分けられています。



講師の二宮恵理子さんが、125色のカラードレープを使ってグループを指定。


グループが決まると、たとえば、同じピンク系でもどう違うか細かくアドバイス。


ファッションだけでなく、メイクのアドバイスもあります


ご希望の方には、色見本帳(3500円)の販売もあります。
バッグに入れられるコンパクトなものなので、持ち運びにも便利です。


今まで似合わないと思っていた色が、実はあなたのベストカラーかも?!
ファッションやメイクに関して、新たな発見もあるかもしれません。
この秋は、新しいコーディネートに挑戦してはいかがでしょうか

皆さまのお申し込みをお待ちしております

講座の詳細はこちら

※ご希望の時間帯と空き状況については、お電話(06-6222-5222)にてご相談ください。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

『ブラぴよ子』始めました! 「大阪古地図むかし案内」 【中之島】

2011年09月17日 17時06分17秒 | 中之島教室
『ブラぴよ子』始めました! 「大阪古地図むかし案内」



有名タレントが古地図片手に街歩き。言わずと知れた某番組に熱をあげている講座部員ぴよ子が、
「私も大阪の街をブラぴよ子したい!」と企画した古地図講座。その魅力をご紹介します。

講師は作家の本渡章さん。


当時の人々の見た街の姿や暮らしぶりが垣間見える解説と、
好奇心をそそられる古地図のチョイス。そして、欲しい資料がない時は自ら作成する緻密な仕事ぶり……。
「講師はこの人しかいない」とぴよ子がほれ込んだお方です

講座では、そんな本渡さんと古地図の読み方を2回にわたって学びます。
1回目は教室で、2回目は現地へ。現地講座は福島区を歩きます。
あら、「う~ん、福島に歴史の見どころなんてあるん?」なんて思っていませんか
ぴよ子が一足お先に歩いてきました (^^)


本渡さんの著書『続・大阪古地図むかし案内』には、 “「聖天」浦江の聖天さんの俗称で親しまれた了徳院をさす。”
と記述してある福島聖天一帯。古地図にも名所として載る「浦江の聖天」は正式には、「如意山了徳院」といいます。






江戸時代に易相の大家・水野南北が信仰したといわれ、現在は地元の商店街が「占い通り」と名付けて人気を集めています。
「町おこしのために占い通りとしたのでは」と思っていたぴよ子。なるほど~と奥深さを噛みしめながら商店街を通ると、
「売れても占い商店街」という(笑)、しゃれっ気たっぷりのノボリにも気品を感じるから不思議です



さらに歩を進めると、商店街の各所に「大和田街道・梅田街道」と書かれた石碑があります。
商店街沿いにある上福島小学校の前には両街道の由来を記した案内板も。



聖天さんの境内、八坂神社の中にも街道を示す碑があり、かつての街道筋の記憶が残っています。ただし、
「大和田街道、梅田街道」という呼び名は明治以後のもので、道筋も少し異なっていたようです。
講座ではこのような解説を、本渡さんから直接うかがうことができるのです。楽しみですね♪



本渡さんのご本から歩き方のレクチャーを受け、古地図を片手に歩く福島は、ぴよ子にとって多くの発見がありました

しかし、まだまだ見どころはたくさんあります!!


※写真は、福島区周辺(江戸時代の天保年間)

「福島」「浦江」「鷺洲」「海老江」「田蓑島」「佃島」など周辺の地名に島、浦、江、洲といった水辺を意味する
地名が多い理由は……?
芭蕉の句「かきつばた語るも旅のひとつ哉」とこの地との関連とは……?

