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【Downton Abbey】を見過ぎて寝不足である。チョー寝不足!
「高慢と偏見」の拡大版みたいな英国版大河ドラマとも言えます。役者も本も揃って見応え充分。 根本に流れる性善説で、伯爵とその家族、彼等に仕えるいろいろな立場の使用人達を、それぞれの視点で描いてます。
その彼等一人一人に、伯爵家一人一人に「禍福は糾える縄の如く」振りかかります。
時代はグレートウォー(第一次世界大戦)前後から、英国が新しい時代を模索し、社会が急激に変化してゆく中で、多くの貴族が、この時代の波に飲み込まれてゆきます。
価値観が大きく変わってゆく中で、誰もが(どんな階級に属そうと)それぞれの生き方を選んでゆく、言い換えれば、心のままに生きてゆく、一族や大邸宅を維持する為の結婚を選ばなくなる流れを壮大に描いてます。
単純に善と悪の対比だったり、判り易い親子愛で描くのではない手法です。
マギー・スミスが一人で、旧時代の尊厳と英知(ここが面白い)を背負って演じてます。っま全てのキャステンングはバッチリです。あの「バーニー」が主役の伯爵です。
ミレミアム前後より発せられるブリティシュ・カルチャーは興味のないものばかりでした。が先日の「エンジンバラ行」以後、古い気分で色々と探っています。
次回の旅行ではKINGSCROSSからエジンバラまで、あの「FLYING SCOTSMAN」で行こうと思いましたが、もう列車名も「SLEEPER」(寝台車)は存在しないかもしれません。
ロンドン~エジンバラ間(これは東京~大阪間)を今から150年(1870年前後で) なんと所要時間はたったの6時間半だったのです。
さて、昔は「ヒルストリート・ブルース」(米国)という群像劇が好きだしたが、downtonabbyはスケールが違います。これは金字塔です。
本当に「役者が揃った」らどういうことになるのか?を見せてくれます。
日本のNHK大河ドラマ(見たことないけど)のように、その時に人気のガキタレを揃えるんじゃないです。
基本に流れるのは「性善説」ですから、ある意味、安心して見れます。そして劇中に悪人がちょっとした隙間にそれを見せてしまいます。(演技として) そこが見所の一つかもしれません。だからこのドラマのスパイスは2人の悪人です。
個人的にかなりオススメします。
英国では観光資源として、この「Downton Abbey」ツアーが出ています。(行きませんが)
今もNational Trust管理下で多くの貴族の館が英国に残ってます。 もし、このドラマによって、その時代に生きた人々の面影のようなものがそこに見えるのなら、このドラマはとても価値があるかもしれません。