Vers la lumière 光ある方へ・・・

AtelierGrace発、ステンドグラスと教会のブログ。

新婚旅行記④サント・マリー・ド・ラ・メール

2013-09-12 12:52:27 | 旅行
旅行4日目、早朝にエクスを発ち、バスでアルルへ向かいました。アルルの駅で大きな荷物を預けて観光しようと思っていたのです…が!!

何と、駅にコインロッカーがない!!売店の人とかに聞いても「ない」ということだったので確かでしょう。仕方なく重い荷物を抱えたまま1日観光する羽目になりました…。こんな事態を想定して、旅の荷物をスーツケースではなく登山用リュック(ホタテ貝をぶら下げたら巡礼スタイルになりそうです)にして正解でした。コロコロだったらもっと最悪ですから…ちなみに、アルルの駅から街中までは少し歩かなくてはいけません。アルル観光の際はご注意を!!

サン・トロフィーム教会。教会入口の彫刻にまず圧倒されます。



タンパン(入口上部の半円形部分)には、「最後の審判」のキリストが描かれています。

そのすぐ下の小さな人物像は、向かって左が、キリストに向かって列を作る「選ばれし者」。



右は、キリストから離れていく「見放されし者」。鎖で繋がれています。しかし何だか憎めない感じですね(笑)



有料で教会回廊を見学できます。柱の彫刻の人物がちっちゃくてかわいい



大きなロンデルに絵付けしてあります。





ゴッホの「Cafe la Nuit」(夜のカフェ)のモデルとなったお店、「Cafe Van Gogh」にてコーヒーを1杯



旅行記③で書いた、サント・マリー・ド・ラ・メールには、アルルからバスが出ています。小さな街なので、2、3時間あれば十分観光できます。着いたらお昼ご飯。



南仏と言えばブイヤベース。サントマリーも海に面しているので、魚介料理のお店が沢山ありました。夫は本場のブイヤベースを堪能していましたが、残念ながら私は貝類甲殻類がダメなので、ここのお店ではステーキしか選択肢がありませんでした。それにしてもこのすさまじい量…軽く日本の倍はありそうです

街の小さな教会。この地に流れてきた2人のマリアの死後礼拝堂が建てられ、信仰を集めるようになりました。ちなみにこの教会は、海賊やサラセン人の海からの攻撃に対処する要塞の役目も果たしていました。



教会地下聖堂。マリア・サロメの下女で、女主人と共にこの地で生涯を終えた黒人女性、サラの像が祀られています。サラはエジプト出身の黒人であったことから、フランス中のロマ(ジプシー、仏語ジタン)の守護聖人として信仰の対象となっています。





日本のお地蔵様のように、豪華な衣装を着せられていますね。



'09年に訪れた時は、丁度お祭りの時期で、2人のマリアとサラの像を担いで海へと行進する様子も見ることができました。民族衣装の女性たちも沢山いて、とても華やかな雰囲気でした。

教会南側の入り口から、階段を上って屋根に上がることもできます。階段はすれ違えないほど狭いので、入口と出口が別になっているようです。





屋根の上なので斜めになっていて歩きにくいです。しかも急斜面で怖い!!足を滑らせて怪我…なんてことにならずにほっとしました



しかし屋根の上からの眺めは最高です



地中海も見渡せます。帰りのバスまで時間があったので、この後砂浜にも降りてみました。



小さな街ですが、街中にはかわいらしいカフェやレストラン、プロヴァンスのお土産物屋さんもひしめいています。プロヴァンス陶器や石鹸などをお土産としてここで一気に買いました。

しかしこの日は荷物が重かった南仏が大好きなのでまたいつか巡りたいと思っていますが、さて、いつになることやら…。



新婚旅行記③サント・ボーム

2013-09-10 12:24:49 | 旅行
また少し間が空いてしまいましたが、新婚旅行記の続きです。

南仏にサント・マリー・ド・ラ・メールという小さな街があります。日本語で「海の聖マリアたち」の意味を持つこの街には、紀元40年ごろ、聖母マリアの妹マリア・ヤコベ、使徒ヤコブとヨハネの母マリア・サロメ、マグダラのマリアが他のキリスト教徒と共にこの地にやってきたという伝説があります。キリストの処刑後に、ユダヤ人たちによって帆も櫂もない船に乗せられて海に流され、ここへ流れ着いたのだそうで、この街の教会やアルルの博物館でその様を描いた絵を見ることができます。マリア・サロメとマリア・ヤコベはこの地に留まりましたが、マグダラのマリアはサント・ボームの洞窟へ行き、そこで余生を過ごしたとされています。

