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キジョラン・3~裂開

 キョウチクトウ科(←ガガイモ科)キジョラン属の「キジョラン(鬼女蘭)」。その大きな常緑の葉が冬でも繁っているので存在はすぐにわかるがその果実にはなかなか出会えない。高木に絡んでいる葉と蔓を辿って頭上を探してやっと見つけた果実。高さ4メートルほどの位置でぱっくりと裂開しており中の種子が飛び始めている。地上や途中の枝などに白い種髪がいくつか見られる。
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ハナミョウガ・2~果実

 小野路町の林内に生育している「ハナミョウガ(花茗荷)」。ショウガ科ハナミョウガ属の多年草で関東地方以西に生育する。初夏に偽茎の先端に穂状花序を付け紅色の筋のある唇形花を咲かせる。果実は液果で長さ1.5センチほどの楕円球が果軸に10数個付く。果実の表面には細かい毛がある。
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ヒイラギモチ

 大塚公園付近の交番横でたわわに果実を稔らせている「ヒイラギモチ(柊黐)」。モチノキ科モチノキ属の常緑低木で中国原産。英名から「チャイニーズホーリー(Chinese Holly)」とも呼ばれている。“クリスマスホーリー(Christmas Holly)”は一般的にはセイヨウヒイラギ(西洋柊)を指すが、このヒイラギモチやアメリカヒイラギ(亜米利加柊)もクリスマスホーリーと呼ばれることが多い。
 “holly”はモチノキ属やヒイラギなどの植物を指し、アメリカのハリウッド(Hollywood)は、ヒイラギの林という意味になる。一方、クリスマスの時期に良く耳にする“聖なる”の意味の“holy”は“L”がひとつ少なく全く異なる言葉。ハリウッドの漢字表記は“聖林”だが、これは“holly”と“holy”を誤訳したことによる。正しくは“柊林”や“柊森”と表記すべきであった。しかしハリウッドにはヒイラギは生育おらず元々はイチジク(無花果)の果樹園が拡がっていた。しかし不動産業者の妻がそこにあったハリウッドという別荘の名前が気に入りその地名としたようだ。つまりハリウッドは“聖林”でも“柊林”でもなく“無花果園”と表記すべきであった。
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ヤマニガナ・2~果実

 新型コロナウイルス感染者数はしばらく落ち着いていたが、最近はオミクロン株の出現もありジワリと増え始めている。何とか第6波は小さな波で終わって欲しいと願うばかり。私は今年5月にワクチン接種2回目を終えたため、8ヶ月目に当たる来年1月のブースター接種案内が先日届いた。今回は日時場所が既に指定されており予約で苦労することは無い。しかしワクチン2回接種で大丈夫と思っていたが8ヶ月で感染防止効果が減るとは『聞いてないよ~』という気持ちではある。
 大手保険会社が募集した今年一年の出来事を漢字四文字で振り返る“創作四字熟語”が先日発表された。最優秀作品は『七菌八起(ななコロナやおき)』で、リバウンドがあってもコロナに負けずに頑張ろうという作品だった。優秀作品の中では『二者卓逸』(卓球混合ダブルスで金メダルに輝いた水谷選手と伊藤選手)、『気象価値』(気象学でノーベル物理学賞に選出された真鍋先生の業績)などが選ばれた。ちなみに昨年の最優秀賞は『医師奮診(獅子奮迅)』(新型コロナウイルスへの医療従事者の奮闘)で、コロナ関連が続いている。来年は明るい話題を期待したい。
 写真は小野路城址付近の野道に生えている「ヤマニガナ(山苦菜)」。キク科アキノノゲシ属の一年草もしくは越年草で草丈は1メートルほどになる。夏に茎頂に直径1.5センチほどの花を多数咲かせ、果実は冠毛のある痩果になる。果実は長さ4~5ミリで冠毛の長さは5~6ミリ。
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マツサカシダ・2~名前

