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岡崎平野を中心とする 植物 と カメラの対話

ルドベキア - 舌状花のシベ

2023-06-14 17:37:33 | みんなの花図鑑

ルドベキアは もともと属名なので、上の花は 「ルドベキア・なんとか(たとえば ヒルタ)」というのかもしれませんが・・・
スマホの Google Lens で検索したら「オオハンゴンソウ属 Rudbeckia」を第一候補に挙げてきたので、「ルドベキア」とだけしておきます。



ルドベキアはキク科キク亜科の花です。
キク亜科の花は花の周囲の舌状花の集団と中心部で盛り上がった筒状花の集団で構成されています。

(同じキク科でも タンポポ亜科の頭状花序は舌状花だけで、アザミ亜科の花は筒状花だけで出来上がっています)
上の図によると、筒状花のシベと舌状花のシベ部分は作りがほぼ同じで舌状花にも雄しべがある(すなわち両性花) と書かれていますが、注意しなければならないのは いつの場合もそうとは限らない のです。





花の周囲の舌状花ですが、これは花弁の一枚だけが肥大化して出来たものです。花弁一枚で花(小花と言います)なのですから、シベがあるはずです。
上の画像を見ると、花弁の付け根に頭に花粉を載せたシベが立ち上がっています。これが舌状花のシベなのか?それとも筒状花のいちばん外側のシベなのか? ちょっと考えてみます。





その付近を拡大してみると上の画像のようになっています。
頭に花粉をのっけたシベは、中心の筒状花の盛り上がりの、さらに外側に伸びています。
すると、これは舌状花の雄しべなのでしょうか?
でも・・・よく見ると、それは舌状花と舌状花の間の隙間に伸びていますよね?!
舌状花のシベだとすると、それぞれの舌状花の付け根のところから伸びていないとおかしいです。



それに、舌状花のシベなら舌状花の小花の数だけ出ているはずです。上のように舌状花の枚数よりも多いのは理屈に合いません。




別のところで撮ったルドベキアです。
先ほどの頭に黄色い花粉をのっけた雄しべ筒と舌状花の肥大化した花弁との間に、別のシベが伸びています。これは何でしょう?




その部分の拡大図です。




雄しべ筒の手前にあるのはどうやら雄しべ筒から出てきためしべのようです。なぜなら・・・




同じ黒っぽい色なのでちょっとわかりづらいですが、筒状花には雄しべ筒を囲って花冠が付いていて、このヒツジの角のような器官はその花冠から姿を現しているように見えるからです。



筒状花の花たちは外輪から中央に向かって順に開花していきます。
後に立っている頭に黄色い花粉を載せた雄しべ筒が開花の第1段階で、手前の雌しべが伸びるのが第2段階のように見えます。いずれも筒状花であろうと想定しての推定です。




結局、ルドベキアの舌状花のシベがどんなものかは今回の観察では分かりませんでした。



【参考】ジニア

この花では、中心の筒状花が半分以上咲きあがっています。黄色い星の形をした部分が筒状花の開花直後の状態で 黄色いお星さまは花冠です。花冠の中からおしべが伸びて花粉を出しています。
その周囲に背の低い ひつじの角のような小花が出ていますが、これが雄しべ筒から出てきためしべ。
さらにその外側の荒れ地のような部分は筒状花の花後の状態です。
よくみると、舌状花の一枚の肥大化した花弁の付け根に やはり黄色いひつじの角のようなシベが出ていますが、実はこれが 舌状花のめしべ なのです。

舌状花のシベは雄しべ筒がありません。雌しべ単独です。


舌状花の雌しべがよく分かるのは スプーン咲き?のジニアです。
Yの字型の黄色いシベが 舌状花のめしべです。





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