Vers la lumière 光ある方へ・・・

AtelierGrace発、ステンドグラスと教会のブログ。

パリ・ノートルダム大聖堂とサント・シャペル、ピカソ美術館('09.4.5)

2019-03-31 22:35:19 | フランス
これからしばらく、「私が見てきたステンドグラス」の旅行記事を書いていきたいと思います。

初めてパリの街中を歩いたのは2009年4月5日。まだステンドグラスを学びにフランスへ来て右も左もわからない頃、仲間5人と一緒のお出かけでした。

前日に駅へ行って5人分の切符を買って、翌朝9時半位にリヨン駅で下車。まずはノートルダム大聖堂へ。



実はワタクシ、ステンドグラスを始めるまではフランスにほとんど興味がありませんでした(スミマセン)。なので、パリのノートルダムもシャルトルも皆ごっちゃになっていたのですが、ノートルダムとは「我らの貴婦人」の意味で、この名の付く聖堂は聖母マリアへ捧げられた聖堂、ということで、だからフランス中に同じ名前の聖堂が沢山あるんだよ、というのをこの時初めて知りました

川沿いをずっと歩いて聖堂が見えてきた時、町中に響き渡るような大音量で教会の鐘が鳴り始めました。初めてヨーロッパの空気に触れた感動を、昨日のことのように思い出します。

 

 

広場には大勢の人が集まって来ていました。この日は日曜日でミサがあり、中からは既にパイプオルガンの荘厳なメロディーが鳴り響き、まさに司祭の入場が行われているところでした。イースターの直前だったので、十字架と一緒に、棕櫚の葉も見えました。よく見ると入り口の看板には日本語で「ようこそ」と書かれてあって、何か嬉しかった

 



内部は、ミサへ参列しない人もミサ中、ビジター用の通路から自由に出入りできるようになっていました。最初はミサ中にも関わらず平気でがやがや私語を響かせ、内部席にカメラを向ける観光客たちの姿に衝撃を受けました。日本の教会ではまずありえない光景でしょうから…。だけど驚くべきことに、内部にいる人たちは観光客には一向にお構いなしという感じで平然とミサを続けているのにまた衝撃。しかも、司祭や侍者の動きが遠くにいる人たちにも見えるように、あちこちにTVモニターが設置されているし!

しかし、しばらくして困惑する心が落ち着いてきてから、こうも思いました。この聖堂は、誰をも拒まず招き入れている。性別も国籍も宗教も、信仰心のあるなしも問わずに。何という寛大さ!天国そのもの!と。初めてヨーロッパの大きな歴史ある教会に入ってみて経験した、感情のジェットコースターでした

聖堂の奥に聖堂全体と、聖堂建築の様子を再現したジオラマがありました。聖堂の完成までには実に170年もの歳月を要したとのこと。聖堂の完成を見れずに亡くなった人たちも大勢いたと思うけど、この聖堂が今も尚人々が熱い祈りを捧げる場として使われ、これだけ多くの人に愛される場所になっている光景を見て、きっと彼らも天国で喜んでいるだろうなぁ~、としみじみ。


ちなみにノートルダムには2013年の3月にもう1度、行く機会に恵まれました。その時の日記はこちら。

午後からはノートルダムから割と近いサント・シャペルと、ちょっと歩いたけどピカソ美術館へ行きました。

 

サント・シャペルは最高裁判所の敷地内にあるため、まずは空港にあるようなセキュリティチェックを通らなければいけませんでした。何せそれまで海外渡航経験がほとんどなかったものでノートルダムだけで既に頭がパンクしそうになってたんですが大量のステンドグラスは圧巻。まるで万華鏡の中にいるようでした!

 

↑1階部分。

 

   

 

日本語のパンフもありました。2階部分のステンドグラスはパリで最も古いとされ、3分の2が13世紀当時のものと言われています。100を超すそのモチーフは旧約、新約聖書及びフランスのカペー王朝の治世。残念ながらこの日は生憎双眼鏡を忘れて来てしまったのですが、テレビもパソコンもスマホもなく、字も読めないから読書もせず、夜も暗くなったら早々と寝ていた昔の人は恐らく現代人よりもよっぽど視力が良かっただろうから、双眼鏡なんか使わなくてもステンドグラスに描かれた聖書の物語が肉眼でちゃんと見えたんだろうな…と思います。とにかく、ステンドグラスに関心のある人は見ておいた方がいい!



カラフルな色ガラスの窓がオシャレな、ピカソ美術館。



この時、パリでもポニョをやっていた!