講座では、ぴよ子のような初心者も、古地図上級者も、大阪の街を愛する方も、それぞれの楽しみ方ができます。

皆さまのご受講をお待ちしております(^o^)


お申し込みはコチラ

お電話・FAXでも受付しております。

中之島教室:
大阪市北区中之島3-2-4 朝日新聞ビル 5階
TEL 06-6222-5222
FAX 06-6222-5221

窓口営業時間:
午前9時30分~午後6時30分
(第2・4日曜日は午後2時まで)
※休館日=第1・3・5日曜と祝日(振替休日を含む)、
ただし9月19日(月・祝)は営業します。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

●水墨画村岸教室ラウンジ展、27日まで【中之島】

2011年09月16日 17時32分00秒 | 中之島教室
こんにちは!中之島教室のMです
中之島教室のロビーで、9月14日(水)から「水墨画村岸先生教室、研究科Aクラス・Bクラス」のラウンジ展を開催しています。
※9/14~9/20は研究科A、9/21~9/27は研究科Bの作品

-----------------------------------------------------------------
受講生の皆さんの作品と水墨画の両クラスをご指導いただいている村岸良華先生の作品を展示しています。

作品搬入の様子



墨の濃淡だけで描かれた作品から、色の添えられた作品まで、数多くの作品が楽しめます。
どの作品も力作です。
では作品をご紹介しましょう。

まずは村岸先生の作品です。題は「石仏」です。


受講生の皆様の作品です。

石川圭一様「月夜」


米田豊様「石畳の国道」


澤久美子様「おめでとう」


細川洋美様「二層のうだつ」


村田いせ様「スーちゃん」


橋本孝三郎様「冬の北陸本線」


田口幸子様「蓮」


萩谷和様「旧婚旅行」


成尾泰子様「室生寺」


奥野久美子様「仁王さま」


濱中佳子様「盛夏の梓川」


清水絋一郎様「俳聖殿」



村岸先生です。先生の作品を前にパチリ。


皆さんで記念撮影


水墨画の作品展は、本日9月14日から9月27日まで開催中
(9/14~9/20研究科Aクラス、9/21~9/27研究科Bクラス)
平日は9:30~20:00、日曜は9:30~14:00(9/18は休館)、最終日は9:30~16:00頃まで。
皆様のご来場をお待ちしております
■水墨画研究Aの詳細はこちら
■水墨画研究Bの詳細はこちら
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

墨の個展 (受講生の個展情報) 【川西】

2011年09月15日 17時45分22秒 | 川西教室
こんにちは!
川西教室から、「水墨画」(林芳辰講師)クラスの受講生、
井上晴之さんの個展の案内です。



“墨の個展”のタイトル通り、水墨画と書の作品がずらり展示されています。
井上さんは2010年にあの能勢妙見山に水墨画を奉納されています。
素晴らしいですね

井上さんの個展は、下記要項で開催されます。
ぜひご覧くださいませ

日 時: 2011年9月14日(水)~9月19日(月)
     10時~19時(最終日は16時まで)
会 場: 川西市立ギャラリーかわにし
     「川西能勢口駅」駅舎1階
電 話: 072-738-3720


林芳辰講師の講座情報はこちら↓
「水墨画A」クラス
「水墨画B」クラス
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

●二元展 第50回記念図録2011に入賞!【川西】

2011年09月14日 16時16分04秒 | 川西教室
こんにちは!川西教室から入賞の報告です

「二元展 第50回記念図録2011」に、
川西教室の
「はじめよう水彩画」「山本絵画教室」
「スケッチを楽しむ」「水彩山本教室B」
(いずれも山本幸雄講師)講座から、受講生5名の方が入賞されました

おめでとうございます
順番にご紹介します

井上 治彦さん タイトル<静寂>


今田 龍子さん タイトル<潮のメロディー(Ⅰ)>


寺下 幸世さん タイトル<ねずみのおくりもの>


嶋村 和代さん タイトル<生きる「時の記憶Ⅰ」>


二川 道夫さん タイトル<道>


山本幸雄講師の各講座は、カリキュラムによっては見学もできます。
お気軽に川西教室(072-755-2381)までお問い合わせください
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

