Vers la lumière 光ある方へ・・・

AtelierGrace発、ステンドグラスと教会のブログ。

豊橋・ステンドグラス取り付け

2021-04-05 11:11:14 | 教会巡り
受難週の最中でしたが3月29日、我が家の車にステンドグラス4枚を積んで、豊橋へ向かいました。長距離運転は大変ですが60×60cm×4枚を一人で持って公共交通機関で移動するのは難しいことと(飛行機だと手荷物で持ち込めないかと)、新型コロナの心配もあったため、エアキャップとベニヤ板でパネルをしっかり梱包し、万が一急ブレーキを踏んでも倒れないよう大量の座布団で固定して…この1年、実に私も連れ合いも岩手県を一歩も出なかったので(!)久々の遠出でした🚗💨

コロナについては緊急事態宣言が解除されたとはいえまだまだ予断を許さない状況なので、道中の飲み物やおやつも花巻で予め買っておいてSAはトイレのみ使用、食事は車内で、宿でも2食付きにして外食しないようにし、アルコールを見かけたら即消毒!!途中で寄りたい場所、会いたい人も沢山でしたが、今回は全て我慢我慢…ほぼ車の窓から春の景色を楽しむだけの旅になりました。全国的に感染者数が増えているにも関わらず、人の移動の多い時期だからかSAはどこも混んでいて怖かったですが…

 

初めての首都高運転も無事守られ、1日目は御殿場のYMCA東山荘に宿泊。2日目のお昼前、取付先の幼稚園へ到着しました。花巻から豊橋まで破損せずに運べるか心配でしたが、着いてみたら全部無事でした

 

設置場所は2階へ上がる階段の踊り場部分。今までは手の届くくらいか、せいぜい梯子で何とかなるくらいの場所ばかりで、高所作業車を使っての取り付けは今回初!サイズが合うかどうか、ちゃんと窓にはまるかどうか(万一はまらなかった場合、その場で微調整をしなくてはならないので)心配でしたが、4枚とも無事に窓に入ってホッとしました取り付けをご自分でされる作家さんもいますが、私はいつも業者さんにお任せで立ち合いのみしています。今回も見守るだけではありましたが、ジャンルは違えど職人さんが手を動かして何かが出来上がっていくのを見るのはとてもわくわくします

   

 

無事に取り付け作業が終了!外側と内側から強化ガラスが入っているので安心です。

天候や季節、時間帯によってガラスの色合いが変化していくところ、また、外の木々などの風景も映り込んで作品の一部になることがステンドグラスの面白さだと思います。窓へ取り付けるパネルの依頼は年に1度あるかないか位ですが、まさに「神の見えざる手」と言うべきものなのか、毎回毎回作り手の意図や予想を超えることが必ず起こります。勿論「もっとこうすれば良かった」ということは沢山あるのですが、それを補って余りある力が働くのを毎回必ず感じます。だから面白くてまた作り続けられるのかもしれません。

お仕事以外はなるべく人と会わないように、寄り道しないように気をつけていましたが、業者さんの昼休憩中に、国重要文化財の豊橋ハリストス正教会を見に行きました…が、まさかの修復工事中どんな建物なのかまっっっったく見えなかった〜。次回のお楽しみにします

2日目も御殿場の東山荘にお世話になりました。朝食後、周辺をお散歩。目の前にどーんと富士山が!敷地内に「黙想館」という小さなチャペルがあり、思いがけず教会巡り

  

   

私は東山荘2回目だったのですが、黙想館へは初めて入りました。連れ合いは5回くらい来ているのに初めてだったらしい。ごくごく小さい建物だけどリードオルガンもあり、窓にはダルが入ってる!しかも正面に十字架と富士山!一目で気に入ってしまいました…こういう小っちゃいチャペル作るとか、いつか携わってみたいなぁ

 

東山湖。ここからの富士山の眺めも◎。岩手を出てきた時はまだ桜は咲いていなかったのですがこちらは満開。大仕事を終えた実感がじわじわ湧いてきました

そしてまた岩手までひたすら移動、移動…色々と心配の多い旅ではありましたが、体調を崩すこともなく無事に帰宅することができました。打ち合わせから取り付けまで、本当に楽しいお仕事をさせて頂いてありがとうございました!感謝! 


2019夏期休暇(石巻)

2019-11-18 13:30:02 | 教会巡り
9/14~16と、夏期休暇で石巻・仙台を訪れました。1日目は猫島として有名な、石巻市の田代島へ。ずっと行ってみたかったんですが、今回やっと念願叶いました!

車で船着き場まで行き、フェリーに乗りました。船から旧石巻ハリストス正教会が見えました!東日本大震災で被災するも奇跡的に残った建物で、震災のあった年にボランティアで石巻へ伺った時に一度、その後花巻に来てからも一度、傷付いた姿を見ていたのですが、今回このように美しく修復された姿を見ることができてとても嬉しく思いました。教会の向かいは石ノ森萬画館。



40分くらい船に揺られ、田代島到着。着くなり猫!荷物を預けてしばらくのんびりと島内を散策しましたが山間部にも猫!