初めてのパリ散策。1日中頭をフル回転させながら歩き続けてクタクタ思えば昔世界史の授業の合間に繰り返し眺めたステンドグラスの写真が現実のものになり、ただその前に自分の小ささを感じて圧倒されるばかりの1日でありました。



ブリュッセル 2009.11.28

2019-03-31 21:55:49 | フランス
今日から新元号が発表され、新年度がはじまりましたね。工房ホームページのリニューアルを進めています。更新するのは専らブログやTwitterで、今までほとんど放置状態でしたが(汗)、今までのものを踏襲しつつ写真も増やし、新しく「私が見てきたステンドグラス」のコーナーを設けたいと思います。留学中の膨大な写真の整理も兼ねて、少しずつ更新していきますのでどうぞよろしく

さて、その前にベルギーのお話最終回。いよいよピーテル・ブリューゲルにゆかりの深い、ブリュッセルです。

2009年11月28日。朝から雨の降る、寒い日でした。



ジュ・ド・バル広場。何と、毎日蚤の市開催中

素敵なマリア様のガラスのペーパーウェイトを見つけたのですが、傷が付いていたので泣く泣く諦めました。しかし今思えば、傷がついててもいいから買っておけば良かったなぁ…と思います。私の中で数少ない、買わずに後悔したものの1つ。

 

ノートルダム・ド・ラ・シャペル教会。ブリュッセルで一番古い教会で、ピーテル・ブリューゲル(大ブリューゲル)が挙式し、埋葬もされた教会です。ブリューゲルは右側通路の礼拝堂に埋葬されています。近くのホーホ通りには、復元した「ブリューゲルの家」があるそうです(内部非公開)。



黒い衣装をまとった「孤独の聖母」。



ノートルダム・ド・サブロン教会。

  

美しいステンドグラスの数々!



「これは何だろう?」と思いましたが、伝説によると、1348年にアントワープの女性Béatrice Soetkensが、天使のお告げに従ってマリア像を舟でブリュッセルまでもたらしたとか…?

 



王立美術館古典部門。ルーベンス、ボッス、メムリンク、ブリューゲルなど…。



ブリューゲル「ベツレヘムの戸籍調査」。これだけは確実に見た覚えがありました。他にも沢山あって、見ているはずなんですけど…思えば'11年、ポーランド・スウェーデン合作の『ブリューゲルの動く絵』という映画を教会の牧師先生に勧められて観に行きましたっけ。ベルギーではなくウィーンにある「十字架を担うキリスト」の絵を実写化した映画でしたが、観るのにすっごく頭を使う、難しい作品だったような気が…(;・∀・)

近代部門もなかなか面白い。

 

これを作るのに、一体どれだけムール貝を食したのでしょう(笑)



いやん、みんな骸骨



 

サン・ジャック・シュル・クーデンベルク教会。現在の建物は18世紀のものだそうで、比較的新しめ。

  

やっと街の中心部まで来ました。サン・ミッシェル大聖堂。聖ミカエルはブリュッセルの守護聖人。ここもステンドの宝庫!!

 

 

↑ん!?右側のステンド。これは何をしようとしてる…??



市庁舎の屋根にもミカエル。



セルクラースの像。触ると幸せになるらしい。



グラン・プラス、王の家。



ベルギーと言えばタンタン。ビルの壁にも出現!



とあるレストランの前。あれ、こんな所にベルギー一の有名人が!?いえいえ、偽物ですがそれにも関わらず人だかりが…っていうか食欲失くしそう(笑)





本物はこちら!周囲はものすごい人・人・人…。



そしてこちらは1987年に突如現れた新名所、小便小僧・女子バージョン(!)こちらもやはり人・人・人…

 

サン・ニコラ・ド・ブリュッセル教会。入ってみたら中国語のミサをやっていました。



日本専門店?発見。売っていたのは扇子、急須など。しかし何故かチャイナドレスもあったり…。

  

こちらはキノコ専門店!種類が豊富!

  

サント・カトリーヌ教会。こちらにある「黒い聖母子像」は70センチ足らずの小さなものですが、1744年に新教徒によってセンヌ川に棄てられたものの、浮遊する泥の中から発見されたという伝説があるそうです。それにしても、ブリュッセルは教会の多いこと!!

  

この時期はちょうど、クリスマスマーケットの出始める時期でした。屋台だけでなく観覧車やスケートリンクまで!疲れたのでワッフルで一休み。



こちらもキノコ屋。大分暗くなってきた。



ライトアップされたグラン・プラス。さよなら、ブリュッセル~。いつかまた訪れる機会がありますように

































アントワープ 2009.8.23

2019-03-29 18:02:53 | フランス
先のベルギー旅行記の続きです。翌日8/23、この日は「フランダースの犬」の舞台アントワープ。もう10年も前なのであまり覚えていないのですが、どうもこの日は電車での移動が長く、結構慌ただしかったようです



