アブリル - どこにでもあり、どこにもない

岡崎平野を中心とする 植物 と カメラの対話

ビワ - 6,000分の9

2022-02-19 06:00:04 | みんなの花図鑑
「みんなの花図鑑」投稿回数が いつの間にか 6,000回を超えてました!
前回 「ツワブキ - ぼんぼり綿毛」で 6,002回です。
したがって この投稿は 6,003号となります。



6,000回の投稿の中で 「ビワ」の投稿は これだけあります↓
ビワ - 蜜を求めて 2021-01-14
ビワ - 岡崎平野 2020-01-11
ビワ - 前山ダム(常滑市)2019-04-15
ビワ - 前山ダム(常滑市)2019-02-07
ビワ - 愛知県安城市 2019-01-03
ビワ - 岡崎平野・雪 2018-01-26
ビワ - 愛知県岡崎市 2017-12-02
ビワ - 愛知県安城市 2016-12-30
ビワ - 果樹園 2016-12-12




そのほとんどが、12月から 2月にかけてのビワの花を撮ったものです。
食べごろの 果物のビワの実を撮ったものはただの一回もありません。




ビワの花はごちゃごちゃしていて被写体としてはあまりとりやすい花ではないのですが、やはり 冬に咲く花で珍しいからでしょうか、毎年冬になると 撮っているようですね(^_-)-☆




つぼみのときは閉じているから当然中が覗けないし、花は咲いても おしべがフードのようにめしべを囲んでいて中が覗けないので、撮っても撮っても受粉の仕組みが分からないままです。




ビワはこれでもバラ科です。
「ビワの花はゴワゴワとした質感があり、サクラの花とは違いが大きいように思われるが、じっくりと眺めると5弁の花びらや中心部に多くの雄しべがある点など、サクラの花との共通点がある。」(植物雑学事典「ビワ」)




ビワの花は キャメル色のマフラーに包まれて 冬の間中 数少ない虫が花粉を運んでくれるのを待っています。




何しろ2か月の間 花を咲かせ続け、甘い蜜を出し続けて わずかな虫の到来を待つのです。




受粉して、果実として熟すのは初夏です。




受粉が終わると 花弁は落下しますが、たくさんのおしべは 褐色になっても 元の位置に付いたままです。



ツワブキ - ぼんぼり綿毛

2022-02-18 06:00:02 | みんなの花図鑑

於大公園(東浦町)のツワブキ。
ツワブキはキク科。綿毛がいつまでも残っています。




なんとなく狐の嫁入りの提灯のようでもあり…




ひなまつりのぼんぼりのようでもあります。




「ぼんぼり綿毛」ではなくて 「ぼんぼり綿」という言葉があり、その意味は
「薄く透けて見える綿帽子。」(デジタル大辞泉)
とあります。



同じキク科の綿毛でも、タンポポみたいな綿毛が「ぼんぼり綿」なのでしょうか。




面白いことに 「ツワブキ ぼんぼり」で検索すると、ちゃんとヒットします。
こちらは 葉の表面が変化し星班が現れている品種名に「ぼんぼり」というのがあるらしいです。




でも少しでも触れれば、風に舞って飛んで行ってしまいます。
ひな祭りまではもたないでしょう。



グリセウムカエデ、サンシュユ - めくれる樹皮

2022-02-17 06:00:00 | みんなの花図鑑
めくれた樹皮が、陽に照らされて赤く輝いています。


グリセウムカエデ

グリセウムカエデはムクロジ(カエデ)科の落葉高木で、原産地は中国の四川省や湖北省です。




学名は Acer griceum(アーケル・グリセウム) で、日本に自生するメグスリノキに近い仲間であることから、和名は「アカハダメグスリノキ」だそうです。
樹皮は褐色で薄く剥がれ、中は鮮やかな橙色をしています。










サンシュユ

サンシュユのつぼみです。



昨年の果実です。



サンシュユの樹皮もよく剥離します。



「若い幹の一番外側には表皮があって幹を保護していますが、木部の形成が進み、幹が太くなってくると、表皮は幹の肥大に見合うだけ面積を広げることが出来ず、死んでしまいます。表皮が死ぬと、それより内側の細胞が分裂を始めコルク形成層が形成され、コルク形成層の働きでコルク層が形成されます。コルク層が形成されると、コルク層の外側の組織は死んでしまいます。狭い意味での、そして一般的に考えられている樹皮は死んだ篩部とコルク層を含む部分を指しています。」(日本植物生理学会・みんなのひろば > 植物Q&A > 樹皮の剥がれる仕組み)




