現代児童文学

国内外の現代児童文学史や現代児童文学論についての考察や論文及び作品論や創作や参考文献を、できれば毎日記載します。

グードルン・パウゼヴァング「沈黙の家」そこに僕らは居合わせた所収

2018-08-20 08:39:02 | 作品論
 戦争中、主人公のギナジウム生が下宿していた家の向かいには、古い屋敷がありました。
 そこには、ユダヤ人の老夫婦は住んでいました。
 ある日、老夫婦は強制収容所へ入れられることになり、その後にはナチス党の地区委員の家族が越してきました。
 敗戦を迎え、ロシア軍がくる前に、地区委員は家族を射殺して自殺しました。
 この物語を、単なる因果応報のお話だとは思いたくありません。
 それよりも、より普遍的な価値の変遷の証だととらえた方がいいと思います。
 そして、その変遷は今でも日本でも続いています。

そこに僕らは居合わせた―― 語り伝える、ナチス・ドイツ下の記憶
クリエーター情報なし
みすず書房
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