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花のたより☆山のふみ~青森県立名久井農業高等学校~

農業と環境の研究グループ「チームフローラフォトニクス」と弟分である「ハンターズ」の取組みを紹介します!

祭りのあと

2020年08月29日 | 研究
この彼は部屋のドアや壁に寒天をくっつけては
細菌数を確認しようとしています。
かつて高校に生物工学(バイオテクノロジー)が科目として
初めて導入された頃は、どの学校もとても熱くなったものです。
中には生物工学科という学科まで作って学校の目玉にしようと
していた農業高校もありました。
ところが今はそんなブームはすっかり冷め、話題にもならなくなりました。
しかしこの分野が廃れたのではありません。
生物工学の学習や研究分野は食糧生産から食品加工、品種改良など
すべての農業や環境分野を支える技術です。
最初は珍しさもあり注目されましたが、よく考えるとこれは技術。
技術だけを持ち上げてお祭り騒ぎをしてもどうにもなりません。
そこで現在はそれぞれの分野に取り込まれてしまいました。
これと同じようなものに情報処理があります。
農業高校でも情報処理系の学科ができ、
ワープロ技能やプログラミングなど先端技術を学びましたが、
こちらも生物工学同様、今はどの分野でも当たり前に使う技術。
やはり今は誰も大騒ぎなどしなくなりました。
自転車は自分の力で進める素晴らしい乗り物で、
その性能を高めるのも大切なことですが、
技術者じゃない私たちに大切なのは自転車でどこに行くか?何をするか?
そんなことから生物工学も情報処理も祭りのあと、
すべての分野を支える技術として定着したのだと思われます。
名農の生物工学研究班も技術を使っていろいろなものに挑戦しています。
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趣味の園芸

2020年08月28日 | 環境システム科
この日は2学期明けで初めての実習。
あいにくこの日の気温はぐんぐんあがり昼過ぎには30度近くなるとのこと。
農業高校の学習は自然を相手にしているので
少々の雨や寒さ、そして暑さから逃げるわけにはいきません。
そこで気温が上がってくる前に作業をすることになりました。
これは右からジョウロ、移植ベラ、またジョウロ、
小さな袋に入っている種子、そして堆肥。
プランター栽培なので耕すものはありません。
ところが、用具を並べてみるとどっぷりと農業をするという雰囲気がなく
まるでテレビでお洒落なタレントさんが楽しみながら
野菜を育てる番組のセットのようです。
プロの農家とどこが違うのでしょう。
クワなどの農具やトラクタなど農業機械が見えなからでしょうか。
よく趣味の園芸は楽しいけれど、プロの園芸はたいへんといいます。
それは少々収量が少なくても栽培するという作業そのものを楽しむ趣味と
家族の生計を立てるための収入を得るプロフェッショナルとの違いです。
趣味なら採算が合わなくても楽しむためのお洒落な用具や小型の機械を買いますが
コストと戦うプロではそうはいきません。
おそらく、そんなプロの決死の覚悟がこの用具には感じられないのだと思います。
栽培するのはどちらかといえば工業系の学習もする環境システム科。
したがって将来、農業経営者になる人は残念ながら少数しかいません。
プロにならない彼らに対して必要なのは、将来いつかやるだろう家庭菜園を
楽しめる簡単な知識と技術。そして楽しい経験。
確かに趣味の園芸です。
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ど根性女子

2020年08月28日 | 研究
放課後の土肥室に集まっているのはハンターズ。
先日見事、ストックホルム青少年水大賞で世界一に輝いた強者たちです。
グランプリを受賞したことからやれ取材だ、やれ写真提供してくれなど
にわかに周囲が慌ただしくなってきました。
彼らはまさにそんな周囲のリクエストに応えようと放課後集まっているのです。
その隣で活動しているのは環境システム科のJr.たち。元気な女子たちです。
環境システム科ができた頃は、どうしても工業系のイメージが強く男子ばかりの学科でした。
しかし本校のメインともいえる園芸科学科が募集停止になったことから
今まで園芸科学科の分野だった施設での草花栽培などが
環境システム科に移行されることになりました。
そんなこともあって今年の1年生は女子がグンと増え、
なんだか賑やかになってきました。
さてそんな彼女たちにとって、世界チャンプのハンターズは
まさに憧れの存在。そんな先輩たちがアドバイスに乗ってくれるのですから
こんな嬉しいことはありません。同じ実験室で一生懸命研究を続けています。
他の研究班から誘われたある大学が主催するオンラインの発表会。
どうするか尋ねてみると「参加したい!」と即答。
フローラ同様、やはり女子は意欲もど根性もあるようです。
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2020相撲ニュース