●展覧会めぐりをしてきました~水彩・納教室【芦屋】

2011年09月14日 10時00分37秒 | 芦屋教室
こんにちは芦屋教室のYです
芸術の秋・・・先週は芦屋教室の講座展覧会にお邪魔してきました。

まずは水彩画の納健先生の個展へ。


三宮の「ゆめや」(神戸市中央区三宮町2-5-12 三宮本通七洋ビル2F)。
カフェが併設されているので、お茶を飲みながら鑑賞できるおしゃれな空間です


海外での風景画をメインに水彩・ガッシュ・コンテなどで描かれています。




会場にいらした納先生とも1枚。


納先生の展覧会場を後に、その足で同じく三宮の北野坂にあるダイヤモンドギャラリーへ

「水彩(納)B」クラスの教室展『クラッセ・TUE水彩画展』です。


納先生のご指導のもとに描かれたモデルや風景、静物など様々な作品が並んでいます。
一部をご紹介します。









「水彩(納)」(火)クラスは現在満席ですが、同じく納先生ご指導の画材自由(油彩以外)の
「楽しい絵画教室AB」(土)はご受講いただけますので、
ご見学・お問い合わせお待ちしています
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

美しい英詩をごいっしょに 【京都】

2011年09月13日 18時35分54秒 | 京都教室
京都教室から、第2・4月曜に開講中の「美しい英詩をごいっしょに」講座をご紹介いたします!

7~9月期は「花と愛のうた」をテーマに、ウィリアム・ブレイクの「ああ ひまわりよ」、
クリスティーナ・ロセッティの「わたしの庭にパンジーの花が咲く」など、
1回ごとに1作品をご紹介する形式でご鑑賞いただいております。

芸術の秋は英詩の鑑賞にもふさわしい季節
10~12月期は、「愛と別れのうた」をテーマに開講いたします。

第1回 10月24日
“A slumber did my spirit seal” by William Wordsworth
  「眠りがぼくの心を閉じた」 ウィリアム・ワーズワス
   死んだルーシーが地球の自転とともに回っていると歌う。

Rydal Mount ライダル・マウント
ワーズワスが詩人として名誉を得て後年住んだ邸宅



第2回 11月14日
“Song” by Christina Rossetti
  「歌」 クリスティーナ・ロセッティ
   恋人に「自分が死んでも 悲しまないで」と歌う。

クリスティーナ・ロセッティ
  『不思議の国のアリス』の作者、ルイス・キャロルが撮ったもの



第3回 11月28日
“When we two parted” by George Gordon, 6th Baron Byron
  「ぼくたち二人が分かれた時」 ジョージ・ゴードン 第6代バイロン男爵
 別れた恋人が噂の種になっているのを悲しむ。

Newstead Abbey ニューステッド寺院
バイロン卿の祖先の住居(元は、12世紀にヘンリー2世が小修道院として
  建てたもの)で、バイロンはこれを譲り受け、改修して時々住んだ



第4回 12月12日
“Bright star!” by John Keats
  「輝く星よ」 ジョン・キーツ
   輝く星に向かって 恋人への変わらぬ愛を訴える。

Keats House キーツ・ハウス
  キーツがこの家の左半分に友人のブラウンと住み、右半分に恋人の
  ファニー母娘一家が住んだ 現在キーツ記念館



第5回 12月26日
“In a Cathedral City” by Thomas Hardy
「大聖堂のある都市で」 トマス・ハーディ
   大聖堂のある都市で 恋人への想いを断ち切ろうとする。