「幹の肥大と樹皮の乾燥による収縮により脱離が起きます。」(同上)


ヤブツバキ - ツバキの北限

2022-02-15 06:00:04 | みんなの花図鑑

単に「ツバキ」といえば、ヤブツバキのことです。
ヤブツバキの学名は Camellia japonica




属名は「Camellia (カメリア)」
種小名は 「japonica (ヤポニカ)」その名の通り、日本固有種。




ツバキ(ヤブツバキ)の北限は 青森県東津軽郡平内町東田沢の椿山。





「椿山は夏泊半島の北端に位置し、野辺地湾に面している。
(中略)ヤブツバキは日本の南部から中部にかけて分布しているが、東北地方に行くに従って少なくなり、ここ椿山をもって分布の北限としている。」(青森県「ツバキ自生北限地帯」)




ところで、青森市には 縄文時代を代表する大規模集落跡(三内丸山遺跡)があります。
ツバキの北限は 縄文時代の遺跡とほぼ同じ緯度にあります。
これがひとつ目の 「奇妙な一致」 です。



面白いことに、もうひとつの「奇妙な一致」があります。

サザンカの自生北限は 佐賀県神埼郡吉野ヶ里町にあります。 そうです、あの吉野ケ里遺跡の吉野ヶ里町です。
吉野ケ里遺跡は弥生時代を代表する環濠集落のあとです。

この2つの奇妙な一致は何か意味があるのではないでしょうか?
この前から折りに触れて考えているのですが、、、ノー・アイデアのままです。
どうかヒントを (^^)/




アメリカセンダングサ - ひっつき虫

2022-02-14 06:00:04 | みんなの花図鑑

たいていのセンダングサは 花が咲いてないと区別がつかないのですが、このアメリカセンダングサだけは ひっつき虫になってもちょっと他のセンダングサの仲間とちがうのですぐ分かります。




アメリカ以外のセンダングサのひっつき虫は ほぼ褐色一辺倒ですが、このアメリカセンダングサのひっつき虫は時としてこんな高貴な色をしていたりします。




アメリカセンダングサはキク科の花なので、ひっつき虫一つひとつが花だったわけで、それらを纏めて包んでいるのが総苞です(普通の花の萼片に当たります)。
総苞片は果実(ひっつき虫)がついているときは こんな深い緑色をしていますが…




ひっつき虫が全部抜けた後の総苞片は脱色して 白っぽかったりします。
とにかく色が豊富です。








他のセンダングサのひっつき虫より 幅広です。ずんぐりしています。





手袋なんぞで触ろうものなら、たちどころに引っ越ししてきます。










クチナシの実 - いい色してます

2022-02-13 06:00:04 | みんなの花図鑑
最初の2枚は コンデジの最広角側で撮りました。

クチナシの学名は Gardenia jasminoides
属名 「Gardenia 」は、A. Garden (米, 1730-1792, 博物学) より。



種小名「jasminoides」は 「Jasminum(ジャスミン)に似た」の意。





これ以降は 一眼マクロレンズで撮りました。

クチナシの実は天然色素として古くから料理に使われてきました。
でも、クチナシの実はこのように鮮やかな橙色ですが、着色料の色は黄色なのです。




例えば、おせち料理に欠かせない栗きんとんや、栗の甘露煮。鮮やかな黄色です。




栗と一緒にクチナシの実を入れて茹でると、実から黄色の色素が出て、鮮やかな黄色に仕上がるのだそうです。




食品を染める色素には化学合成された色素(タール色素など)と、天然色素とがありますが、今日では自然食品志向の高まりで、天然色素の需要が多くなりました。
クチナシの実からは 黄色色素だけでなく、青色色素も採れるそうです。



「●クチナシ青はクチナシの実をタンパク質分解物と混ぜて酵素処理(βグルコシターゼ)することにより工業的に作られています。また、クチナシの実を別の方法で処理することにより、クチナシ赤と呼ばれる赤い色素も製造されています。」(学芸の森情報「クチナシ」より)



ラナンキュラス・ラックス - 光る

2022-02-12 05:40:00 | みんなの花図鑑
ラックスは異種間交配で生まれた新しいラナンキュラス(ハナキンポウゲ)です。
ラックスというシリーズ名は、花弁が光ることから(ラナンキュラス+ワックス)という由来で名づけられました。
花弁はシルクのようなつやがあり、光が当たるとピカピカ輝いているように見えます。