 鹿島緑地の林内に生育する「マツサカシダ(松阪羊歯)」。イノモトソウ科イノモトソウ属の常緑性シダ植物で房総半島から太平洋岸沿いに九州までと島根県などに分布している。その名前は紀伊半島に自生していたものを伊勢松阪の植木屋さんが栽培して世に広まったことに因んでいる。オオバノイノモトソウに似ているが羽片はやや太く羽片中央部が白くなることが多い。羽片の縁は波のようにうねっている。
 さて三重県松阪市は『まつさかし』と濁らない。また漢字は“こざとへん”の『阪』を用いている。しかし史跡の松坂城は“つちへん”の『坂』でありいささかややこしい。この名が初めて付けられたのは天正16年(1588年)に遡る。戦国武将の蒲生氏郷がここに築城し、それまで居城にしていた松ヶ島城(松阪城の北約3キロ)の『松』と秀吉の大坂城の『坂』と合わせて松坂城と命名した。当時はこの辺りの地名も“松坂”となったが、明治22年(1889年)の市町村制の施行によって“松阪”に変えられた。その後は正式な文書等には“松阪”が用いられるようになったが今でも“松阪”と“松坂”は混在している。更にその読み方も市民の中には『まつざか』と濁る人もいるらしい。もっともどちらでもなく『まっつぁか』と訛るほうが地元らしい。ついでに言うと『まつさかうし』よりは『まつさかぎゅう』の呼び方のほうが個人的には好みではある。
 余談だが“大阪”はその昔は“小坂”だったが、大は小に勝るということで江戸時代では“大坂”と呼ばれるのが一般的になった。しかし幕末頃には、坂は土に返る(=死ぬ)とか、明治時代には士が謀反を起こす(士と反)ということで縁起を担いだのか明治元年(1968年)の太政官布告により大阪府が設置されて“大阪”が正式名となった。
 閑話休題、話をマツサカシダに戻そう。植物図鑑ではマツザカシダと濁っているが漢名では“坂”と“阪”の両方が見られる。このシダの名前は松阪市に因んだということなので、ここではマツサカシダ(松阪羊歯)と表記しておこう。
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オカタツナミソウ・2~果実

 長池公園の遊歩道脇で見られる「オカタツナミソウ(丘立浪草)」。シソ科タツナミソウ属の多年草で低山や丘陵地のやや日陰に生育している。5~6月に茎の上部に筒状の花を咲かせ、花後は唇形の萼片が皿状になり果実を包むようになる。写真は萼片の上唇が取れ掛けたところで中に黒い4分果がある。写真下には上唇が取れ果実が零れて残った下唇がある。
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ノコンギク・2~果実

 キク科シオン属の「ノコンギク(野紺菊)」。日本全国に分布する多年草で当地ではカントウヨメナシロヨメナとともに野菊を代表する種になる。カントウヨメナなどヨメナ属は果実に長い冠毛が見られないが、この姿を見ると違いが良くわかる。ちなみに“ヨメナ”の名を持つシロヨメナは本種と同じシオン属であり痩果には長い冠毛がある。
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ギンレイカ・2~果実

 奥高尾“高尾林道”の道端で見掛けた「ギンレイカ(銀鈴花)」の果実。サクラソウ科オカトラノオ属の多年草で6~7月に枝先に総状花序を出し小さな花をまばらに付ける。果実は蒴果で直径5~6ミリ。熟すと先端が5裂して小さな種子を零す。
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アケボノスギ・1~紅葉

 別所小学校付近のせせらぎ緑道に植栽されている「アケボノスギ(曙杉)」。ヒノキ科(←スギ科)アケボノスギ属の落葉高木で「メタセコイア(Metasequoia)」と呼ばれるのが一般的。古来の化石により日本を含む北半球に広く分布しその後絶滅したと考えられていたが、1946年に中国四川省で発見され現存しているのがわかった。樹形が美しく今では各地に植栽されている。その葉は羽状複葉のように見えるが、小さな一片の葉が最小単位の単葉。その単葉が付いている中央の軸は枝になる。メタセコイアは美しく紅葉してから落葉するが、これは枝ごと落ちるので正しくは“落枝”になる。
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ブナ・3~果実

 高尾山“いろはの森コース”で見つけた「ブナ(ぶな※)」の果実と種子。“美人ブナ”と呼ばれる枝振りが美しい樹の根元で落ち葉を掻き分けていくつか見つけることができた。表面に棘状の突起がある果実は長さ2センチほどで、中に3つの稜がある長さ12~13ミリの種子がある。標高599メートルの高尾山にはイヌブナと同じ環境に冷温帯地域に分布するブナが生育しているが、これは江戸時代の小氷期や富士山噴火による気象変化でこの地域に生育したとも考えられている。残念ながら今の環境では種子から発芽するものの若木が大きく成長することは無い。
 ※“ぶな”の漢字は木へんに無。
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