東北(他の地方も同様としています)が、いかに東京に搾取されてきたかを語ることから論が始まります。
そして、福島第一原発事故をめぐる東京と東北での、受け取り方やアクションの違いについて述べられます。
さらに、様々な東北で行われている事業(公共のも、企業が行うものも)が、疑似原発として同じ構造のもとに行われているとしています。
その究極の姿として、東京自身がひとつの疑似原発であり、その拠る所の脆弱性を指摘しています。
逆に、原発が疑似東京であったことが、今回の事故を引き起こしたと結論付けています。
全体としてうなづける点も多いのですが、論の進め方に問題点が多いと思いました。
一般的な論文と違って、先行する論文や立場の違う意見の紹介がほとんどなく、かなり主観的に書かれていて、説得力に乏しい感じがしました。
また、政治的にやや偏った立場で書かれているので、客観性に欠けています。
筆者の政治的立場を全くなくして文章を書くことは不可能ですが、こういう書き方の論文を巻頭にすえると、それだけでこれ以上読み進めたくないと思う読者も多いことでしょう。
最後に、この本は編者の小熊英二に惹かれて手にしたのですが(実際にその名前で検索してこの本を知りました)、小熊は巻末で赤坂憲雄と対談しているだけだったのでがっかりしました。
小熊も偉くなって(年を取って)自分で論文を書かなくなったのかと思うと、かつての「1968」などの大作の愛読者からすると、少し寂しい気がしました。
そして、福島第一原発事故をめぐる東京と東北での、受け取り方やアクションの違いについて述べられます。
さらに、様々な東北で行われている事業(公共のも、企業が行うものも)が、疑似原発として同じ構造のもとに行われているとしています。
その究極の姿として、東京自身がひとつの疑似原発であり、その拠る所の脆弱性を指摘しています。
逆に、原発が疑似東京であったことが、今回の事故を引き起こしたと結論付けています。
全体としてうなづける点も多いのですが、論の進め方に問題点が多いと思いました。
一般的な論文と違って、先行する論文や立場の違う意見の紹介がほとんどなく、かなり主観的に書かれていて、説得力に乏しい感じがしました。
また、政治的にやや偏った立場で書かれているので、客観性に欠けています。
筆者の政治的立場を全くなくして文章を書くことは不可能ですが、こういう書き方の論文を巻頭にすえると、それだけでこれ以上読み進めたくないと思う読者も多いことでしょう。
最後に、この本は編者の小熊英二に惹かれて手にしたのですが(実際にその名前で検索してこの本を知りました)、小熊は巻末で赤坂憲雄と対談しているだけだったのでがっかりしました。
小熊も偉くなって(年を取って)自分で論文を書かなくなったのかと思うと、かつての「1968」などの大作の愛読者からすると、少し寂しい気がしました。
「辺境」からはじまる―東京/東北論― | |
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