国宝・二の丸御殿の大広間四の間
世界遺産・二条城(京都市中京区)の二の丸御殿で10日から、「大広間四の間」の特別入室が初めて行われる。障壁画「松鷹(まつたか)図」(模写画)をはじめ、豪華絢爛(けんらん)な天井画や欄間彫刻を間近に鑑賞することができる。
四の間は「鎗(やり)の間」とも呼ばれ、将軍が江戸から上洛時に武具を納めた場とされる。寛永3(1626)年の後水尾天皇の行幸に合わせ、大改修が実施された。
障壁画は二条城を代表する作品で、巨大な松の木と勇壮なタカやワシが描かれている。四の間の松は他の部屋と意匠が異なり、力強く生い茂る姿が特徴という。
天井画は78面全てに異なる姿のクジャクが描かれ、交差部には牡丹唐草(ぼたんからくさ)文様の辻(つじ)金物が取り付けられている。欄間彫刻には松や唐椿(からつばき)があしらわれ、隙間から三の間側のクジャクが姿をのぞかせる。
普段は廊下からしか鑑賞できないが、特別入室では室内中央を通る道が設けられ、細部にまで意匠を凝らした空間をじっくりと楽しめる。
8月26日まで(火曜は入室不可)。7月12日と8月9日の午前10時から学芸員による解説がある。
問い合わせは二条城事務所075(841)0096。