サント・マリーには'09年の留学中にも行ったのですが、サント・ボームにはどうやって行けば良いのかわからず行くことが叶いませんでした。一般的なガイドブックにはまず載っていませんし、ネットで行き方を調べても、車で行ったとか連れて行ってもらったというのが多く、マルセイユやエクスから麓の村までバスが出ているということはわかっても詳細は謎、ツアーがあるとかないとか埒が開かず…必要な情報だけを取り出すのにひと苦労する、これが私がインターネットでの調べものを苦手とする所以なのです。

しかし帰国後、偶然知人宅でキリストの弟子たちのその後を特集したナショナル・ジオグラフィックを目にし、そこへサント・ボームの記述があるのを見て、再び行きたい熱が湧き上がってきました。バスの乗り方とか、わからないことはもう現地で聞けばいいや!!と(笑)

というわけで3/19(火)、大冒険の幕開けです。まず、バスの乗り方を聞きにエクスの観光案内所へ行きました。朝、観光案内所が開く時間ジャストにです。サント・ボームへ行きたいという問い合わせはよくあるようで、すぐバスの時刻表を出してくれました…が!!

朝イチのバスはもう出てしまい、次のバスはお昼しかないことが判明せめて前日に観光案内所へ行けていればと思うも時既に遅し。泣く泣くタクシーでサント・ボームの麓の村、サン・マキシマンへと向かいました。

サン・マキシマンのバジリカ聖堂。ここにマグダラのマリアの頭蓋骨があります。



教会に隣接する市庁舎。この裏に観光案内所の入り口があります。



聖堂内部。



この階段を下りていった先で、マグダラのマリアに会えます。





これがマグダラのマリアの頭蓋骨。1200年代に発見されたそうです。保護ガラスが邪魔をしてよく見えませんが、教会の売店にリアルなポストカードがあります(笑)マグダラの聖日には、彼女の頭蓋骨を掲げて行進が行われるそうです。



観光案内所入口。ここで山登り用の地図などがもらえます。サンティアゴ巡礼中らしき、ホタテ貝を首からぶら下げたおじさんとすれ違いました。



桜かと思ったけど、近付いてみると実が。アーモンドでしょうか?



マグダラのマリアが晩年を過ごしたサント・ボーム山の麓まではタクシーを使うしかないようです。タクシー乗り場へやってきましたが、タクシーは一台も止まっていません。どうやら電話で呼び出さないと来てくれないようです。フランス語での電話が不安だったので、近くの雑貨屋さんの方に頼んでタクシーを呼んで頂きました。



タクシーの運転手さんは親切なマダムでした。麓へ向かう間ずっと英語でサント・ボームの説明をして下さいました。

麓到着。山の頂上に見える小さな建物が、「サン・ピロン」というチャペルです。



3時間半後くらいに麓へ迎えにきてもらうように約束をして、山登り開始。



しばらく平坦な道が続きます。



泉が湧いていました。ルルドのようにご利益があるかどうかはわかりませんが記念に持ち帰ってみました(笑)



だんだん上り坂になってきました。



かわいらしいクロッカスが咲いています。



先のナショナルジオグラフィックには「冬の厳しさは格別で、洞窟まで登ってくる人はほとんどいない」と書いてあったので、3月も寒いだろうと覚悟してそれ相応の服装で行きましたが…暑い!!半袖でも良いとまではいかないかもしれませんが、途中で耐えきれなくなってダウンジャケットを脱ぎました。ちなみにこの翌日に訪れたサント・マリー・ド・ラ・メールも同様に暑く、拍子抜けしてしまいました。寒い時期にしか旅行の時間が取れないなら、南の方がおススメかもしれません。

頂上到着!!



石造りの質素なチャペルの中には、マグダラのマリアの像が。



頂上から、先ほどタクシーで降ろしてもらった辺りが見えます。随分高いところまで来たものです。



現在は洞窟だけを目的に訪問する人は少ないようです。むしろその自然環境の素晴らしさからでしょう、頂上には遠足らしき小学生たちや、ハイキングの方々が大勢いました。確かに、ちょっとした運動にも良い山だと思います。



マグダラのマリアが住んでいた洞窟を探して、岩肌とちょぼちょぼとした高山植物の続く道をしばらく迷子になる



しかしいつまでたっても洞窟が見当たらないのでこれは違うぞと引き返し、ハイキング中の方々に道を聞いたところ、何と洞窟の近くまで連れて行ってくださいました。留学中にもそう感じましたが、フランス人は親切にする時はとことん!!親切にしてくれる人が多い気がします。

