goo blog サービス終了のお知らせ 

花のたより☆山のふみ~青森県立名久井農業高等学校~

農業と環境の研究グループ「チームフローラフォトニクス」と弟分である「ハンターズ」の取組みを紹介します!

謎研究の正体

2018年12月27日 | 学校
2学期の終業式の前日、
名久井農業高校では研究発表会が開催されました。
発表会の主催は農業クラブでプロジェクト発表会と呼ばれています。
農業高校の教育の柱は数十年も前からプロジェクト活動。
したがって研究が一段落する年末、青森県の各農業高校で
研究発表会が開催されたという記事が地元新聞によく紹介されます。
名久井農業高校の今回の発表者は3年生。
3年生はこれが高校最後の発表会になるのこの2年間、
課題研究で取り組んだきた成果を3部門に分かれて発表しあいます。
いわば2018年の名農No.1プロジェクトを決める大会でもあるのです。
参加したのは15チーム。じっくり楽しみながら拝見していると
なんと先日、実験室で発見した
ニンジンのヘタを栽培しているる謎の研究班が登場してきたのです。
彼らは栄養分の高いニンジンの葉に注目し、
捨てるニンジンのヘタをモミガラくん炭などの培地に植えて育てていました。
実験室で見つけた時は、どこかの主婦のアイデアかと思いましたが、
発表を聞いていくうちに、どうやら彼らはLEDなどの照明を駆使しながら
ヘタの水耕栽培に挑戦し、葉の部分を本気で高機能性野菜として
売り出そうと考えているではありませんか。
確かにLEDで機能性成分が高まればサプリの原材料として出荷も可能。
名農生の柔軟な発想にはいつも驚かされます。
でもたくさんのヘタをどうやって集めるのでしょうか。
種からではダメですか。気になります。
次はいよいよチームの出番です。
コメント

神々の年取り

2018年12月27日 | 
ツバキが花芽をつけています。
さて前任校で女子生徒に先人の暮らしとそれによって生まれた郷土料理を
体験的に教える「食農科学」という科目を20年前立ち上げたことがあります。
昭和初期の農業を再現しながら実際に食材を栽培し
地域のおばあさんたちから郷土料理を本格的に学ぶ授業は
教える側も教わる側もそれはとても楽しいものでした。
最後におばあさんたちを招き、教わった郷土料理でもてなす披露宴は盛大で
全国版の雑誌にも何度か紹介されました。
その授業のクライマックスがこの12月の年取り行事です。
みなさんはこんなことをご存知ですか。
12月31日、つまり大晦日は年越しの日です。
私たちの住む地方では年越しではなく年取りといいますが
どちらにしてもこの日は私たち人間の年越しで、会食をしてお祝いします。
ところが神様を差し置いて、人間が先に年越しするわけにはいきません。
何でも神様が先であり、人間はその後という風習があるからです。
そこで青森県の南部地方では12月に入るとまず神様の年取りが始まります。
例えば、一日は神明様、三日が稲荷様、五日が恵比寿様、七日が天王様、
八日が薬師様、九日が大黒様、十二日が山の神様、十三日が虚空蔵様、
十五日が三岳神社、十六日が農神様、二十三日が子安様、
二十五日が天神様、二十八日が不動様の年取りです。
主にしとぎ(県南なので豆しとぎ)や料理をお供えしますが
神様によってはなべこだんごなど特別料理を供えることもありました。
そして一番最後に人が年取りをして、初めて新しい歳神様を迎えことができるのです。
このように先人は12月になると毎日のように年取り行事に追われ、
特に食事を作るご婦人たちは本当に忙しかったといいます。
青森は田舎とはいえ、おじいさんやおばあさんと一緒に暮らす家庭は減っており
このような文化はもう伝わらなくなりました。
農や神様が一緒にある暮らし。
物が豊富で人々の関係が希薄になってきた今だからこそ、
もう一度やってみたい科目です。
コメント