Vers la lumière 光ある方へ・・・

AtelierGrace発、ステンドグラスと教会のブログ。

どんぐりと山猫(F4サイズ)

2024-10-24 10:41:51 | パネル
すきとおった風がざあっと吹くと、栗の木はばらばらと実をおとしました。一郎は栗の木をみあげて、「栗の木、栗の木、やまねこがここを通らなかったかい。」とききました。栗の木はちょっとしずかになって、「やまねこなら、けさはやく、馬車でひがしの方へ飛んで行きましたよ。」と答えました。
「東ならぼくのいく方だねえ、おかしいな、とにかくもっといってみよう。栗の木ありがとう。」
 栗の木はだまってまた実をばらばらとおとしました。
(宮沢賢治「どんぐりと山猫」)



「どんぐりと山猫」、9月に作ったものより大きいF4サイズです。普段よりちょっと大きめで時間がかかりました。何年も思い描いていたものをやっと形にすることができました。

少し前の話になりますが、この作品を作るために9/7(土)、大迫の山歩きツアーに参加しました。前年の同時期も同じツアーに参加したのですが、その時は朝から雨で、一番見たかった笛貫の滝には行くことができませんでした。1年越しでしたが、今度は笛貫の滝に行けて本当に良かったです



  

「どんぐりと山猫」に登場する「笛ふきの滝」のモデルとされる、笛貫の滝。看板はありますがまさに道なき道!?自力ではとても辿り着けそうにありません…ガイドさんについて、「もののけ姫」の舞台みたいな場所をひたすら歩きました。所々、歩きやすいように石や木が投げ込んでありますが、「歩く時は必ず石か木の上を歩くように」と言われました。さもないと泥の中に足がずぼっ!…そんな場所です。こんな山深い場所を子どもがたった一人で…今の時代では信じられないですね



思いがけず、きのこの楽隊にも出会いました!今度はこれだけでも作品になりそう…。岩手の自然はインスピレーションの宝庫です




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どんぐりと山猫(正方形)

2024-10-16 16:37:30 | パネル
このなかで、いちばんえらくなくて、ばかで、めちゃくちゃで、てんでなっていなくて、あたまのつぶれたようなやつが、いちばんえらいのだ。(宮沢賢治「どんぐりと山猫」)



2年ほど前から作りたいと思っていた「どんぐりと山猫」がやっと形になりました。現在もっと大きなサイズも制作中です。

山猫のモデルは我が家の次男坊、ジャンくん。今度は目をナギットではなく絵付けで描いて、毛並みも1本1本描きました。同じモチーフでも少しずつ進化しているのです。

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赤衣の童子

2024-10-16 16:31:27 | パネル
「そら、これでしょう。」すぐ眼の前で、可愛い子どもの声がした。象が頭を上げて見ると、赤い着物の童子が立って、硯と紙を捧げていた。(宮沢賢治「オツベルと象」)



賢治さんの命日にはイギリス海岸へ出かけるのがここ数年の我が家の恒例になっていますが、今年は朝から大雨で断念。代わりに新作を仕上げました。「オツベルと象」に登場する、赤い着物の童子です。

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同じ山口なる旧家にて

2024-10-16 16:11:50 | パネル
同じ山口なる旧家にて山口孫左衛門という家には、童女の神二人いませりということを久しく言い伝えたりしが、或る年同じ村の何某という男、町より帰るとて留場の橋のほとりにて見馴れざる二人のよき娘に逢えり。物思わしき様子にて此方へ来たる。お前たちはどこから来たと問えば、おら山口の孫左衛門がところからきたと答う。(柳田國男「遠野物語」)



初!遠野物語。わらしちゃん達の着物には桜と梅の模様を彫っています。我ながらお気に入り
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マグダラのマリア

2024-08-26 18:59:56 | パネル
さて、イエスがベタニアで重い皮膚病の人シモンの家におられたとき、一人の女が、極めて高価な香油の入った石膏の壺を持って近寄り、食事の席に着いておられるイエスの頭に香油を注ぎかけた。
(マタイによる福音書26章6、7節)

ひそかに取り出す 香油の瓶
私の誇り たからもの
殻をこわし 主にささげよう
持てるものすべて
(アイオナ共同体賛美歌集 みんなで輝く日が来る)

 

マグダラのマリア、完成。古典作品の模写は以前やったことがありますが、今回はオリジナル。前作の洗礼者ヨハネと共に、良い作品になったと思います。ちなみにマグダラのマリアの祝日は7/22なので、今年は間に合いませんでした。来年はこれを飾ってお祝いします。

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