2020年08月27日 | 学校
ご覧ください。ここは高校の相撲場です。
でも残寝ながら名久井農業高校は、土俵こそあれ今は相撲部がありません。
ではここはどこの高校でしょう。もちろんお隣の強豪高「三本木農業高校」です。
数年前、当時まだ2年生のファイナルフローラが
青森県の相撲文化をテーマにした観光プランを考案したことがあります。
これはその際に三農相撲部のご好意で取材させてもらった時の様子。
白いワイシャツ姿が名農生ですが、
あまりにも緊張した道場の雰囲気に言葉も失っていました。
さて相撲が強い農業高校では、同じように相撲の強い大学によく進学します。
そのため当然卒業後に農業の先生となってまた青森県に戻ってくる方もたくさんいます。
現在、相撲部のない名農にも指導者として大活躍された先生や、
さらに今も現役として活躍している先生方がいらっしゃるのです。
また時々ですが、高校在学中や卒業後に角界入りされる方もいます。
最近の三本木農業高校であれば阿武咲が有名ですが
先日、そんな三農の嬉しいニュースが県内に流れました。
なんと三農OBで伊勢ヶ濱部屋の錦富士関が十両昇進を決められたのです。
若乃花、隆の里、旭富士などかつてたくさんの横綱を輩出している青森県ですが
またまた期待の力士が十両入りしました。
大相撲を見るのが楽しくなります。
ちなみにファイナルフローラが神戸で開催された観光甲子園で提案した観光プラン
「青森相撲王国探訪記」はその年のグランプリ、観光庁長官賞をいただいています。
三本木農業高校相撲部の皆さん、ありがとうございました。
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暑い話

2020年08月27日 | 研究
水道の蛇口につながれたホース。
よくみる光景ですが、実はこの時期はちょっと気をつけなければなりません。
なぜならホースの中には、前回使った時の水が残っています。
夏の暑い陽射しにさらされた水は、なんといつの間にかお湯になっているのです。
昔、屋根に取り付け太陽光の熱を使って水をお湯にかえる
温水パネルというものがありましたが、それと同じような状態。
したがって温度を確かめずに、植物にかけると熱湯をかけてしまうことになるのです。
お風呂よりも熱いお湯をかけられたら、植物だって大きなストレス。
そうならないように十分手で確かめてからかけるよう注意する必要があります。
もちろん日中に冷水をかけられても同じなので、
植物への潅水は温度差があまり大きくならない朝夕に行うようにしましょう。
さてここはハンターズの本拠地である馴化温室。
暑い夏が来る前に、すでにハンターズはメイン研究を終えています。
みんなで協力しながら猛スピードでその年の研究に取り組み、
秋には早々と終え、発表に出かけるのがフローラ時代から長年続く流儀だからです。
それなのにまだ温室にやって来る人たちがいます。
それが1年生のJr.たち。このホースも彼女たちが使うものです。
おそらく暑いときは50℃を越しているかもしれないガラス温室。
長居無用の過乾燥の熱波が充満している劣悪環境で
彼女たちは今まで1回も休むことなく研究に取り組んでいます。
もちろんハンターズやフローラの影響で取り組むのは南国の環境研究。
こんな北国で何で暑い国の研究をするのか、まったくおかしな話ですが
とにかく女子はタフ。そんな彼女たちのやる気に応えようと
ハンターズは秋を迎えますが、もう少しサポートを続けます。
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