昨日の広岡さんの講演で、前回は書ききれなかった話題を追加しておきます。
なおhchs21さんのおっしゃる通り、広岡さんらしい辛らつなコメントも沢山ありました。
(;^_^A
※下にご紹介したコメントも結構きついですが、実際にはもっと厳しいものもありました。でも、ここでは割愛しています。
お孫さんのお話をされている時を除き、広岡さんのお話は、私にも耳の痛いご指摘が多いです
(1) 単位取得の苦労
* 早慶戦の入場券を大学の職員に渡して、教授ごとの過去の出題例を教えてもらった。
* その過去問題の中から1-2題を選んで、模範解答を作成し、それを丸暗記した。
* 万が一、予想が外れても、暗記した模範解答を答案用紙の裏表にびっしり書き込めば、単位はもらえた。いつの時代も運動部員は単位取得に苦労するものだ。
(2) 早大野球部
* 髪の長い部員が気になる。当たり前のことを当たり前に教えることが何故できないか。
* かつての野球部は、早稲田の伝統について、ことあるごとに上級生たちから教え込まれた。
* 斎藤佑樹投手が入学して来た時、読売新聞紙上で、よりによって「伝統を守ることは嫌いだ」と話しているのをみて、ガックリきた。そういうことを突っ張って言う若者はいつの時代もいるが、将来、彼自身が指導をする立場になった時、伝統がどれほど価値のあるものかを痛感するだろう。
* 伝統とは、先輩たちが長い年月の中で培ってきた、技量上達のため、あるいは他人に迷惑をかけないためのノウハウの結晶だ。
(3) WBC
* ヤンキースは、選手たちのヒゲや長髪を絶対に認めない。それがヤンキースの求めるスター選手の姿。
* WBCのジャパンの候補選手の中に、頭のこめかみに筋を入れたヘアースタイルの選手、あるいは茶髪の選手を見つけた時、その場でコミッショナーに電話した。「全国の野球少年たちが、あれがスター選手だと勘違いしたらどうするのか」と。
* 原監督が指導して、WBC本番ではきちんとした身だしなみになっていてホッとした。原は、なかなか丁寧にコミュニケーションする男。
(4) お孫さんたち
* 孫の1人が日大三高で野球をやっていた。私よりも背が高く、手足も長いので期待していたが、ちっとも試合に出してもらえなかった。
* 高校二年の時、「勉強で大学に行く」と言って、退部してしまった。どうなるかと思ったら、周囲が驚くほど一所懸命勉強して、一浪したが早稲田の商学部に合格した。
* やはり孫が母校に入学してくれると嬉しいもの。お祝いに角帽と制服を買おうと思ったら、お店の人から「広岡さん、今どきの学生は喜びませんよ」と言われて、残念に思った。
* 大学を卒業する時に達成感が残るようなクラブ活動を選んでほしいと思っていたが、なんとダンスのサークルに入っちゃった。
* もう1人、宝塚に行っている孫がいる。バレーの練習はやっていたが、音楽は何もやっていなかった。それでも一発で合格してしまった。自分で言うのもなんだが、彼女は美人です。息子夫婦のルックスをみても全く大したことはないので、突然変異だろう。ですから、今日の会場にいらっしゃった方々も、突然変異もありますから、希望は捨てないでください。(場内、爆笑)
(5) 巨人の伝統
* 昔の巨人は、リーグ優勝して当たり前。日本シリーズで勝って初めて、ひと仕事したという雰囲気だった。
* 水原さんは、リーグで優勝しても、日本シリーズで西鉄に勝てなかったのでクビになった。
* その伝統が崩れたのが長嶋監督の時代。現役選手時代からの熱烈な長嶋ファンが多いため、勝っても負けても、長嶋がいれば良い。スター選手の人気への依存というマスコミの報道姿勢が、巨人をダメにした。
* フリーエージェントで選手を集めることはルール違反ではないが、やはり生え抜き選手を鍛えて、育てて、勝つ。 そんな巨人になってもらいたい。
(6) 天覧試合の思い出
* 長嶋がサヨナラ本塁打を放った試合。その前の回に、一死二三塁という絶体絶命のピンチがあった。
* 二塁走者に隙を感じたので、藤田投手にサインを送って、あうんの呼吸で牽制。二塁走者を見事に刺してピンチを脱した。なお、今の野球ならば捕手がサインを出したりするが、あの頃は年下の森捕手がサインを我々に出したら「生意気だ」と怒られる時代。森は何もサインを出していません。
* マスコミは長嶋のホームランのことばかり書くが、あの試合のポイントは、ピンチで二塁走者を刺したことです。(場内、大拍手)
(7) 指導者の心得
* 指導者自身が熱心に勉強していてこそ、その言葉が選手たちの心に響くし、指導者にインスピレーションも湧く。
* 気になることがあったら、すぐに指摘することが重要。見て見ぬ振りをすることが一番悪い。
* 大脳で理解するだけでは、分かったことにならない。基本を繰り返し、繰り返し練習して、小脳で憶え込まなければダメ。
* 駆け出しの野球評論家の時代、放送局の早稲田の先輩に、「良い文章を書くためにどのように訓練したら良いか」と訊ねたら、「これは良い文章だと思ったら、その文章を暗記して、頭の中で反芻しろ」と教えられた。それが身につけば、自分自身で書く文章も自然に洗練されてくる。これが小脳で憶えるということ。
* スポーツも同じだ。選手を指導して、選手が「分かりました」と言っても、実際には少しも身についていない。そういうものだと心得て、粘り強く練習を繰り返すこと。