先ほどの泉の近くに「GROTTE」という矢印を発見しました。もっと目立つようにしてくれればいいのに……。



洞窟へと続く階段。緑色の十字架が何本も立っています。



入口にはゴルゴダの丘が再現されています。





何と、全部全休符!!このセンスには脱帽です……





ちなみに私たちが着いた時、聖堂周辺には誰もいませんでした。やはり巡礼目的で来る人は少ないのでしょうね。



聖堂内は洞窟になっていて、神秘的な雰囲気に満ちていました。また、マグダラのマリアの生涯を描いたステンドグラスがありました。この次にまとめて写真をアップします。

中央祭壇。



瞑想するマグダラのマリア。視線の先には星が…一体何を象徴しているのでしょうか?





階段を下りて行った先にはまたしても泉が湧いていました。これも何の象徴なのか気になるところです。



暗くて見えづらいですが…。



フランスにはこのような興味深い伝説や奇跡譚のある地が、他にも沢山あります。それらが本当であるかどうかはともかく、そういった地が人々の心の癒しに繋がっていることは間違いないことだと思います。旅の間親切な方々にも巡り合え、心温まる思いでバス停に到着し、エクスへ戻るバスへと乗り込みました

体験教室・本番!

2013-09-09 23:15:31 | 体験教室
ついに体験教室本番の日がやってきました。

赤系、青系、緑系の3種類のりんごを用意しました。小さなガラスも決して無駄にはなりません。



水彩教室の先生が大きな座卓と下敷き用の板など必要な道具を用意してくださり感謝でした。
お一人だけ体験教室経験者がおられましたが、後は皆さんステンドグラスは初めて、ハンダごてを握るのも初めてという方ばかりです。



体験内容ではやはり皆さん、ホイル巻きとハンダづけに苦労されたようです。練習は1対1でしたが、人数が多くなったこともあって、こちらも美しく仕上げるためのポイントをしっかり伝えることができていなかったと反省しています。道具の数やスペースの都合、教える人間の都合により、今後も体験は多くても一度に5人までが限界かなと思いました。

それと、私を含めて6人の人数に対しハンダごてが4つしかなく、狭い中で貸し借りの度に半田ごてがあちこちを飛び交うのはヒヤヒヤしました。幸い火傷などした方はいませんでしたが、今後の反省点です。

しかし初めての体験に苦労しつつも皆さん無事に作品を完成させることができ、ほっと胸を撫で下ろしました。

最後は窓に全員の作品を吊るして楽しみました



意外にも本当の「青」りんごが好評でした。見る角度によっても印象が変わってきます。



今回の体験を通し私自身も、貴重な気付きがいくつもあり感謝でした。今までずっと、人に教えることには消極的だった私ですが、今後も希望があればこのような体験教室を開催してもいいかなと思っています。


体験教室・練習

2013-09-09 22:51:51 | 体験教室
週に一度通っている水彩画の教室で、ステンドグラスの体験教室をすることになりました。

と言っても、今までは場所がなかったことや自分の制作だけで精一杯だったこと、さらには自分の性格もあって、実は人にステンドグラスを教えるのはこれが初めてなのです。

いきなり本番を迎えるのは心配なので、事前にうちの夫を生徒役にし、体験教室の練習をしました。

体験で使用する材料、道具類。



モチーフはそろそろ秋なのでりんごにしましたガラスカット、ルーターかけまではこちらでやって、コパ―ホイルを巻くところから始めてもらいます。最初の山です。表も裏も均等に、どちらかに偏ったりしないように、いつもテープの真ん中にガラスが乗るようにすることがポイントでしょうね。





ホイルを巻き終えたガラスをビニールテープで仮止め。



フラックスを塗ります。



いよいよ第二の山、ハンダづけ私は普段、立体作品には50%のハンダを使い点付けすることが多いのですが、初めての方には60%のハンダで、最後までテープからハンダごてを離さないようにしてスーッと引いていくやり方のほうがやりやすいような気がしました。また、特に周辺のハンダ付けに苦労するようです。こういう場合はそれこそりんごの皮を剥く時のように、包丁(ハンダごて)ではなくりんごの方を動かしながらハンダを盛っていくわけですね。



洗剤で作品を水洗いし、フラックスを洗い流します。



ブラックパティーナで着色。



軽く水洗いして汚れをふき取り、完成!!



こういうふうに人に教える、ということをしてみると、自分も改めて基礎的なことを問われるものだということを痛感しました。いい勉強になりました