花のたより☆山のふみ~青森県立名久井農業高等学校~

農業と環境の研究グループ「チームフローラフォトニクス」と弟分である「ハンターズ」の取組みを紹介します!

名農といえば食用菊でしょ!

2018年09月21日 | 生物生産科
黄色い菊の花が販売されています。
といってもこれはお彼岸用の花ではなく食べる食用菊。
南部町の特産物ですが、みなさんの地域では食べますか。
ほろ苦い風味ですが大好きな人はたくさんいます。
この食用菊にはいろいろな思い出があります。
まず一つは科学コンテストのテクノ愛。
フローラ2代目が食用菊にLEDを照射して
ブルーベリー並みにポリフェノールを増やしグランプリを受賞しました。
もう一つはイオンビームによる突然変異育種。
理化学研究所の協力で突然変異を誘発する実験を行いました。
しかしその年は夏でも低温と長雨が続く冷夏。
せっかくの処理した食用菊の苗が全滅してしまいました。
もし味、花の色や形、開花時期や草丈などに変化が生じたら
「名農」という名前の新品種を作ろうと意気込んでいたのでとてもショックでした。
菊は挿し木するとクローンで大量増殖できるため品種改良にはもってこいの植物。
今考えても、とても残念です。
菊のポリフェノールを増やしたり品種改良をしようとしたあたりに
フローラが草花班であったことをうかがい知ることができます。
そして最後は農業クラブのプロジェクト発表。
現在、全国大会では優れた研究に農林水産大臣賞が授与されますが
そのきっかけを作ったのが名久井農業高校の食用菊の研究。
長野の全国大会に訪れた当時の森農林大臣がこの研究に感動され
翌年から農林水産大臣賞の授与が決まったのです。
これば何十年も前の古いお話ですが、
皮肉なことにそれ以来、全国最優秀から遠ざかっている名農研究班。
ぜひ取りにいってほしいものです。
コメント

シロバナタンポポ

2018年09月21日 | 学校
以前、増やして欲しいとの依頼を受けたシロバナタンポポ。
チームフローラフォトニクスは種子を春化処理して発芽させました。
その後、苗を育てていましたが、ご当人がひと鉢残して
退職されたのでチームが面倒をみています。
そのシロバナタンポポがなぜか秋になって花を咲かせました。
シロバナタンポポは西日本だけで見られる日本の固有種でしたが
近年は、温暖化の影響なのか、物流の影響を受けているのか
関東や東北でも増えているそうです。
この周辺ではまだ自生していませんが、
増えているので見かけた方がいるかもしれません。
さて植物には染色体が時に倍になることがあります。
これを4倍体といいますが、本来の2倍体のものと交雑すると
3倍体の植物ができてしまいます。
このように染色体が奇数のセットになると種子ができません。
種無しスイカやブドウはこの原理で作られているのは有名な話です。
研究によるとこのシロバナタンポポはなんと5倍体。
つまり種子ができずもっぱら栄養繁殖するといわれていました。
ところがこのシロバナタンポポは種子から育てたもの。
おかしいと思い調べてみると九州地方で4倍体が発見されていました。
このタンポポがどこから来たのかわかりませんがちょっと不思議です。
どのような仕組みと目的で倍数体が発生するのかは未だに謎らしいので
研究してみると面白いかもしれません。
それにしてもきれいなシロバナタンポポです。
コメント