シキミは現在はシキミ科の植物ですが、かつては モクレン科に含まれていたそうです。(大阪百樹 「シキミ」)
学名: Illicium anisatum L.
学名の最後の L. は リンネが命名した、という意味で、
属名 Illicium は illicio(引き寄せる,誘惑する)に由来し、芳香を有すること。モクレン科 (学名解説)
また 種小名の anisatum は (薬草、香辛料の)アニス に由来するそうです (大阪百樹 「シキミ」)
多数のおしべがらせん形に配列しているところは似ていますが、モクレン科ではめしべもたくさんあってらせん配列するのに対し、シキミでは、通常8つのめしべがお互いにくっついて輪状に配列しているところが違います。 (大阪百樹 「シキミ」)
少数のものが合着しているものより、多数のものがバラバラにらせん配列する方が原始的だとされていますので、シキミのほうがモクレンの仲間より進化したグループと言えます。(同上)
シキミの花では花弁、萼、苞葉の形の変化が連続的で、お互いはっきり区別できないのもこの植物の一つの特徴です。(同上)
実は、学名には、リンネが命名したIllicium anisatum L. 以外にもあるそうです。
シーボルトが命名したIllicium religiosum Sieb. et Zucc. というのがその一つで、 "religiosum"は 英語からの連想で分かるように「宗教的な」という意味。
昔は神事の「神花」として用いられ、京都では「火除け」として神棚に飾るなど「神花」の名残を残す「愛宕神社」などもあります。(緑の絵画館 : 私の植物図鑑 「シキミ」)
雌しべ8本と雄しべが多数ある。 (松江の花図鑑)
この花は 雄しべがたくさん脱落しています。
手前の花は 一本だけになっています。
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