Vers la lumière 光ある方へ・・・

AtelierGrace発、ステンドグラスと教会のブログ。

ウェルカムボード、復活!

2022-11-08 16:11:58 | パネル


2012年に自分の結婚式用に作ったウェルカムボード。シャガールの「雅歌」へのオマージュ作品でしたが、数年前の留守中に何事かがあったようで、帰宅したら落下&破損していた…とっさに猫?と思ったけど、いや、現場を見ていないのに猫のせいにするのは良くないぞ。地震かも??結局真相は不明

まぁ、割れた部分がちょうど元からあまり気に入っていなかったのでこれも修復の勉強だと思うことにしました。何より割れたのが人物部分じゃなくて不幸中の幸いだったかも

解体作業は思っていたより大変でした。ガラスが動かないように鉛桟の隙間にパテを詰めているので、そのがっちり固まったパテのせいでなかなかガラスが取り外せない…でもなるほど、だからこうやってパテ詰めをするわけね、と一人で納得したりして結局右側の無事な部分はそのまま再利用することにしました。普段やっている工程の逆を辿ることも、いい勉強になりますね。



割れた部分のガラスを新しく切り出して絵付けし直しました。結婚式から10年経っているので、フランス語も違う文章に変えました。もう一度慎重に組み立て直してめでたく復活!nan何年もの胸の痞えがやっと取れました…でも実はこれよりはるかに大変な修復待ち自作パネルがもう1枚あるのだ。それはまたいずれ…




モザイクフォトフレーム・オレンジ系

2022-11-08 15:57:42 | コパー作品
11月に入り、紅葉真っ盛りです。5日には3年ぶりに教会バザーを開催することができました。デジカメのSDカードが不調でカメラで写真が撮れなかったのですが、会場で開催したステンドグラス体験は3名が参加して下さり、内お一人はリピーター!楽しんでくださったようで感謝です。今後2回目以降の方のために、新しい体験キットも用意したいと思います。

 

10月の土澤には間に合いませんでしたが紅葉をイメージしたモザイクフォトフレームを作りました。写真で伝わらないのが残念ですが、光が当たるとレモンイエローのガラスがホントにキラッキラに!!輝きます思わぬ効果に自分でもびっくり…。



黄色の葉っぱも新たに作りました

丸パネル「黒ぶだう」

2022-11-08 15:33:03 | パネル
「この牛の仔にリボン結んでやるわ。」
伯爵の二番目の女の子がかくしから黄いろのリボンを出しながら云ひました。
                  宮沢賢治「黒ぶだう」(生前未発表作品)



「二人展~ひかりのいずみ~vol.2」の開催も間近になってきました。作品は一通り揃ったのでとりあえず一安心ですが、細かいことが多分まだ色々出てくるかも…。

二人展の会場・菊池捍(まもる)邸は、宮沢賢治の生前未発表作品「黒ぶだう」に登場するお屋敷のモデルとされています。その「黒ぶだう」のパネルを今回の展示のために制作しました。仔牛と狐が侯爵のお屋敷に忍び込み、テーブルの上にあったぶどうを食べているところを侯爵たちに見つかってしまうものの、狐は逃げおおせ、仔牛は伯爵の娘に黄色いリボンを結んでもらう・・・というお話です。何だか子どもの頃の、ちょっとした悪さをして大人に見つかってしまったけど、大して叱られなくてホッとした…みたいな心理を思い出してしまいます。物語はリボンを取り出すところで終わっていますが、そのちょっと先の場面を想像して丸パネルにしてみました。周囲のボーダーはぶどうの色、女の子の帽子についているぶどうは自家製ガラス粒です。仔牛はホルスタインだとステンドグラスにするのが難しいのでジャージーにしてしまいましたが、ホルスタインもかわいいですよね。

一応もう一度、二人展の情報を掲載しておきますね。

二人展~ひかりのいずみ~vol.2

日時:2022年11月13日(日)~20日(日) 10:00~16:00 会期中無休
場所:旧菊池捍邸 書斎(和室) 花巻市御田屋町2-9
入場無料(ステンドグラス、ポストカード等の物販あり)
※会場には駐車スペースがほとんどないため、申し訳ありませんがお車の方は近隣の有料駐車場をお使いください。

