Vers la lumière 光ある方へ・・・

AtelierGrace発、ステンドグラスと教会のブログ。

三毛猫(「セロ弾きのゴーシュ」より)

2024-02-24 18:57:35 | パネル
ところがすうと扉を押してはいって来たのはいままで五六ぺん見たことのある大きな三毛猫でした。
 ゴーシュの畑からとった半分熟したトマトをさも重そうに持って来てゴーシュの前におろして云いました。
「ああくたびれた。なかなか運搬はひどいやな。」
「何だと」ゴーシュがききました。
「これおみやです。たべてください。」三毛猫が云いました。
 ゴーシュはひるからのむしゃくしゃを一ぺんにどなりつけました。
「誰がきさまにトマトなど持ってこいと云った。第一おれがきさまらのもってきたものなど食うか。それからそのトマトだっておれの畑のやつだ。何だ。赤くもならないやつをむしって。いままでもトマトの茎をかじったりけちらしたりしたのはおまえだろう。行ってしまえ。ねこめ。」
                                                            (宮沢賢治「セロ弾きのゴーシュ」)



2月22日猫の日に合わせて、「セロ弾きのゴーシュ」に登場する三毛猫を作りました。猫の目はうちの電気炉で作って、髭は銅線で後付け。

猫3匹も飼ってるくせに今まで猫モノは意外と作っていなかったのですが、今までの自分にない新たな境地が開けたような気がします。嬉しいことに色んな方に好評です。早くも猫の次回作が思い浮かんでいます

ちなみに、賢治さんの初期短編に「猫」という作品があるのですが、(私は猫は大嫌ひです。猫のからだの中を考へると吐き出しさうになります。)だとか、(どう考へても私は猫は厭ですよ。)なんて書いてあるところを見ると、どうも猫は嫌いだったようです。確かにセロ弾きのゴーシュでも、猫の扱いが酷いもんなぁ…
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水仙月の四日

2024-02-24 18:43:54 | パネル
「しゆ、あんまり行つていけないつたら。」雪狼のうしろから白熊の毛皮の三角帽子をあみだにかぶり、顔を苹果のやうにかがやかしながら、雪童子がゆつくり歩いて来ました。
 雪狼どもは頭をふつてくるりとまはり、またまつ赤な舌を吐いて走りました。
「カシオピイア、
 もう水仙が咲き出すぞ
 おまへのガラスの水車
 きつきとまはせ。」
 雪童子はまつ青なそらを見あげて見えない星に叫びました。(宮沢賢治「水仙月の四日」)



「水仙月」はキリスト教のレント(受難節)を指すという説があるそうです。今日は「灰の水曜日」。今年のレントは2/14のバレンタインデーから始まりました。今年は年度末の3/31(日)がイースターです。

雪童子(ゆきわらす)の帽子の丸いのは、市販のものに自分のイメージ通りの色がなかったので自宅の炉で焼きました。1度では望み通りの大きさのものが作れず、2度目で成功。水仙の花は後付けです。

例年ならまだまだ寒い時期ですが、庭ではスノードロップがあちこちで咲き、水仙やチューリップも芽を出し始めました。今年は信じられないほどの暖冬で、東京で積雪があった時期も花巻では全く雪降らず。石鳥谷のたろし滝も今年は氷柱ができず計測不能だったとか(氷柱の太さで豊作かどうかを占います)。この数日はまた寒くなって雪も積もりましたが、今年の夏はどれだけ暑くなるのやら…。
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教材用フォトフレーム&キャンドルホルダー

2024-02-24 18:30:41 | コパー作品
ステンドグラス初心者向け教材のフォトフレームとキャンドルホルダー。どちらも10年以上前に一度作っていますが、製図し直してもう一度作ってみました。

  

教室で1番最初に作ってもらうのは、直線だけのフォトフレーム、次はキャンドルホルダーで立体作品の作り方を学びます。そしてこの後曲線の入ったトレイ、ミニパネル、ランプ、テラリウム…と進めていきます。その中で作りたい作品を形にするための製図や模型作り等も学んで頂ければと思っています。色ガラスは在庫のあるものからご自由に選べます。

 

こちらは正方形のキャンドルホルダー、2作目。同じものだけど、人に教える時にはどうしたら1番やり易いのか考えながら作っています。なるべくガラスにコテが当たらないよう、前回とハンダ付けの順番を変えてみたり。また違うやり方でもう何個か作ってみます。

キャンドルホルダーは2/3(土)に花巻の銀河モールで行われたPOLAマルシェに持参しました。初めてのイベントでしたが、ご縁のあった皆様お疲れ様でした&ありがとうございました今回はステンドグラスの作り方に興味を持って下さる方が多かったです。室内で電気使用OKな場所なら、今後は照明作品の展示やWS、制作実演なども今後積極的に考えていきたいと思います。
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茨海小学校

2024-02-24 18:08:13 | アクセサリー
もう仕方ない、この辺でパンをたべてしまおうと立ちどまったとき、私はずうっと向うの方で、ベルの鳴る音を聞きました。(中略)それどころじゃない、こんどは私は、子供らのがやがや云う声を聞きました。それは少しの風のために、ふっとはっきりして来たり、又俄かに遠くなったりしました。けれどもいかにも無邪気な子供らしい声が、呼んだり答えたり、勝手にひとり叫んだり、わあと笑ったり、その間には太い底力のある大人の声もまじって聞えて来たのです。いかにも何か面白そうなのです。
                                                             (宮沢賢治「茨海小学校」)



「茨海小学校」、賢治童話の中ではあまり知られていない作品かもしれませんが、賢治さん自身を思わせるような農学校教師が、火山弾を探しに出かけて狐の小学校に迷い込んでしまうお話です。狐小学校ですから生徒も先生もみんな狐。左下でしょんぼりしているのは、悪さをして校長室へ連れていかれた狐の生徒です。今回は珍しくボーダーにも絵付けして(よく見ると野ばらの花や葉が浮かび上がってきます)、ヒゲや校長先生の眼鏡は銅線で後付けしました。1枚のパネルにこんな大人数と言うのは滅多にないなと思ったけど、よく考えたら馬小屋に人間3人ロバ牛羊、っていうのがあった(笑)

  

この作品を作るため、クリスマスが終わってから宮城蔵王キツネ村を訪れました。狐たちはみんな冬仕様のもふもふになっていてとても可愛かったのですが、うっかり撫でようものなら噛み付かれそうなので我慢我慢でした今や資料になりそうな写真はネットなどで簡単に見る事ができますが、今回実物を見に行ってみて色々な発見がありました。まず、狐はものすごい声で鳴きます(笑)あちこちで喧嘩も起きていました。エサやりも体験してみたのですが、人が食べようとしているエサを一瞬で横取りしたり…。狐小学校の喧騒感を肌で感じ取ることができたような気がしました。あと、エサを見せると狐たちはとびきり良い表情の写真を撮らせてくれます。ちゃんとお仕事してるんだね(笑)
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ざしきぼっこ&お花

2024-02-24 17:56:55 | お花
久々にお花のお稽古。花材はチューリップ、スイートピー、ユキヤナギで春らしく。

紙風船型のお花器は友人から貰い受けたものでお気に入りです(ちゃんと凹みまである)。こんな小さいので大丈夫かなと思ったけど、何と、買ったお花全部入った!これはこれで良いけど、ユキヤナギでもっと高さが出せたら良かったかもと言われました。なるほど…。



あと、ステンドとのコラボも是非とのことだったので、昨年の春先に作ったざしきぼっこちゃんと早速一緒にしてみました。室内が一気に春らしくなりました
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