以下、最近西尾市憩の農園で見たラックスをご紹介します。



01 ミノアン














02 ピュタロス









花弁はシルクのようなつやがあり、光が当たるとピカピカ輝いているように見えます。
(ラックスのこの輝きがどのようにして生成されるのか、分かりませんが、)
もともとキンポウゲ科のキツネノボタンやウマノアシガタの花には花弁が光を浴びキラキラと輝く性質があったのです。
(花弁が光を浴びてキラキラ光るのは花弁の下のデンプンを含む細胞層が光を反射する事によるとのこと。)





03 ムーサ









04 ティーバ






05 ウラノス






06 エリス






07 セイレン





08 その他

安城デンパークにあったラックスです











09 その他

これも安城デンパークにあったラックスです



ガラテア でしょうか?



以下、補足で、同じように輝く花弁を持つキンポウゲ科の植物2つ。

キツネノボタン




リュウキンカ



ラナンキュラス - 別名ハナキンポウゲ

2022-02-11 06:00:08 | みんなの花図鑑

この花は西尾市憩の農園で売られていたラナンキュラスです。
ところで、ラナンキュラスについて書かれたウィキペディアは「ハナキンポウゲ」という記事名です。
ノートをみると「ラナンキュラスはキンポウゲ属植物の総称であり、本種にはハナキンポウゲという和名もあるため、本記事をハナキンポウゲに改名する」とあります。




ところが、項目名が「ハナキンポウゲ」となっているにも関わらず、記事本文には
「園芸ではラナンキュラスと呼ばれることの方が圧倒的に多く、ハナキンポウゲと呼ばれるのは非常に稀。」
とあります。
記事内容とタイトルが一致してません。





それはともかく、wikiの本文記事によると、ラナンキュラスという属名はラテン語で「小さいカエル」を意味し、ラナンキュラス属の植物の多くの葉がこのように菊葉と呼ばれる形状の葉をしていて、それが「小さなカエル」の足に見えるためということからのようです。
もともと湿地に自生する植物だったそうで、そういえば、キツネノボタンの葉も同じような葉をしていますね。






「十字軍がヨーロッパに持ち帰り、改良を加えて、園芸用品種がつくられた。」(ウィキ)





「園芸種は、通常、半耐寒性の球根性一年草として扱う。春に、八重~万重咲の美しい花が咲き、色も豊富で、赤、黄、白、橙、桃、紫、および複輪などがある。」(同上)




「新品種開発の方向性は主に新しい花色とより多くの花弁の追求という方向で行われており、花色では他の植物では、あまり見かけることのない緑色の花を咲かせるものなども作られている。」(同上)




「また花弁数では原種はたった5枚の花弁だが最新の品種の花弁数は200を超えるものもある。」(同上)

というわけで、次回は 異種間交配で生まれた園芸品種の代表種ラックスについて取り上げます。
ラックスの花弁は キツネノボタンの花弁のように光るんです !(^^)!


クリスマスローズ - うつむきに咲く

2022-02-10 06:00:02 | みんなの花図鑑

クリスマスローズはなぜうつむき加減に咲くのでしょう?
植物学的には、下向きで咲く花を好むハナバチ類の訪花を誘引していると考えられています。(『NHK趣味の園芸』2018年1月号より)




ハナバチ類は行動範囲が広く、一つの花での採蜜時間が短く、効率よく多くの花を訪れて受粉の可能性を増す、植物にとってはありがたい存在です。このため、花首を長くし下を向くように進化したと思われています。(同上)

他の理由としては…
冬に花を咲かせるので、雪から花を守るためではないか、とも言われています。




クリスマスローズの花弁のように見えるのは萼片です。クリスマスローズだけでなく、萼片が花弁のように大きく開いて虫を呼ぶ役目を果たしています。
では、元々の花弁はどうなったのかというと、本来の花弁は蜜腺(ネクタリー)に変化しました。




花弁が蜜腺(ネクタリー)に「退化」したのか 「進化」したのか?
意見が分かれるところですが、私は役割分担を変化させた結果の進化だと思います。






クリスマスローズの花は雌性先熟で、雌しべが雄しべより数日先に熟し、受粉のチャンスを待っているそうです。




Helleborus argutifolius
雌性先熟だとすると、このおしべがお辞儀をしている花は 雌性期の花なんでしょうか?