なおhchs21さんのおっしゃる通り、広岡さんらしい辛らつなコメントも沢山ありました。
(;^_^A
※下にご紹介したコメントも結構きついですが、実際にはもっと厳しいものもありました。でも、ここでは割愛しています。
お孫さんのお話をされている時を除き、広岡さんのお話は、私にも耳の痛いご指摘が多いです
(1) 単位取得の苦労
* 早慶戦の入場券を大学の職員に渡して、教授ごとの過去の出題例を教えてもらった。
* その過去問題の中から1-2題を選んで、模範解答を作成し、それを丸暗記した。
* 万が一、予想が外れても、暗記した模範解答を答案用紙の裏表にびっしり書き込めば、単位はもらえた。いつの時代も運動部員は単位取得に苦労するものだ。
(2) 早大野球部
* 髪の長い部員が気になる。当たり前のことを当たり前に教えることが何故できないか。
* かつての野球部は、早稲田の伝統について、ことあるごとに上級生たちから教え込まれた。
* 斎藤佑樹投手が入学して来た時、読売新聞紙上で、よりによって「伝統を守ることは嫌いだ」と話しているのをみて、ガックリきた。そういうことを突っ張って言う若者はいつの時代もいるが、将来、彼自身が指導をする立場になった時、伝統がどれほど価値のあるものかを痛感するだろう。
* 伝統とは、先輩たちが長い年月の中で培ってきた、技量上達のため、あるいは他人に迷惑をかけないためのノウハウの結晶だ。
(3) WBC
* ヤンキースは、選手たちのヒゲや長髪を絶対に認めない。それがヤンキースの求めるスター選手の姿。
* WBCのジャパンの候補選手の中に、頭のこめかみに筋を入れたヘアースタイルの選手、あるいは茶髪の選手を見つけた時、その場でコミッショナーに電話した。「全国の野球少年たちが、あれがスター選手だと勘違いしたらどうするのか」と。
* 原監督が指導して、WBC本番ではきちんとした身だしなみになっていてホッとした。原は、なかなか丁寧にコミュニケーションする男。
(4) お孫さんたち
* 孫の1人が日大三高で野球をやっていた。私よりも背が高く、手足も長いので期待していたが、ちっとも試合に出してもらえなかった。
* 高校二年の時、「勉強で大学に行く」と言って、退部してしまった。どうなるかと思ったら、周囲が驚くほど一所懸命勉強して、一浪したが早稲田の商学部に合格した。
* やはり孫が母校に入学してくれると嬉しいもの。お祝いに角帽と制服を買おうと思ったら、お店の人から「広岡さん、今どきの学生は喜びませんよ」と言われて、残念に思った。
* 大学を卒業する時に達成感が残るようなクラブ活動を選んでほしいと思っていたが、なんとダンスのサークルに入っちゃった。
* もう1人、宝塚に行っている孫がいる。バレーの練習はやっていたが、音楽は何もやっていなかった。それでも一発で合格してしまった。自分で言うのもなんだが、彼女は美人です。息子夫婦のルックスをみても全く大したことはないので、突然変異だろう。ですから、今日の会場にいらっしゃった方々も、突然変異もありますから、希望は捨てないでください。(場内、爆笑)
(5) 巨人の伝統
* 昔の巨人は、リーグ優勝して当たり前。日本シリーズで勝って初めて、ひと仕事したという雰囲気だった。
* 水原さんは、リーグで優勝しても、日本シリーズで西鉄に勝てなかったのでクビになった。
* その伝統が崩れたのが長嶋監督の時代。現役選手時代からの熱烈な長嶋ファンが多いため、勝っても負けても、長嶋がいれば良い。スター選手の人気への依存というマスコミの報道姿勢が、巨人をダメにした。
* フリーエージェントで選手を集めることはルール違反ではないが、やはり生え抜き選手を鍛えて、育てて、勝つ。 そんな巨人になってもらいたい。
(6) 天覧試合の思い出
* 長嶋がサヨナラ本塁打を放った試合。その前の回に、一死二三塁という絶体絶命のピンチがあった。
* 二塁走者に隙を感じたので、藤田投手にサインを送って、あうんの呼吸で牽制。二塁走者を見事に刺してピンチを脱した。なお、今の野球ならば捕手がサインを出したりするが、あの頃は年下の森捕手がサインを我々に出したら「生意気だ」と怒られる時代。森は何もサインを出していません。
* マスコミは長嶋のホームランのことばかり書くが、あの試合のポイントは、ピンチで二塁走者を刺したことです。(場内、大拍手)
(7) 指導者の心得
* 指導者自身が熱心に勉強していてこそ、その言葉が選手たちの心に響くし、指導者にインスピレーションも湧く。
* 気になることがあったら、すぐに指摘することが重要。見て見ぬ振りをすることが一番悪い。
* 大脳で理解するだけでは、分かったことにならない。基本を繰り返し、繰り返し練習して、小脳で憶え込まなければダメ。
* 駆け出しの野球評論家の時代、放送局の早稲田の先輩に、「良い文章を書くためにどのように訓練したら良いか」と訊ねたら、「これは良い文章だと思ったら、その文章を暗記して、頭の中で反芻しろ」と教えられた。それが身につけば、自分自身で書く文章も自然に洗練されてくる。これが小脳で憶えるということ。
* スポーツも同じだ。選手を指導して、選手が「分かりました」と言っても、実際には少しも身についていない。そういうものだと心得て、粘り強く練習を繰り返すこと。