  

  



特に、「島のえき」前は生まれたばかりの子猫がいっぱい!うっかりすると踏んづけてしまいそうで怖いほど



島中央にある「猫神社」。田代島では猫が大漁の守護神として大事にされており、島内は犬の持ち込みは禁止だそうです。

そういえば私、猫好きなのに意外と猫モノは作ってないかも…今後考えていかないとね

この日は帰りの時間を気にしなくてもいいよう、島内に宿泊しました。普段内陸に住んでいるのであまり食べられないような新鮮な魚介も堪能できて(しかも夕朝と!)大満足

日曜朝一の便で石巻へ。少し時間があったので、旧石巻ハリストス正教会を見学しました。現在はセレモニーは行われておらず、市の所有する文化財となっています。

 

1880(明治13)年に建てられた教会堂は、現存する木造教会最古のもの。1978(昭和53)年の宮城県沖地震、そして2011年の東日本大震災で二度も大きな被害を受けましたが、東日本大震災後の復元は2017年に始まり、翌年竣工したそうです。案内の方がいらして、色々と教えて下さいました。今はセレモニーの場ではないので撮影、SNSもOKだそうです。



入ってすぐ、ぶどうの美しいレリーフが目を惹きます。



1階は神父の住居と集会室、2階が礼拝堂になっています。1階は畳敷きで和洋折衷です。階段が結構急で怖い

 

2階祭壇。この奥が「至聖所」になっています。自由に見学してOKなんですが、ここは本来であれば聖職者と、その補助者の男性しか入ることを許されない場所なので、何だか不思議で畏れ多い気分です(笑)

 

 
 
日本初の女流イコン画家・山下りん作のイコン。今年は山下りんの没後80年にあたるそうですが、彼女の生まれ故郷である笠間への旅は、残念ながら今年の内には難しそうです…。



祭壇両脇は祭具室になっています。左右とも同じ作りです。ここも本来なら自由に出入りできなそう…



いい感じの青空



↑こちらは現在セレモニーの行われている、石巻ハリストス正教会。外観のみ見学させて頂きました。

この日は日曜だったので、日本基督教団・石巻山城町教会の礼拝に出席しました。





ステンドグラスは石巻の作家さんの手によるものだそうです



リードオルガンはヤマノ。大正時代のものだそうです。機会があったら弾いてみたい!

そして午後からは仙台市内の教会で行われたヒム・フェスティバルに参加。翌日は同じく仙台市内で賛美歌学会に出席させて頂きました思えば今回の休暇で訪ねた教会は…何と5つ!!






札幌・小樽旅

2019-01-17 13:23:42 | 教会巡り
年明け早々1/14、15と、教団北海教区の年頭修養会にお誘い頂き、連れ合いと行ってきました。私は高校の時に家族で来て以来、久しぶりの北海道

折角なので修養会終了後、ガラスの街・小樽へ。札幌から小樽までは電車で30分ほどで行けます。

お昼過ぎに着いて即、小樽芸術村ステンドグラス美術館へ(昼食抜き!)。翌16日は休館日だったので、危なかった~!これで日本のステンドグラス美術館はほぼ制覇したかな?



小樽ステンドグラス美術館は2016年にオープン。19世紀後半から20世紀初頭にかけてイギリスで制作され、教会の窓を飾っていたステンドグラスが収められています。フラッシュを使わなければ撮影もOKでした。ただ、あまり撮影に熱中してしまうとシャッター音が自分でも気になってしまうのと、実物を見るのが疎かになってしまうので写真はガイドブックに頼ることにして(後程じっくり読みます)、印象に残ったもののみご紹介します。



ポルタティーヴ(持ち運び可能な小型オルガン)を持つ天使。日頃教会で奏楽奉仕をしているので、オルガンを弾く聖セシリアや天使のステンドグラスを見つけると嬉しくなりますそしてこんな小型オルガン、欲しいかも…。



 

福音書記者ヨハネと大天使ミカエル。2枚の絵柄がつながって対になっています。我が愛猫(ミシェル、ジャン)たちがセットというのが何とも嬉しく勝手な推測ですが、この2人がセットな理由は黙示録つながり…?

