Vers la lumière 光ある方へ・・・

AtelierGrace発、ステンドグラスと教会のブログ。

黄いろのトマト

2023-04-18 10:52:21 | パネル
小さいときのことですが、ある朝早く、私は学校に行く前にこっそり一寸ガラスの前に立ちましたら、その蜂雀が、銀の針の様なほそいきれいな声で、にわかに私に言いました。
「お早う。ペムペルという子はほんとうにいい子だったのにかあいそうなことをした。」
 その時窓にはまだ厚い茶いろのカーテンが引いてありましたので室の中はちょうどビール瓶のかけらをのぞいたようでした。
(宮沢賢治「黄いろのトマト」)

 

今後イベントや委託販売の作品作りで忙しくなりそうですが、1ヶ月に1、2枚ペースで自分の作品を作っていけたらいいなと思っています。賢治童話から「黄いろのトマト」、完成。はちすずめが物語の重要な導き手として登場する作品です。

賢治さんは「下の畑」で実際にトマトなどの西洋野菜を作っていたそうです。以前うちの教会員さんが、確かその方のお母さん?だったかが、畑で採れた野菜をリヤカーに積んで売り歩く賢治さんの姿を目撃した、というお話をしていたことがありました(大分昔の話ですね…)。物語に登場する黄色いトマトは恐らくミニトマトだと思うのですが、小さいと何だかわかりにくそうなので大きいトマトにしてしまいました周辺のガラスはちょうどビール瓶のような茶色のガラスがあったので使ってみました。暗い色の中にはちすずめのブルーが映えますね。

春イベントのお知らせ

2023-04-15 12:31:15 | お知らせ
この春は2件のイベントに出店します。



花巻市石鳥谷 手作りクラフト ぱん・スイーツまつり

2023年4月23日(日)10:00~15:30 場所)花巻市石鳥谷町好地8地割43 宝峰跡地(岩銀隣・酒造交流館向い)

パン、スイーツはあっという間になくなると思いますので、どうかお早めに…。



土澤アートクラフトフェア

2023年5月4日(木・祝)~5日(金・祝) 10:00~16:00 場所)花巻市東和町土沢商店街・萬鉄五郎記念美術館前

Aエリア、旧キクヤ跡地にいます。

どちらもプラバン動物園さんとの共同出店です。皆様のお越しをお待ちしております

テレーズとユキヤナギ

2023-04-15 11:27:25 | パネル
その水際園に
なぜわたくしは枝垂れの雪柳を植えるか
十三歳の聖女テレジアが
水いろの上着を着羊歯の花をたくさんもって
小さな円い唇でうたひながら
そこからこっちへでてくるために
わたくしはそこに雪柳を植える
     Gaillardox! Gaillardox!
(宮沢賢治「装景手記」)

あまり知られていない作品かもしれませんが、宮沢賢治の「装景手記」という作品には、小さきテレーズが登場します。作品の成立時期から、花巻温泉遊園地の南斜花壇の造園に関わりが深いとされています。昨年カトリックの方から、テレーズをイメージしたロザリオ入れとフォトフレームの依頼があったのですが、その際、賢治がテレーズに関心を抱き、作品にも登場させていることを教えて頂きました。その時に書いたラフスケッチを再び構想し直して、テレーズとユキヤナギのパネルが出来上がりました。



賢治が熱烈に日蓮宗を信仰する傍らキリスト教にも深い関心を持ち、多くのキリスト者と親交を深めていたことは知っていましたが、先ほどのカトリックの方に教えて頂いた本『テレーズを愛した人びと』(伊従信子著)を読み、賢治がテレーズに心の深い所で共感を覚えていたことを初めて知りました。また、同著には、「彼が雪柳を植えるのは「テレーズが歌いながら、そこからこっちへ出てくるために」なのであり、ここに彼の熱い望み、「テレーズと実際に出会うこと」をうかがい知ることができるのです。」とありました。そのような賢治の願いに応えて、ユキヤナギの茂みから姿を現したテレーズをイメージしてみました。作品中では「十三歳の聖女テレジア」とあり、13歳だと修道院へ入る前だと思いますが、一目でテレーズだとわかるようにシスターの服装に薔薇の花のついた十字架を持ったテレーズを描きました。ユキヤナギの花は小さいので型紙を使わず、日頃コツコツと貯めた端ガラスと自宅で焼いた黄色いナギットをフィーリングで配置してハンダで繋げていきました。制作中、花巻ではあちこちでユキヤナギの花が咲いていました。賢治さんもきっと、テレーズへの想いを込めて、こんなふうにユキヤナギを植えたのかなと想像しました。



テレーズの制作期間は丁度受難週に重なり、受難日にはハンダ付けをしていました。ちなみに。今年の受難日礼拝は新たな試みとして、十字架上の七つの言葉を黙想しながら、7本の蝋燭を1本ずつ消していきました。昔台湾の教会から頂いた、最後の晩餐のレリーフと共に…。

 

そして、イースター当日。花屋でユキヤナギの出回る時期は既に過ぎてしまっていましたが、教会員さんがご自宅の庭のユキヤナギを持ってきて下さり、出来上がったばかりのテレーズと一緒に飾ることができました。奇しくも今年のイースターは、テレーズがカルメル会に入会した記念日と重なりました。

(ちなみに、今年は卵の価格が高騰しているのでイースターエッグは例年より個数を減らしました

今年は花巻も桜の開花が早く、あっという間に散ってしまいました。長い冬がようやく終わってほっとしています。Atelier Grace♰も色々な事に向けて動き出しています。どうか皆様の新年度の歩みの上にも、祝福がありますように


Agnus Dei 丸パネル

2023-04-02 22:27:16 | パネル
見よ、世の罪を取り除く神の小羊だ。 ヨハネによる福音書1:29



今年の受難節は2月22日から。イースターは4月9日です。例年受難節の間は、教会が典礼色である紫だらけになります。今年も例年通り、イースターガーデンを整備したり、キャンドルを7本用意して消火礼拝をしたりしていますが、今年は新たに小羊の丸パネルを作りました。



ラテン語は初の試み・ペンルーターで手彫り。ガラス瓶などに彫るのと違って、着せガラスのクリアの部分が出るまで削るのは結構時間がかかりました。かなり神経を使うので決して急がない、無理をしないことを心掛け付けつつ、2時間くらいかかったかも背景は青と紫の混じったガラスです。ものすごく凸凹なのでどちらかというと粗切りしてルーターで削った方が良いガラスだと思います。受難節からイースターへ、をイメージした紫と白の十字架もできました。

結婚祝い似顔絵

2023-04-02 22:20:06 | 似顔絵


コロナ禍以降初の!結婚式出席。お天気にも恵まれ、良いお式だったと思います。70名ほどの出席があり、結婚式も大分コロナ前のように近づいてきたのかなと思います。

例によって似顔絵のプレゼントです。お二人の新しい歩みの上に、祝福がありますように