朝のブリュージュ駅。これから電車でアントワープへ。



アントワープ中央駅到着。ロッカーに荷物を預けようとして、日本語表示ボタンがあったので押してみたら…意味不な日本語が開けるためには出て来た紙切れのバーコードを読ませないといけないようです。今はどうなっているのか…(笑)



で、ロッカーに入れる小銭がなかったので、小銭入手のために買ったワッフル。甘い!!!!!何せ甘いワッフルの上からさらに甘いチョコと生クリームがどっっっっぷり。妹はあまりの甘さに喉がヒリヒリしたらしい



美しいアントワープ中央駅外観。



まずは王立美術館へ行こうとしたのですが、トラムの乗り方がさっぱりわからず…2キロ歩きました道自体は大きい道路をひたすら真っ直ぐ歩いていけばいいので難しくないんですが、これだけ距離があるとホントに合ってるのかどうか不安になってきますよね…。途中、謎の日本料理店にも遭遇。



午後はベルギー最大のゴシック教会であるノートル・ダム教会へ。

            

 

やはり、ステンドがいっぱい。色鮮やか!



ネロとパトラッシュが最期に見た「キリスト降架」の絵は聖堂の左側にありました。




こちらはそれと対になっている「キリスト昇架」です。日曜だったこともあり人・人・人…。この時は王立美術館所蔵の作品がいくつか特別に里帰りしていて、ルーベンス以外にも様々な画家の絵を楽しむことができました。

この後首都ブリュッセルから電車でパリへと入ることになるのですが、時間指定で切符を取っていたのでブリュッセルでは待ち時間が40分ほどしかなく、この日はブリュッセル市内は見ることができませんでした。なのでこの年の11月にリベンジのつもりで一人でブリュッセルへ行きましたが、その時の様子はまた次回にしたいと思います




ブリュージュ 2009.8.22

2019-03-29 15:30:13 | フランス
先日久々に休暇を与えられ、那須・白河・郡山方面へ出かけてきました今回郡山へ立ち寄ったのは、郡山市立美術館で行われていた「ブリューゲル展 画家一族150年の系譜」を見るため。大ブリューゲルのみならずその息子や孫など、一族の作品が約100点展示されていて、ほとんどが日本初公開だそうです。一昨年上野に「バベルの塔」が来たときは、遠いし人混みが苦手なのでスルーしてしまったのですが、今回は人混みで具合が悪くなるようなこともなく、ゆっくり落ち着いて見ることができました。宗教画も沢山

同時に、留学中の写真整理がそのままストップしていたので、ブリューゲルゆかりのベルギーへ行った時の写真でも見てみようかなと思ったらあるわあるわ…大変だこりゃピーテル・ブリューゲル(大ブリューゲル)は16世紀半ば、アントワープ、ブリュッセルを中心に活動しましたが、今回は私がベルギーで一番最初に訪れたブリュージュの思い出を書いていきたいと思います。尚、情報は私が旅行した2009年当時のものです。

2009年8月21日夕方、母・妹と共にドイツから電車でベルギー入りしました。ユースに泊まって翌22日、1日ブルージュ観光です。



まずはユースから一番近い「ベギン会院」という世界遺産にもなっている修道院を見に行きました。修道院の前の川には、白鳥さんが沢山…夏に白鳥を見るのは何だか不思議な感じがしますね。

 



この修道院のことは来るまで全く知らなかったのですが、静かで落ち着きがありとても気に入りました。街中からはずれた所にあるためかそれほど観光客でごった返しているわけでもなく、朝もやの森の中を1人のシスターが歩いていく光景はとても絵になる光景だなぁ・・・と思いました。

 

敷地内にある礼拝堂。実はこのステンドグラスの光線の絵付け、フランスでの最後の制作の際に参考にさせてもらいました。

      

 

ベギン会は、12世紀にベルギーで、女性の自立支援のために設立されました。12-13世紀のベルギーでは、女性は時期が来たら結婚するか、神に身を捧げて修道院に入るかという選択肢が一般的でした。結婚しても夫が十字軍の遠征や病気等で亡くなれば、残された女性はこれまでの生活や財産を全て捨てて修道院に入る以外の選択肢はほとんどありませんでした。そのような中で、女性の多様な生き方を支えるためにできたのが、ベギン会という女性のための互助組織でした。女性たちは日中、街に出て働くことも許されており、夜になると修道院に戻り共同生活を送っていました。修道院を出て結婚することもできました。女性の社会進出とともにベギン会修道院は衰退し、現在、この場所にはベネディクト派の修道女たちが暮らしているそうです。

女性たちが暮していた部屋にはかわいい食器やベッドなどが展示されていました。それらがもう、いちいちカラフルで可愛い!