この花など 中心の多数の雌しべが元気が良く、雌性期に見えますが、よくみると、おしべの葯が割れていないものと花粉を出し終わって倒れ掛かっているように見えるおしべがあります。
何だか、雄性期のほうが めしべ活動期より先行しているように見えますけど??





Helleborus argutifolius
この花は 雌しべ2本で おしべの数も少ないようです。
少ないおしべですが、花粉を出したものとまだ出していないおしべとあります。



同上です。




これも同上です。
雄性先熟と言っても、おしべの動きが ロウバイなどと違って ばらばらではっきりしてないですね




この花では 雄しべの活動も終わっているように見えます。





受粉が終わると、役目を終えたおしべと蜜腺は脱落します。




そして子房が膨らみだします。






これは クリスマスローズの横にありましたが、クリスマスローズのような子房がありません
Google Lens で検索すると、レンテンローズ(Lenten rose)を候補に挙げてきました。
初めて聞く名前です。

レンテンローズを検索しますと、
キンポウゲ科クリスマスローズ属の多年草です。
別名:ヘレボラス・オリエンタリス(Helleborus orientalis)
日本で見られるヘレボラス(Helleborus) は、ニガー種(niger)と、オリエンタリス種(orientalis)ですが、 特に、ヘラボラス・オリエンタリス(Helleborus orientalis)をレンテンローズ(Lenten rose)と呼んでいます。

クリスマスローズは、クリスマス時期に咲くヘレボルス・ニゲルのことを指し、花色(萼弁色)が白で、冬咲きです。
一方、レンテンローズは花色(萼弁色)が赤や桃、白、緑色などの園芸種が作られており、 花色が豊富で、初春(2~3月)に開花する春咲きの花です。
(以上、【かぎけんWEB】「レンテンローズ(Lenten rose)」より)

しかしながら、
日本では、クリスマスローズとレンテンローズを区別することなく販売されていることが多いらしいので、
品種による違いではなく、
この子房のない花は レンテンローズを含めたクリスマスローズなのですが、
「無駄に結実させないよう、早めに花の真ん中にある子房を取り除いた」ものなのかもしれません。
(GardenStory 「クリスマスローズ 花を楽しんだ後、今からやっておきたいこと」)



空、宿木、空蝉、空木

2022-02-09 06:00:02 | みんなの花図鑑
きょう、カミさんを美容院に送って行って、待ち時間に岡崎公園の南の菅生川を歩いてきました。
そのとき撮ったスナップです。



樹はエノキでしょうか?
でも、その向こうのが 今日は気になります。




うろこ雲?が素晴らしい模様を描いています。













手前の木に 球形をしたものがぶら下がっていました。


これはスズメバチの巣でしょうか?



ヤドリギ

対岸(八丁味噌の八帖町)にあるエノキは ヤドリギが巣くって、ほら、こんなことに(^^)/




同じ木をズームしたもの。




こちら側にももちろんあります。ただ 逆光で真っ黒な煤(すす)みたいな宿り木になっちゃいます。




菅生川のこの一帯はヤドリギの群生地?で、そのヤドリギの実を食べに ヒレンジャクやイカルが 来ていましたが、公園整備で大部分切り取られてしまいました。




今残ってるのは 公園から離れた菅生川の最下流です。









次は 空蝉 です。。。



はい、これが空蝉です。
な~んだ、セミの抜け殻じゃないか!って。
そうです、セミの抜け殻のことを「空蝉(うつせみ)」というのです!(^^)!
ただ、最初から「うつせみ」=「空蝉」=「セミの抜け殻」だったわけではなく、
古語で「うつしおみ」「現人」=「生きている人間の世界、現世」が元々だったそうなんです。
「うつしおみ」が訛って「うつせみ」になって それが「空蝉」という漢字を当てるようになって「セミの抜け殻」の意味ももつようになったのだとか。




最後は 「空木」です。。。



空木(うつぎ)というのはこのように幹の中が中空になっている木のことです。




これは スイカズラ科のハコネウツギ ですが、他のウツギ、たとえば アジサイ科のウツギ(卯の花)もノリウツギなども枝が中空と思われます。




のちに「空木」は芯が腐って、空洞になった木のことにも使われるようになりました。
ここから、「うつろぎ」の語感も生じるようになり現在に至ってます。