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私の愛聴盤(第198回)

2024-12-01 | 私の愛聴盤
第198回は、ジャマイカ出身のウイルトン・ゲイナー・カルテットによる演奏です。

「BLUE BOGEY」 TAP 25

1. Wilton's Mood
2. Deborah
3. Joy Spring
4. Rhythm
5. Blues For Tony
6. The Way You Look Tonight
Wilton “Bogey” Gaynair (ts) Terry Shannon (p) Kenny Napper (b) Bill Eyden (ds)
録音 1959年8月26日

澤野工房からはTEMPOレーベルによる多くの作品が出されましたが、これもその中の1枚です。
リーダーで、ジャマイカ出身のウイルトン・ゲイナーというサックス奏者は、このアルバムで初めて知った中の1人ですが、彼の演奏に惹かれて今では愛聴盤の1枚となっています。

一曲目の「Wilton's Mood」は、その名もずばり、リーダーのテナー・サックスが堪能出来る1曲で、ミディアム・テンポによる歌心溢れる名演となっていて、後半に入って早いパッセージを使って変化を付けています。
バラードで演奏される「Deborah」もまた美しいフレーズで心地よく響かせていて、続くクリフォード・ブラウンの「Joy Spring」では、ハロルド・ランドのプレイと比べより太く力強く、どちらかと言えばロリンズに近い音で、テンポが少し遅いせいか余裕さえ感じるプレイであり、後半ではテリー・シャノンのピアノとケニー・ネッパーのベース・ソロにも多くのスペースを与えています。
「Rhythm」はアップ・テンポによる演奏で、アルバムに付属されている足立さんの解説によると、練習用のトラックとして録音されたものだそうですが、テーマらしきものが無くいきなりアドリブに突入していて、これにベースが8つを刻みながらテナーを支え、それを鼓舞するようなビリー・エイデンのドラミングが絶妙な演奏となっています。
「Blues For Tony」は4小節のリフを組み合わせたブルースで、ベースによる導入部があり、その後ピアノが登場しサックスへと続いていきますが、ここでもテーマらしきものは聞けず、ずっしりと重いベース音と共にけだるい感じのブルースとなっています。
唯一スタンダードの「The Way You Look Tonight」において、ゲイナーは軽快なテンポで快調に飛ばしており、その中でスムースなアドリブは心地良く聞こえ、続くシャノンのジャンプするような長いピアノ・ソロも一聴に値するプレイです。

全体を通して、リーダーのウイルトン・ゲイナーの特徴を上手く表現できているアルバムだと思います。

コメント
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