この後、時間が30分しかないので迷いましたが、思い切って隣の似鳥美術館へ。1階のルイス・C・ティファニーステンドグラスギャラリーは昨年11月にグランドオープンしたばかりで、街中のあちこちでポスターを見かけました。せめてこれだけでも見たくて…。

結果、駆け足でも見て良かった!今までティファニーというとランプのイメージが大きかったのですが、今回大きなパネルを沢山間近で見て、まず圧倒されました。昔パリで一度、ティファニーの大規模な展示会を見たことがありますが、言葉がわからないのでただモノを見ただけでしたしかし今回、詳細な解説によりガラスの選び方で服や天使の羽の雰囲気を出すのみならず、さらにガラスを何枚も重ね合わせて組むことで遠近感を出していること、人物の顔や手の絵付けも、複数の絵付けを施したガラスを重ねて複雑、神秘的な雰囲気を出していることなど、初めて知ったことが多く勉強になりました。ティファニーだけじっくり見ようと思ったけど時間がまだ少しだけあったのでアール・ヌーヴォーのコーナーも見て、絵画のコーナーは超駆け足で、彫刻は見れず…機会があればまた



ホテルに荷物を置いて、お店が閉まり始める18時ごろまで散策。

翌日は北一硝子その他、周辺のお店を見て回りました。器やガラス細工だけでなく、ステンドグラスの商品も沢山ありましたが、どれも綺麗に、丁寧に作られているなと思いました。時間があれば、工房の見学もしたかった…。

そして、駅を挟んで運河と反対側にある、カトリック小樽教会富岡聖堂へ。途中坂道で、凍ってて大変

 

着いた時には雪は止み、青空が広がっていて良い写真が撮れました。雪がよく似合いますね上の方でイエス様が両手を広げて迎えてくれています。



教会は1929年の建築で、小樽市指定歴史的建造物となっています。



玄関左手にある、ルルドのマリア様。



階段を上がって2階が聖堂になっています。入ってみたら、これからご葬儀があるようでした。



シンプルな色ガラスの窓が、聖堂の白い壁に良く映えています。聖堂後方には、信徒の方の作でしょうか。絵付けのステンドグラスパネルも吊り下げられていました。

電車の時間に押されてあまり長居できず残念でしたが、感謝の内に教会を後にしました。教会が、これからもこの地で愛されてゆきますように…。








盛岡市内教会巡りツアー

2018-08-25 18:06:18 | 教会巡り
7/30~8/1と、奥羽教区全体修養会が行われました。2日目のオプショナルツアーで、何と盛岡市内の教会を巡るツアーが…勿論参加しないはずがなく(笑)今回お訪ねした4軒の内3軒は初めてです。そういえば最近、あんまり教会巡りってしてなかったかも

1軒目はカトリック四ツ家教会。モダンな造りの現聖堂は1978年(昭和53年)に建てられたもので、旧聖堂は盛岡大学附属高校へ移築、保存されています。

 

聖堂内もすっきりと洗練されています。

  

 

密かに楽しみにしていたのがこのステンドグラス。図柄は「使徒信条」の内容を表したもので、スイスの職人さんが造ったそうです。こういう色遣い、好きだな~。特に4枚目右下のお魚がかわいい



聖母子像は舟越保武の姪、欠畑美奈子氏の作。

2軒目は四ツ家教会から歩いてすぐの日本キリスト教団 内丸教会。ここはいつもお世話になっておりますm(_ _)m



内丸教会は花巻教会と同じく、バプテストの伝統を持つ教会です。中央のカーテンの奥に、洗礼槽があります。



2階にはパイプオルガン



パイプオルガンも良いのですが私が密かに猛烈に好きなのがエスティ―のリードオルガン宣教師さんが持ってきたもので、あの宮沢賢治さんも聴いたとか(何せ、燭台がついてるほど古い!)。これで「主よみもとに」なんか弾いたらもう…

3軒目は盛岡聖公会。これぞ聖公会!って感じの教会です。カーテンや絨毯の赤が良く映えます

 

 

↑シンプルなロゾンジュの窓もいいですね。

最後は、盛岡ハリストス正教会。



内部撮影不可だったので、中の様子をお伝えできないのが残念ですが、とにかくその美しさ、荘厳さにただただ圧倒されました。イコンの中には山下りん作のものが10点ほどあります。

今年はかつてない猛暑の夏。この日もとにかく暑い1日でしたが、最後までツアー参加者の安全が守られ感謝でした。企画して下さった方々と、見学を受け入れて下さった各教会の方々に心から感謝します

白河市3教会

2018-03-27 09:45:38 | 教会巡り
3/13、14と白河・那須を訪れました。1日目、白河市内で3つの教会に立ち寄りました。

白河正教会。福島で最も古い歴史を持ち、県の重要文化財に指定されています。内部には山下りん作のイコンも収められているそうです。

 

カトリック白河教会。手持ちの写真集『古教会への誘い』に載っていたのと違う…?と思ったら、2011年の東日本大震災で被災し、その後新築したようです。



日本キリスト教団・白河教会。プロテスタントの教会ですが、グリザイユ絵付けの施された立派なステンドグラスが収められています。



 

左下にOHTAKE STUDIOSとあるのですが、東京の老舗工房、大竹ステンドグラスでしょうか?

この日は那須泊、2日目は那須ステンドグラス美術館を訪れました。今回でもう4回目、那須へ来るとどうしても訪れたくなる場所です。運良く、パイプオルガンの演奏を二度、聞くことができました。



お天気にも恵まれ、良い春休みでした