キョウチクトウ科(←ガガイモ科)キジョラン属の「キジョラン(鬼女蘭)」。ランの名前が付くがラン科とは無関係。夏から秋に散形花序を出し直径4~5ミリの小さな花を咲かせる。結実率は低く果実を見るのは稀。果実は長さ10~12センチで熟すと裂開して長い種髪をもった種子を出す。高尾山系ではキジョランが多く生育しており、冬に登山道を歩いていると風に飛ばされた種子が見られる。
蓮生寺公園の林縁に生育している「ヤブミョウガ(藪茗荷)」。ツユクサ科ヤブミョウガ属の多年草で、夏に白い花を咲かせ秋に宝石のような果実を稔らせる。以前はこの場所ではちょっとした群生になっていたが、次第にオオブタクサやアズマネザサが拡がってきて数年前に公園管理者が藪を一掃した。お陰でヤブミョウガの株もずいぶん少なくなったが根が残っていて今年も数株伸びている。
ムクロジ科(←カエデ科)カエデ属の「チドリノキ(千鳥の木)」。山地の沢沿いに生育する落葉小高木で葉は対生し葉身は8~15センチ。15~20対の側脈がありクマシデやサワシデ(サワシバ)の葉に似ているので「ヤマシバカエデ(山柴楓)」の別名がある。
キク科ブタクサ属の「オオブタクサ(大豚草)」。北アメリカ原産の一年草で昭和27年に日本に入ってきた。やや湿り気のある空き地や河原に群生し草丈は2~3メートルにもなる。果実は釣鐘状の偽果で6つの稜がありツノ状の突起が先端とその周りに6個ある。長さは7~8ミリで中に3~4ミリの種子が入っている。
今朝は氷点下まで冷え込み布団から起き上がるのにかなり気合が必要だった。そこで『もしかしたら』と思って出かけた先は自宅から約1キロの長池公園。お目当ては「シモバシラ(霜柱)」で予想通り小さな氷華が出来ていた。シソ科シモバシラ属の多年草で地上部は枯れているが根がまだ活動しており茎の維管束や導管などの毛細管現象で水分押し上げられ地表の氷点下の空気に触れて凍る。近くにあるセキヤノアキチョウジでも同じような現象が見られるが朝の陽当たりが良く今日は見られなかった。高尾山では今日はもっと大きなものがたくさん見られただろう。
スイカズラ科スイカズラ属の「ミヤマウグイスカグラ(深山鶯神楽)」。本州以南の山地に生育する落葉低木で日本特産のヤマウグイスカグラの変種。花期は4~6月なのでこれは返り咲き。ウグイスカグラに比べて若枝、葉柄、花柄、子房などに毛が多く見られる。
バラ科キイチゴ属の「フユイチゴ(冬苺)」。9~10月に葉腋から花茎を出し白い5弁花を数個咲かせる。その後1~2ヶ月で果実が赤く熟す。キイチゴの仲間の多くは春~夏に熟すが、本種は冬に熟すことから名付けられている。ミヤマフユイチゴの葉先が尖るのに対してフユイチゴの葉先はあまり尖っていない。これは多摩森林科学園のもの。
南大沢2号緑地の道路脇に生えている「カマツカ(鎌柄)」。バラ科カナメモチ属の落葉小高木で陽当たりの良い林縁に生育している。春に小さな白い5弁花を密に咲かせ秋に果実が赤く熟す。花や果実は特徴的で観察することが多いが、ここでは綺麗な紅葉を見せていたので思わずカメラを向けた。
陵南公園付近の南浅川土手で見掛けた「ツルウメモドキ(蔓梅擬)」。ニシキギ科ツルウメモドキ属のつる性落葉木本で雌雄異株。5月頃に葉腋に目立たない花を咲かせ果実は秋に熟す。果実の外皮は3つに裂開して中から鮮やかな朱色の仮種皮に覆われた種子を見せる。
キク科オナモミ属「オナモミ(巻耳)」。8~10月に枝先に円錐花序を出し秋に果実が稔る。果実のように見えるトゲのある楕円球は双方が痩果を包んだ果苞で長さは10~14ミリ。オナモミはアジア大陸原産で古くに日本に渡来したと考えられている。果実を日干ししたものが漢方薬の“蒼耳子(そうじし)”で、動脈硬化予防、鎮痛、解熱などの薬効がある。最近は野原で見掛けることが無くなり近縁種のオオオナモミも少なくなっている。これは東京薬科大学のもの。