皆様のお越しをお待ちしております

風の又三郎

2022-11-08 15:23:46 | パネル
どっどどどどうど どどうど どどう
青いくるみも吹きとばせ
すっぱいかりんもふきとばせ
どっどどどどうど どどうど どどう
                (宮沢賢治『風の又三郎』)

 

10月の前半に絵付けしていた「風の又三郎」の丸パネル。何年も前から何となくこういうイメージはあって何枚かラフスケッチを描いていましたが、結局横顔にしました。種山高原へ行った直後に完成し、今年の市民芸術祭(10/29~31)にも出品しました。芸術祭を見に来て下さった方々、どうもありがとうございました


種山高原

2022-11-08 14:30:21 | お出かけ
10/20(木)、賢治さんが愛した種山高原へ行ってきました。今年でもう3回目、去年の記事はこちらです。
種山高原 - Vers la lumière 光ある方へ・・・

種山高原 - Vers la lumière 光ある方へ・・・

10月中旬、今年も賢治さんが愛した種山高原へ行ってきました。実は去年の同時期に初めて訪れたのですが、デジカメのSDカードが不調でせっかく撮った写真のデータが全部消え...

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種山高原へ向かう途中、いきなり前を走っていたトラックが止まったので何だと思ったら、何とニホンカモシカ!しかも仲良く2頭!あまりにかわいいので車を降りて写真撮ろうとしたら逃げちゃった特別天然記念物ですが岩手県では結構目撃されているようで、私も遭遇するのは2度目。いつかカモシカのステンドグラス作りたいな~。あのもさもさな毛並みを絵付けで再現したい



今年は行きがけに、昨年偶然通りかかって興味が沸いた、人首(ひとかべ、現奥州市江刺区米里)の街を散策することにしました。若き日の賢治さんが2度、訪れたことがあるそうです。



↑賢治さんが投宿した菊慶旅館。



↑親友・保阪嘉内に葉書を出した郵便局跡。奥の細道よろしく、賢治さんが歩いた場所はどこでも聖地になってしまうからすごい。



↑石段を上ると神社があって、賢治さんの「人首町」の詩碑がありました。



↑ハリストス正教会跡。かつてこの地には教会が2つもあって、賑わっていたんだろうなぁ…。



↑人首番所跡。

  

↑カトリック教会跡。



↑人首城跡。ちなみに人首散策中、にゃんこを3匹も見た

 

人首の街を出てしばらく車を走らせると、古い木造校舎があります。ここも去年通りかかったものの、よく見ないで通り過ぎてしまった場所でした。1957年のモノクロ映画「風の又三郎」のロケ地になった、木細工分教場跡です。Twitterに載せたら思いがけず沢山の反響を頂いて驚きました。



又三郎の映画は大学の時、宮沢賢治の「春と修羅」を読む授業で部分的に見たのが印象に残っていて、最近図書館で借りてきてもう一度見ました。今はもう机や椅子はないけど、この窓!残念ながら中には入れないようですが、本当に又三郎が席に着いていそうじゃないですか!?



種山高原到着。



賢治さんの短歌「わがうるはしき/ドイツとうひは/とり行きて/ケンタウル祭の聖木とせん」ドイツトウヒの木と嬉しい再会です。今年も来たよ~



物見山に登りました。今年はトレッキングシューズも買って…。晴れていたけど風が強い!「風の又三郎」の物語がこの辺りで生まれたと言うのもよくわかる気がしました。

    

3回目ともなると、もうどこに何が咲いているのか覚えています。今年はリンドウは少なめだったけれど、代わりにウメバチソウがいくつも見つかりました。もう寒くなって来たけど、この時期までよく生き延びたね

 

詩碑までの道も素敵です



↑道の駅種山ヶ原にある賢治詩碑。

岩手で暮らすようになってから、賢治さんの作品を読んで、ゆかりの地を巡ることが楽しみになりました。まるで賢治さんが作品を通して、「イーハトーブにはこんな素敵な場所があるよ」ということを教えてくれているかのような気がします。