↑敷地内のショップ。そしてベルギーと言えばチョコレート、修道院を出て途中「スークルブック」というチョコレート屋さんに立ち寄りましたが、あまりのお高さに私は結局何も買わず…



↑ブリュージュは観光馬車が頻繁に行き来していました。でもちょっと、このお馬さんはどうかと…



 

その次は「メムリンク美術館」へ。かつて施療院だったため宗教画の他、当時の医療器具や、院内の様子を描いた絵画もありました。また、ここにはベルギー7大秘宝の1つである「聖ウルスラの聖遺物箱」が展示されています。入り口も素敵。

 



それからすぐ近くの、ミケランジェロ作の聖母子像のある「聖母教会」へ。



遊覧船には乗らなかったけど、長蛇の列ができてました。お花が綺麗



蚤の市開催中。



マルクト広場鐘楼。



手回しオルガン!



  

州庁舎。ステンドグラスは薄いグリーンに絵付け、黄色を入れたもの。この網目模様、綺麗に描いてるなぁ…私はこういうふうに綺麗な直線を引くのは苦手だった!



お昼はマルクト広場のレストランへ入りました。鳥の丸焼き1/2匹分。とんでもなく量が多い!!そしてトラピストビール



街の中心にある「聖血礼拝堂」へ。すごい人、人、人…。

  

 

ここには十字軍が遠征で持ち帰ったと言われるキリストの聖血が収められています。2階礼拝堂には絵付けステンドがいっぱい。一部修復中なのか、ステンドグラスの図柄を印刷したフィルムのようなものに置き換わっていました。礼拝堂の片隅の一段高くなっている所には、液体のようなものが入っている筒を差し出している女性がいて、その前には大勢人が並んでて順番にその筒を触っていました。どうやらあれがキリストの聖血のようです。まぁここへ来るのも一生に一度だろうしと思い妹と一緒にその列に並んで、幾ばくかの献金をして、その筒状のものを間近で見ました。筒の中は油みたいな液体と赤い塊状のものが…果たして、あれはホントにキリストの血だったのかなぁ…??

    

下にも薄暗~い礼拝堂と納骨堂が。そして幾何学模様ステンド多数。



最後に救世主大聖堂へ。ここはガイドブックには名前しか載ってなかったんですが、入ってみたらステンドがいーーーーっぱい。

        

 


   

この翌日、アントワープへと向かいました。その様子はまた次回

レント 2019&イースターのお知らせ

2019-03-29 14:30:04 | お知らせ
今年は雪が少なく、比較的暖かい冬でした。水仙も早々と咲き始め、買い物に行けば早くもイースター関連商品が溢れているし、でもイースターなんてまだまだ先…と思っていたら、気づけば3月も終わりに。そうだ、平成もあと数日で終わってしまう!!

教会の暦では3月6日(水)より、「受難節」という時期に入っています。イエス・キリストのご受難と十字架を心に留めて過ごす時期です。受難節はイースター前日の4月20日(土)まで、7週続きます(結構長い!)。

典礼色は悔い改めを表す「紫」が用いられます。説教壇のクロスも紫になり、お花も紫系を中心に活けて頂きました。



 

実際はこんなに濃い紫のバラはないかもしれませんがステンドグラスで紫のバラを作ってみました。ご希望の色でお作りできます

  

オルガンと外の看板もレント仕様に。年が明けたあたりから、このために紫の造花を探して歩き回りました

また、今年度は新たな試みとして「消火礼拝」を取り入れています。アドベント(待降節、クリスマスの前)は毎週1本ずつろうそくに火をともしていきますが、それとは逆に、7本のろうそくの火を毎週1本ずつ消していきます。洗足木曜日礼拝の時に、すべてのろうそくの火が消えることとなります。イエス・キリストが十字架に磔にされた際、全地が暗くなったという記述が聖書にありますが、そのことを思い起こすためです。



昨年初めて「イースターガーデン」なるものを作ってみたのですが、今年は教会学校の子どもたちに作ってもらいました。今年のグリーンはちょうど棕櫚の木みたいですね。雪がなかったおかげで、去年は採取できなかった苔も庭から取れました。やっぱり本物は土によく馴染む

さて、受難節はもうしばらく続きますが、花巻教会イースターのお知らせです。今年のイースターは4月21日です。今年から、イースター用のポスターも作って頂きました



イースター礼拝
2019年4月21日(日)10:15~11:45  於)日本キリスト教団 花巻教会(花巻市仲町)

礼拝にはどなたでも出席いただけます。今年も卵を沢山茹でて(笑)お待ちしています

※イースターに先立って…

洗足木曜日礼拝
2019年4月18日(木)19:00~ 夜の静かな礼拝です。

受難日祈祷会
2019年4月19日(金)13:30~、19:00~ 「十字架の道行き」の黙想を行います。


この3月で、東日本大震災から8年が経ちました。未だ悲しみと困難のうちにある方々を想い、祈ります。