「夏の友」とは、夏休みの宿題のドリルのことです。
題名だけでなく、小学校五年の夏休みを父方の実家で過ごした思い出を描いた前半は、まるで70年代か80年代ごろの「現代児童文学」の作品のようです。
緻密な子ども時代の記憶や個性的な登場人物の描き方は、やや性的な表現はあるものの毒にも薬にもならない作品が多い現在の児童文学作品より、今の子どもたちにとっても面白いかもしれません。
後半の大人になった主人公が出てくるようになると、吉村独特のエロとグロが満載の独自の作品世界が広がります。
でも、こういった世界をストレートに描くより、それを内包しつつ抑えた表現で描いた前半の方が、一般的な読者には受け入れやすいのではないかと思いました。
題名だけでなく、小学校五年の夏休みを父方の実家で過ごした思い出を描いた前半は、まるで70年代か80年代ごろの「現代児童文学」の作品のようです。
緻密な子ども時代の記憶や個性的な登場人物の描き方は、やや性的な表現はあるものの毒にも薬にもならない作品が多い現在の児童文学作品より、今の子どもたちにとっても面白いかもしれません。
後半の大人になった主人公が出てくるようになると、吉村独特のエロとグロが満載の独自の作品世界が広がります。
でも、こういった世界をストレートに描くより、それを内包しつつ抑えた表現で描いた前半の方が、一般的な読者には受け入れやすいのではないかと思いました。
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