Max Gate マックス・ゲイト
  トマス・ハーディが1885年から1928年(没年)まで住んだ。


講師は、大阪府立大学名誉教授で、イギリス・ロマン派学会理事、
マザーグース学会理事をつとめられる安藤幸江先生です。
先生のホームページはこちら

作者の詩人を紹介するとともに、イギリスの歴史や文化、自然にも触れながら解説します。
声に出して読むことで、英語の音や響き、リズムも味わいましょう。

なお、こちらの講座は1回ごとのお申し込みはおうけできないのですが
途中受講はお伺いしております(その場合の受講料については、お電話でおたずねください)。

9月の最終回は26日です。 
ウィリアム・シェイクスピアの有名な作品、「きみを夏の日にたとえようか」をとりあげます。

お申し込み、お問い合わせは、どうぞお気軽に
朝日カルチャーセンター・京都教室まで。

TEL 075-231-9693
FAX 075-255-4784
窓口営業時間: 午前9時30分~午後6時30分 (日曜日は午後2時まで)
休館日: 祝日(振替休日を含む) ※9月19日(月・祝)は営業します
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

●「ブログde秀歌鑑賞」 №3  2011年9月【芦屋】

2011年09月13日 13時02分04秒 | 芦屋教室
芦屋教室 「ブログde秀歌鑑賞」 №~2011年9月
(松村正直選)

◆◆◆ ◆◆◆ ◆◆◆ ◆◆◆ ◆◆◆ ◆◆◆

次々に走り過ぎ行く自動車の運転する人みな前を向く
     奥村晃作(おくむら・こうさく) 『三齢幼虫』(さんれいようちゅう)


自動車が次々と道路を走り過ぎていきます。
よく見ると、その自動車の運転手はみんな一様に前方だけを見つめています。
よそ見をしていたら事故を起こしてしまいますから、「運転する人みな前を向く」のは当り前のことですが、
それをあえて歌にすることで、何か不気味なような、少し怖いような雰囲気が醸し出されています。
現代社会の日常に潜む怖さとでも言ったものでしょうか。
「ただごと歌」の歌人として知られる奥村晃作(1936~)の代表歌の一つです。

◆◆◆ ◆◆◆ ◆◆◆ ◆◆◆ ◆◆◆ ◆◆◆

瓶にさす藤の花ぶさみじかければたゝみの上にとゞかざりけり
        正岡子規(まさおか・しき) 『竹の里歌』(たけのさとうた)


花瓶に挿してある藤の花房が短いので畳の上まで届いていないという情景を詠んだ歌です。
「みじかければ」「とゞかざりけり」は一見当り前のことを述べているだけに思えますが、
実はそうではありません。
この歌を作った頃、作者は脊椎カリエスのために寝たきりの生活を送っていました。
病床という低い視点から見ているからこそ、藤の花と畳の間にあるわずかな隙間に目が留まったのでしょう。
俳句や短歌の革新運動に大きな功績を残した正岡子規(1867~1902)の代表作の一つです。


◆◆◆ ◆◆◆ ◆◆◆ ◆◆◆ ◆◆◆ ◆◆◆

ふるさとの訛(なまり)なつかし/停車場(ていしゃば)の人(ひと)ごみの中に/そを聴(き)きにゆく
        石川啄木(いしかわ・たくぼく) 『一握の砂』(いちあくのすな)


停車場というのは駅のことです。
近代になって発達した鉄道は国内の各地を結び、多くの人々を地方から都市へと運んできました。
岩手県の渋民村で生まれた啄木も、北海道を転々としたのち、文学で身を立てようとして東京に出てきます。
東京での生活に疲れて望郷の思いが募ることもあったでしょう。
そうした時に、大勢の人々が集まる駅に行っては東北訛りの言葉を聞き、束の間の安らぎを得たのです。
数多くの愛唱歌を作ったことで有名な歌人石川啄木(1886~1912)の一首です。


◆◆◆ ◆◆◆ ◆◆◆ ◆◆◆ ◆◆◆ ◆◆◆

松村正直先生の「短歌」講座はこちら!
「短歌実作」講座(第3金曜、A午前B午後
奇数月のご担当は池本一郎先生、
偶数月のご担当は松村正直先生

「はじめてよむ短歌」講座 (第1金曜、午前)
2011年4月開講。
随時、お入りいただけます。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする