2024/12/11 中央社臺灣
中山美穂さん主演の名作映画「Love Letter」(岩井俊二監督)の場面写真
6日に急逝した歌手で俳優の中山美穂さんを追悼し、中山さんの代表作「Love Letter」(1995年)と近年の出演作「死刑にいたる病」(2022年)の2作品が20日から、台湾の一部の映画館で2週間限定で上映される。映画ファンに中山さんの魅力を改めて紹介する。
台湾でも高い人気と知名度を誇る中山さん。突然の訃報は台湾でも大きく報じられた。2016年に「Love Letter」が台湾でリバイバル上映された際に台湾を初めて訪問した他、翌年にも南部・嘉義を訪れ、現地で撮影した写真を自身のインスタグラムに投稿していた。
訃報を受け、台湾の動画配信サービス「MyVideo」の週間人気ランキング(12月2日~8日)では「Love Letter」が2位にランクインした。
2024/12/10 中央社臺灣
今年を代表する字「貪」を揮毫した体操男子の唐嘉鴻選手
大手紙、聯合報は10日、2024年の台湾を代表する字に「貪」が選ばれたと発表した。一般投票で最も多くの票を得た。同社は、今年は政治家の汚職事件が多く明るみに出た他、社会問題となっている詐欺への嫌悪が「貪」が選出された背景にあるのではないかと説明した。
台湾を代表する字の選定は17年目。今年は57の漢字が候補に選ばれ、11月13日から12月8日までの期間で投票を行った。投票総数は計7万5926票に上り、1位の「貪」は8736票を獲得した。2位の「鬥」(闘)とは410票差だった。
聯合報の王茂臻編集長は10日の記者会見で「貪」という字について、監督の意味合いが強い漢字だとし、別の角度から考えると、政治の清廉性や人々の道徳性の向上に対する期待の表れではないかと語った。
記者会見では、パリ五輪の体操男子種目別鉄棒で銅メダルを獲得した唐嘉鴻選手が今年を代表する字を揮毫(きごう)した。
また、王氏によれば、投票期間中に台湾が野球の国際大会「プレミア12」で初優勝したこともあり、読者から「野球」を意味する中国語「棒球」のいずれかの字を候補に加えてほしいとの要望が多く寄せられたという。
2024/12/10 中央社臺灣
国防部(国防省)は10日、同日午前6時までの24時間に中国の軍用機延べ47機と軍艦12隻、公船9隻が台湾海峡周辺で活動しているのを確認したと発表した。同部は9日、中国軍が9日から11日まで、浙江省や福建省の東側の空域に7カ所の「空域保留区」を設定したと発表していた。
「空域保留区」とは、特定の航空活動のためにあらかじめ残す特定範囲の空域。その他の航空機が許可なく入ることは禁じられる。同部は9日、中国軍が保留区の設定を発表したと報道資料で伝え、対応センターの開設や高度な警戒の維持、戦備演習の始動を発表した。
同部によれば、10日午前6時までの24時間に確認された中国の軍用機のうち、延べ16機が台湾海峡の暗黙のラインである「中間線」を越え、台湾の南西空域に進入した。同部は、国軍が軍用機や軍艦、沿岸部に配備したミサイルシステムで厳密に監視し対処したと説明した。
2024/12/09 中央社臺灣
日本からはよさこいグループ3団体が同市の招待を受けて参加した
南部・台南市で8日、国内外の団体がダンスなどを披露する「台南芸術カーニバルパレード」(台南踩街芸術嘉年華)が開かれた。日本からはよさこいグループ3団体が、主催する台南市政府観光旅遊局の招待を受けて参加した。
日本から参加したのは、札幌市の「BASARA」と三重県の「極津」、ソフトバンクよさこい部。台湾各地のダンスグループや高校、大学のチームなど17団体も登場した。日本の3団体は同市内で7日に開催された、日本統治時代の百貨店を前身とする「林百貨」主催のイベントでもパフォーマンスした。
市観光旅遊局は、台日のグループが参加し、創造的なパフォーマンスを通じて互いの距離を縮められたと言及。特に日本の団体の特色ある踊りは、イベントの素晴らしさ向上させただけでなく、訪れた人々に異なる文化同士の交流を実感させたとした。
2024/12/09 中央社臺灣
中国海警局の船7隻が6日以降、通常と異なる動きで航行していることを受け、海洋委員会海巡署(海上保安庁に相当)は9日、緊急対応本部を開設するとともに巡視艇を派遣して「1対1」の形で厳密に監視を行っている
海洋委員会海巡署(海上保安庁に相当)は9日、中国海警局の船7隻が6日以降、通常と異なる動きで航行していることを受け、緊急対応本部を開設するとともに巡視艇を派遣して「1対1」の形で厳密に監視を行っていると発表した。
海巡署の報道資料によれば同署は6日午前1時以降、中国海警局の船3隻が通常と異なる動きをしているのを相次いで探知し、直ちに緊急対応本部を開設した。このうち1隻は台湾海峡の南の海域を回り、2隻は北東の海域から南下した。3隻はいずれも東部の離島・緑島の東北東50~60カイリ(約93~111キロ)の海域で滞留している。
また9日には新たに中国海警局の船4隻からなる編隊が、台湾の南西の海域に向けて航行したのを確認した。
中国海警局の船はいずれも、台湾側が中国船の未許可での進入を禁じている「禁止・制限水域」には進入していないという。
海巡署は一連の動きについて、中国が一方的に台湾海峡の地域の平和と安定を破壊する行為で、両岸(台湾と中国)の交流を壊し、緊張を高めていると指摘。国防部(国防省)などの国家安全関連部門と共に関連の情勢を把握しており、十分な準備が整っているとした。
2024/12/07 中央社臺灣
鉄道模型展を訪れる親子
台湾鉄路(台鉄)台北駅で7日、台鉄と日本の鉄道模型メーカー、関水金属(KATO、本社:東京)が共催した鉄道模型展が始まった。会場では模型やジオラマなどが展示され、模型の運転体験コーナーには朝から多くの人が列を作った。
台鉄と関水金属は昨年12月、商品開発に関する契約を締結。今年11月に台鉄の新型特急車両「EMU3000型電車」をモデルにしたNゲージ模型が発売された。台鉄の杜微(とび)董事長(会長)は、今後も引き続き関水金属と協力し、より多くの模型を発表したいと期待を寄せた。
日まで開催。会場では模型や鉄道グッズの販売、日本の全国高等学校鉄道模型コンテストの受賞作品の展示、ジオラマ制作体験も行われている。
2024/12/07 中央社臺灣
7日の記者会見であいさつする台北教育大学台湾文化研究所の何義麟教授
台湾の史料などの収集・整理に取り組む呉三連台湾史料基金会が、第2次世界大戦に関する写真や文章の提供を広く一般に呼びかけている。来年戦後80年を迎えるのに当たり、台湾の運命に影響を与えた歴史の再構築を通じた台湾人の歴史観形成に期待が寄せられている。
台北教育大学台湾文化研究所の何義麟教授は、7日に台北市の台湾新文化運動記念館で開かれた記者会見の席上、第2次大戦は台湾の長い苦難だったとした上で、終戦後に日本から国民党へ統治者が変わる中で、多くの人々は勝ったのか負けたのか分からずにいたと指摘。台湾の歴史の記憶は抑圧を受け、この戦争の経験も語られることはなかったとし、改めて記録する必要があると訴えた。
詩人の向陽さんは、長い間植民地支配を受けた結果、台湾社会には身分や土地のアイデンティティーに対する焦りが充満し、一つのことに対しても各界で異なった解釈があると指摘。写真やオーラルヒストリー、専門家の努力を通じて全国民が改めて過去を振り返れば、この期間の歴史の共通認識が生まれるとの認識を示した。
同基金会では約80の文章や写真をまとめ、来年8月15日に発表するとしている。
THE ANSWER
24日まで行われた野球の国際大会「ラグザス presents 第3回 WBSC プレミア12」は台湾代表の初優勝で幕を閉じた。いまだに興奮が冷めやらない台湾では、東京ドームに観戦に訪れた台湾ファンと日本人タクシードライバーの心温まる交流が話題に。現地メディアが報じたほか、地元ファンも日本からの優しさに感激した様子でコメントしていた。
台湾メディア「民視新聞網」が「日本のタクシー運転手が台湾野球の優勝に14文字の温かいメッセージ」との見出しで報じた。ある台湾の野球ファンが25日、SNSの「スレッズ」につづった1本の投稿がキッカケになっている。
東京でプレミア12の台湾戦を観戦したというこのファンは、乗車したタクシーの運転手とグーグル翻訳を使って交流。記事では「運転手も試合の中継に夢中になったらしく、今年の台湾選手はとっても強いとほめてくれた。ここ数日、台湾ファンをずいぶん乗せたけれど、みんな夢中になって台湾のスポーツを盛り立てている感じだったとも言ってくれた」と運転手が台湾選手の奮闘ぶりや、ファンの熱気などを称賛していたことを紹介した。
10分ほどで下車したというこの台湾ファンに、運転手は別れ際に翻訳アプリを使って「恭喜獲勝(勝利おめでとう)」「台湾棒球会変得更強大(台湾の野球はもっと強くなるね)」と伝えたという。このファンは「本当に感動した。台日友好」と感激した様子だった。
このエピソードを知った台湾ファンも感動したようだ。「これ見たら、誰でも涙があふれるよね」「これこそスポーツマン精神のある国」「やっぱり台湾と日本は仲がいい!素晴らしいです!」「日本人は優しくて、細かいところまで温かい」などの声が寄せられているという。
2024/11/29 中央社臺灣
28日にお披露目された竜のオブジェが鎮座する噴水
台北市内の老舗ホテル「円山大飯店」(グランドホテル台北)で、日本統治時代から戦後初期にかけて存在していた竜のオブジェが鎮座する噴水「神竜噴泉」が復元され、台湾神社時代の様子がよみがえった。
本来の竜のオブジェは1919(大正8)年、日本人商人によって台湾神社に奉納された。戦後には神社跡地に建てられた同ホテルの増築に合わせて室内に移設され、金箔(きんぱく)が施された。現在ではシンボルとなっている。今回の復元で、同ホテルの竜のオブジェは二つになった。
28日には噴水のお披露目式が行われ、同ホテルの葉菊蘭董事長(会長)は竜のオブジェの復元について、ホテルの伝承と革新を象徴していると強調した。
噴水は、緊急時の避難通路として建設された東側地下通路を巡るガイドツアーのコースに組み込まれた。同ホテルは、歴史や文化を感じられるとアピールしている。
2024/11/29 中央社臺灣
29日の記者会見で特別塗装機をPRするエバー航空の孫嘉明総経理(左から3人目)ら
台湾の航空会社、エバー(長栄)航空は29日、サンリオの人気キャラクター、ハローキティなどをデザインした新たな特別塗装機2機を、12月から順次就航させると発表した。桃園国際空港を発着する仙台線やパリ線に投入するとしている。
今回特別塗装が施されたのは、エアバスA321型機とボーイング777-300ER型機の各1機。A321型機は12月4日からの仙台線、777-300ER型機は同26日からのパリ線で運用される予定。エバー航空で「キティジェット」と呼ばれる特別塗装機は全6機となった。
エバー航空の孫嘉明総経理(社長)は報道陣の取材に、サンリオとは2005年から協力を始め、特別塗装機で乗客に楽しさや幸せを与えてきたと説明。今後も実際のニーズに合わせて、別の路線でも運航する可能性があるとした。
また新型コロナウイルス後に航空需要が増大していることに触れ、より良くするために努力すると強調。来年は日本の花見シーズンに青森線や松山(愛媛)線を増便し、新たに米・ダラスに就航する予定だと明かした。
2024/11/29 中央社臺灣
台湾のプレミア12初Vを喜ぶCPBLの蔡其昌会長(左から2人目)、右は代表監督の曽豪駒氏=2024年11月24日
台湾が初優勝を飾った野球の国際大会「プレミア12」。優勝をもたらした“影のヒーロー”の一人と呼ばれる台湾プロ野球リーグ、中華職業棒球大聯盟(CPBL)の蔡其昌(さいきしょう)会長が29日までに中央社の単独インタビューに応じた。蔡氏は勝利の確率を高めるため、代表チームの常設化を推し進めたい考えを示した。
台湾は昨年3月のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)で1次ラウンド敗退を喫し、大きな批判を浴びた。今回のプレミア12も、台湾に対する下馬評は低かった。予想を裏切る形での初優勝に台湾中が大きく沸いた。
今回の優勝の鍵は「情報収集」にあると言われている。情報収集は、蔡氏が昨年のWBCの敗退直後に打ち出した代表チームの編成・訓練プロジェクトの柱の一つ。同年10月、元プロ野球選手の陳瑞昌氏が情報収集チームの座長に起用され、3人のメンバーと共に中南米、米国、オーストラリア、日本などで敵情視察を行った他、海外でプレーする台湾人選手の状況を観察した。これが選手招集の参考にもなった。
試合後、今大会で台湾が放った10発の本塁打が9人の打者によるものだったことから、代表選考が適切だったとの分析が一部でなされた。蔡氏はこれに異を唱える。成績の良しあしは総合的なものであり、それぞれの計らいは「合理性」を考えるだけで、合理的でも負ける可能性があると指摘。野球とは結果論のスポーツであり、勝てば全て正解なのだと話した。また、信じることが重要で、この信念はチーム結成から大会期間まで代表チーム全体が共有するものだったと明かした。
今後、蔡氏が目指すのは代表チームの常設化、ひいては代表監督の常設化だ。2011年に日本が代表チームの常設化を決め、14年に日本野球機構とプロ野球全球団の共同出資で野球日本代表に関する興行の企画、実施などを担う「NPBエンタープライズ」を立ち上げたことを例に挙げ、会社化は常設化の形式の一つであり、台湾がどんな形を採用するかについては各方面で話し合うことができると説明。台湾が今後も国際大会で勝ち続けていく上で、常設化は良い方向性だとの考えを示した。
常設化について昨年のWBC終了後、中華民国野球協会の辜仲諒(こちゅうりょう)理事長や台湾プロ野球6球団のゼネラルマネジャー(GM)と話し合い、前向きな反応をもらったと紹介。第1段階の情報収集はある程度の功を奏し、次の段階に進む下地が整ったとの見方を示す一方、推進していく上ではまだまだ調整が必要な部分が多くあると話した。