「湯桶」と描かれた札がついていた、いわゆる洗面器。
ゆるやかな楕円の口、底が小さい割にはかなり長めの角度が浅い側面をした優しい形と、
そして柔らかな色が、敢えて「湯桶」と呼ばせようとしたのかも…と思う。
今日会った会社の元同期から、誕生日のプレゼントとして
お揃いの色の、これは「バススツール」という札がついていた
風呂用の椅子と共にいただいたもの。
それぞれの道を歩みはじめてからかれこれ十数年。
それぞれの誕生日を祝って、もうどれくらい集まっただろう。
何でも話せ、何でも言いあえる関係は、何にも替えがたく…。
会社時代だけでなく、学生時代の、バイト時代の、また、色々な集いで
知り合って、今は心を許せる間柄となった人と楽しい時間を過ごした後、
ぼんやりと思い出すことがある。彼女たちとの出会いの場面だ。
お互いを何も知らないという状態で、ピンと張り詰めたような空気の中、
どんな人なんだろう?
仲良くやっていけるかな?
自分は受け入れてもらえるかしら?
これからどう関わっていけるだろう?
…などと、あれこれ考えてしまうとき。
そんな風に、当時はもがきにも似た感情を抱えていても、
今、こうして穏やかに語り合える時間がある。
私にとっての時間は無限ではないけれど、何事も焦ることはない…。
そんなゆったりとした気持ちになれる、
とても短いけれど大切な思い出です。
☆KEYUCA DESIGNの「湯桶」。品良く光っています☆