現代児童文学

国内外の現代児童文学史や現代児童文学論についての考察や論文及び作品論や創作や参考文献を、できれば毎日記載します。

進撃の巨人 Season2 覚醒の咆哮

2018-08-10 18:48:09 | 映画
 「進撃の巨人」Season2(第26話から第37話まで)の劇場版総集編です。
 今までの劇場版総集編(その記事を参照してください)と同様に、ストーリー全体の流れはわかるようになっているのですが、細部が欠けているので正確に理解するのは難しいです。
 全体的には、初めは人間対巨人の戦いだったものが、次第に人間同士(あるいは人間が巨人に変身したもの同士)の戦いに変化しているので、いいもん側と悪いもん側があまりはっきりしていなくて、巨人を倒した時の達成感(もともと巨人=絶対悪とするのも一種の差別なのかもしれませんが)がかなり減っています。 
 また、これは戦闘物やスポーツ物のマンガやアニメに共通することなのですが、次第に人間ドラマを描くシーンよりも戦闘や試合や練習のシーンが増えていきます。
 このことは、「進撃の巨人」でも同様のことが言えそうです。
 最後に、男性ファンにはミカサ・アッカーマンやクリスタ・レンズのような美少女キャラクターが、女性ファンにはリヴァイ兵士長やエルヴィン隊長のようなかっこいい男性キャラクターが魅力なのは言うまでもありません。

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神沢利子「あほう鳥とくじら」いないいないばあや所収

2018-08-10 11:40:55 | 作品論
 誰もが子どものころに経験する、家具や庭木を使った空想の冒険ごっこの日々。
 私も友だちやいとこたちとしましたし、私の息子たちも特に二段ベットを使って熱心にやっていました。
 そのうそっこ(私の育った地域ではうそんこといっていました)と本当(同じくほんこといっていました)の世界の区別がつかないさらに幼い子どもたちの様子が、この作品では鮮明に描かれています。
 子どもの成長に欠かすことのできないこれらの発達段階のリアルとファンタジーの入りじまった世界は、おそらく児童文学の世界(特にファンタジーにおいて)の大きなよりどころでしょう。
 その時の記憶を大人になっても忘れないでいられることは、児童文学作家の大事な資質のひとつです。
 この作品は、そんな児童文学作家の創作の秘密を垣間見せてくれます。
 
いないいないばあや (岩波少年少女の本)
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岩波書店
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