Vers la lumière 光ある方へ・・・

AtelierGrace発、ステンドグラスと教会のブログ。

貝の火(ステンドグラスとお花)

2024-06-28 11:55:01 | お花
子兎のホモイは、悦んでぴんぴん踊りながら申しました。
「ふん、いいにおいだなあ。うまいぞ、うまいぞ、鈴蘭なんかまるでパリパリだ」
風が来たので鈴蘭は、葉や花を互いにぶっつけて、しゃりんしゃりんと鳴りました。
                (宮沢賢治「貝の火」)



昨年の正月頃干支にの兎に合わせて作った、宮沢賢治の「貝の火」をイメージしたステンドグラス。作中に登場するスズランが5月の初めに咲いたので、ステンドグラスの兎と一緒にしてみました。スズランは丈が低いのでなかなか生け花の花材として使われることはないかもしれませんが、いっぱい集めてマッス(塊)にしてみました。もうドライフラワーになってしまった兎のしっぽも一緒に。庭のワイルドストロベリーも白い花を咲かせていたので、百合などと一緒に活けてみました。

…ところで、「貝の火」には、兎たちがスズランの実を食料にしている描写があります。スズランは有毒らしいけど大丈夫⁉

水仙月の四日(お花)

2024-05-11 19:36:31 | お花
しばらく年に一度だけになっていたお花ですが、今年から定期的に活ける機会を与えられ感謝です。今年は暖かい日が多く、この日も外を歩くと汗ばむ程の陽気だったのですが、ちょっと冬に逆戻りして宮沢賢治「水仙月の四日」をイメージしたお花を。



「もういゝよ。」雪童子は子供の赤い毛布のはじが、ちらつと雪から出たのをみて叫びました。
「お父さんが来たよ。もう眼をおさまし。」雪わらすはうしろの丘にかけあがつて一本の雪けむりをたてながら叫びました。子どもはちらつとうごいたやうでした。
                                                               (宮沢賢治「水仙月の四日」)

水仙とユキヤナギは教会員さんから頂きました。赤のラナンキュラスは、物語に登場する子供の、赤い毛布(けっと)のイメージです。

ざしきぼっこ&お花

2024-02-24 17:56:55 | お花
久々にお花のお稽古。花材はチューリップ、スイートピー、ユキヤナギで春らしく。

紙風船型のお花器は友人から貰い受けたものでお気に入りです(ちゃんと凹みまである)。こんな小さいので大丈夫かなと思ったけど、何と、買ったお花全部入った!これはこれで良いけど、ユキヤナギでもっと高さが出せたら良かったかもと言われました。なるほど…。



あと、ステンドとのコラボも是非とのことだったので、昨年の春先に作ったざしきぼっこちゃんと早速一緒にしてみました。室内が一気に春らしくなりました

市民芸術祭2021

2021-11-11 13:44:00 | お花
2021年の市民芸術祭が終わりました。今年は10月30日~11月1日の予定でしたが、衆議院選挙の関係で会場が変わって1週間延期になり、会期も2日間に(まぁ、締め切りが延びたということで…)。ご来場下さった皆様、どうもありがとうございました

 

季節は秋ですが、今年のお花は「春と修羅」の冒頭部分をイメージしてみました。以前合唱で「春と修羅」を歌ったことがあり、長い曲なので偏らないように「今日はこの部分」と決めて練習してはいたのですが、結局何年か経って覚えているのは一番最初の↓の部分だけだったりするんですよね…。


春と修羅
  (mental sketch modified)

心象のはいいろはがねから
あけびのつるはくもにからまり
のばらのやぶや腐植の湿地
いちめんのいちめんの諂曲模様
(正午の管楽よりもしげく
琥珀のかけらがそそぐとき)
いかりのにがさまた青さ
四月の気層のひかりの底を
唾し はぎしりゆききする
おれはひとりの修羅なのだ


雲竜柳で雲と、雲にからまったあけびの蔓、オレンジのバラで琥珀、オンシジウムとデルフィニウムで光を表し、作中に登場するノバラも入れてみました。お花器も雲っぽい形状のものを選んでみました。本当はノバラの実が雲竜柳の間から覗くようにしたかったのですが、実際手元に来たのが1本で、しかも枝が横向きについていたのでこんな形状になりました。事前にこう活けたいとイメージ図を描いたりしていても、実際のお花を見て臨機応変に変えなければならないこともありますが、逆にそこから思いもよらない面白いものができあがることもあります。また、最初は黄色が強いように思ったのですが、オレンジのバラが1日たって開いてきて、黄色の強さが気にならなくなりました。花もまた生き物であることを実感しました。



会場の真ん前にある、ぎんどろ公園の鮮やかな紅葉。もうすぐ冬ですね

お花「十力の金剛石」

2020-12-16 10:52:32 | お花
今やほぼ年に1度になっているお花(笑)今年の市民芸術祭は宮沢賢治の「十力の金剛石」をイメージして花材を選んでみました。



花材はレインボーローズ、ノイバラ、りんどう、カスミソウ、オンシジウム、モンステラ。レインボーローズは近所の花屋でお取り寄せしてもらいました。買った時はちょっと元気ない感じだったんですが、家でバケツに入れたらだんだんシャキッとしてきました。ノイバラとリンドウは作中に出てきます。ウメバチソウは無理なのでカスミソウで代用し、彩りにオンシジウムを。2羽のはちすずめも一緒です昨年は花器選びで失敗してしまったなぁと思いましたが、今年はちゃんと奥行きも出せたかなと