中之島教室
「週末に楽しむ絵画」教室から、受講生の展覧会出品情報が届きました!
早速ご紹介します
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昨年に続く快挙です。「明日をひらく絵画」上野の森美術館大賞展は、
個性豊かな可能性のある作家を顕彰助成する目的で制定され、
今年で33回を迎えました。
日本画、洋画を問わないという日本では稀有な展覧会、
それだけに幅広いジャンルからの応募があり、
年代を越えての熱い戦いが年々繰り広げられ、
その発信力たるや凄いものがあります。
この「週末に楽しむ絵画」教室からは、昨年に続いて市川順子さんと
病気療養中の成川明子さんが見事に入選を果たされました。
お二人とも美大を卒業された訳でもなく、
老後の生き甲斐にと始められた言わば素人なのに
若い実力者たちとしっかり競い合っておられ、
お年を聞いて皆さんびっくりされます。
東京での本展を終え、京都へ巡回してきました。
中日には、今回の審査員で世界的に活躍されている著名な先生が来られ
講評があり、冒頭こんな話をされました。
「絵とはコミュニケーションです。他人にこう伝えたいという
メッセージが必要です。それはどうあるべきか、何を目指しているのか、
どこへ行こうとしているのかなど・・・
歴史観や思考をもって触れ合い、通じ合うものです。
そうしたコミュニケーションです」と。
ご覧の写真のようにお二人の作品は、時代に対する問題意識を問いかけています。
市川順子さん 題名「刻」S100号(2回目の入選)
前述の先生は、
「この絵は、どんな展覧会でも必ず通ります。
先ほど話した絵の条件を凡て満たしています。
絵は先ず色から入りますが、黒があちらこちらと飛び過ぎ(赤はいい)です。
もっとまとめ階調を増やせば見違えるような迫力が出てきます」。
この絵を見たある人はこんな感想をつぶやきました。
「ムーアの法則には、今後とも半導体の能力は1.5年毎に2倍になっていくとあり、
30年後には人口知能が人間の脳を越える。コンピューターが感情を持ち、
発明も人間にとって代わり、かように人口知能にすべて任せるようになる。
・・・マイクロソフト社のビルゲイツなど多くの知識人たちが、
このような人間の知能や思考の停止でいいのかと強く警告を発している。
市川さんも同じなんだね」と。この絵からこんなコミュニケーションがありました。
(油彩)
成川明子さん 題名「災」 S100号 (3回目の入選)
前述の先生は、「はっきりメッセージが伝わってくる絵です。
悲しみは、白を顔にここまで叩き付けなくても充分に伝わってきます。
青と白の比率を変え、青をもっと大きく増やした方が共鳴すると思います。」
成川さんはずっと難民の子供に目を向け、描いてこられました。
天災や人災による難民はアフガニスタンやイラク、シリアにとどまらず
インド洋にもなどに今や4000万人を越えると言われています。
目を覆いたくなるような厳しい環境、天災はともかくとして、
今なお続く人災への憤りがこみあげてきます。
冒頭の「どうあるべきか、何を目指すのか」といった解決策は
容易に出せるものではなく、先生はメッセージとして
表現についての言及に留まりました。
こうした時代の証言としての絵の重要性を無言でしめされたものと受け止めました。
(アクリル絵具)
こうして高く評価されるようになった受講生たちの絵をみますと、
講師の故片山昭弘先生の言葉「自分の視点をしっかりと持て」という言葉を
まざまざと思い出します。厳しいご指導が今こうして結実してきています。
同展は上野の森美術館で4月29日~5月10日まで、
関西へは京都文化博物館で5月26日~31日まで開催されました。
(文責 石橋新司)
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数々の展覧会で入選・受賞者多数
教室では、石橋先生の指導のもと、クラスの仲間で切磋琢磨し、独創的な作品を創りあげます。
「週末に楽しむ絵画」教室は毎週金曜18時から開催!
見学もできますので、お気軽にお問い合わせくださいね
(中之島教室 06-6222-5222)